昨日と同じ今日が好きです。

ボクが初めてお父さんに会って、この家に来たのは1999年5月9日でした。
あれから、もうずいぶん時間がたって、小さい頃のことは忘れたけど、
散歩に行って、ご飯を食べて、昼寝をして、また食べて、また寝る…という日課は、
少しも変わっていません。進歩してないとも、グータラとも言われそうです。
でも、ボクは変わらない毎日が好きです。明日も、今日と同じがいいと思います。

(本当の名前は”TEODOLL OF LUCKY STAR J.B.JP”。誕生日は1999年3月27日です。)

1999年の日記

最初の何日間かは不安で、トイレもうまくできなかったけど、すぐに自分のお家だと思うようになりました。
そして、お散歩デビュー。みんなにカワイイ!とか言われて有頂天でした。         車には最初から酔わなかったので、いろんな所に連れて行ってもらいました。

2000年の日記( 1 2 3 4 )

多分、人間で言えば少年期。思春期の始まりでした。
お友達もたくさん増えて、やんちゃに遊んでる時はいいんだけど…。

時々は「生まれいづる悩み」とかに取りつかれて爆走したりしました。「切れる18歳」なんて呼ばれたのもこのころです。

2001年の日記 ( 1 2 3 4 5)

ボクは、どちらかと言えは臆病というか怖がりというか、生まれつきの性格が温和な上に、お父さんの躾が厳しかったので、2歳を過ぎるころから落ち着いたそうです。

車に乗るのが大好きで、お父さんのお休みには、いろんな所に出かけました。

2002年の日記 ( 1 2 3 4 5)

この年から、ボクたちは軽井沢の追分というところにお家を借りました。東京の家は2階なので、ボクが歳をとったら階段も上れなくなりそうだから、将来はここに引っ越す予定です。

冬はすっごく寒いし、夏は雑草や虫とも戦争だし、お母さんにはちょっと大変だけど、ボクにはまるで天国です。

2003年の日記 ( 1 2 3 4 5 6 )

4歳といえば人間の子供なら幼稚園。ボクも少しは人間らしくなったかも知れません。難しいことは分からないけど、普通の会話ならお母さんの言うことは大抵理解できるし、言葉にならなくてもどういう状況かは察しがつくようになりました。

でも、それに比例して、少しオジサン臭くなったとも言われています。

2004年の日記 ( 1 2 3 4 5 6)

お父さんが会社を週休3日にしたので、ほとんどの週末はお山で暮らすようになりました。カレンダーに祭日があると、少しズル休みすれば10連休にもなるから、もうすっかり田舎の子状態です。

草だらけだった庭もだいぶ落ち着いて、お父さんはバラ、お母さんは山野草を育てています。

2005年の日記 ( 1 2 3 4 5 6)

ボクは6歳になりました。犬の寿命から言えば、立派に大人。まさに男盛りですが、お母さんは相変わらず「お坊ちゃま犬」と馬鹿にしています。お山の家は、お父さんの改造計画がいつまでも終わらないので、あんまりお出かけとかはできませんが、お庭やお部屋は、ほぼ完成に近づいたようです。街の探検も進んで、ランチに行くお店など、お馴染みさんが増えました。

2006年の日記 ( 1 2 3 4 5 6)

ボク達はお山で暮らすことが多くなり、河川敷の遊び仲間は週末に会うインディ家の他には、ほとんどいなくなってしまいました。
高齢化の波が我が家にもやって来ました。お父さんは二度も入院したし、おじいちゃんやおばあちゃんも、本格的な介護が必要になりました。ボクは元気だけど、7歳。お母さんは「オジサン犬」と呼ぶようになりました。

2007年の日記 ( 1 2 3 4 5 6)

激動の1年でした。お父さんは、病気のこともあって、これ以上のストレスを避けるために仕事をやめました。だけど、予定通りに軽井沢に引っ越すことはできませんでした。
東京を離れられないお母さんと、お祖母ちゃんの介護に名古屋に行くお父さん。そして、軽井沢。ボクは、まるでフウテンの寅さんみたいに旅を続けることになったのです。

2008年の日記 ( 1 2 3 4 5 6)

ボクとお父さんはずっと旅暮らし。お祖母ちゃんの調子が悪かったりして、毎月、名古屋に通いました。でも、お母さんが東京のご用を減らしたので、軽井沢で過ごせる時間が長くなって、少しだけ楽になりました。
ボクは9歳。自分でも歳をとったのが分かります。お散歩もすぐ疲れるし、笑い顔が少なくなったと、お母さんは言っています。

2009年の日記 ( 1 2 3 4 5 6)

お庭の改造計画がほぼ終わって、やることのなくなったお父さんは、畑の開墾を始めました。大きな石を掘り出して移動させるのも全部一人でやって、モミジや桂の木も植えて、家庭菜園もつくりました。

でも、働き過ぎで体の免疫が落ちたのか、変な病気に罹って、秋には2回も入院することに。

2010年の日記 ( 1 2 3 4 5 6)

ボクにも病気が見つかりました。心臓と腎臓の機能不全でした。検査の数値がとても悪くて、先生からは「今年1年が越えられるかどうか」と言われ、少し暗い気持ちになりました。11歳のお誕生日の前、2月のことでした。

でも、ずっと病院に通ってずいぶん良くなって、それなりに平和な1年でした。

2011年の日記 ( 1 2 3 4 5 6)

日本に大きな災害が襲った年でした。直接の関係はなかったけど、ボク家でも名古屋のお祖母ちゃんや、親戚の人が亡くなりました。

ボクはずっと病院に通い続けました。もう、どこへも行くことはなくなりました。でも、お家が大好きなボクとしては、特に問題なし。お父さんの庭や畑も、やっと落ち着きました。

2012年の日記

寒い冬でした。そして、年が明けるとすぐに、ボクは食欲が無くなりました。検査の数値は上がり続け、どんな薬も効かなくなりました。 それでもお散歩には行きました。お腹の調子が悪くて、雪の中でバニクったことも。

ボクは頑張って、13歳のお誕生日を迎えました。そして、とうとう特別な1日が……。