はじめまして。ボクの名前はシロと言います。

<3月17日>

暖かくなってお母さんの足もずいぶんよくなってきたので、
昨日からリハビリというのを始めました。
今週から、ボクの会社通いは少し減るかもしれません。
でも、やってみないと分からないと、お父さんは言っています。

去年の暮れに始まった堤防の工事が、やっと終わりそうなのです。
スーパー堤防というそうで、今まで急だった斜面のコンクリートの上に、
新しい土をかぶせてなだらかにし、全面に芝がはられました。
階段も広くなって、手すりとかも立派なのがついています。
真新しい標識には、「河口から6キロ」と書いてあります。
お父さんに言わせれば、だから高潮なんかの危険もあるそうで、
台風の時なんか、海の水が上がってくるかも知れないんだって。

でもお父さんの心配は、もっと別のことのようです。
ボクはこれまで堤防には怖くて登れなかったけど、これなら平気です。
だから、女の子を追いかけて堤防の向かうに出るかもしれない…と、
そうやって脱走して交通事故に遭ったら困る…と言うのです。
あぁあ、女の子さえいなければ、世の中、もっと平和なんだけどな。