| 前回のミレニアム・アップグレード(2000年)に引き続き、2001年には循環式腰水システムにペルチェ素子を使用した自作冷水機を組み込む大改造を実施しました。 この自作冷水機は、温度制御部とペルチェ素子を組み込んだ熱交換器からなり、この熱交換器を用水タンクに取り付けて用水を冷却するようにしたものです。 ところが、その結果は惨憺たるもので、性能不足に留まらず、思わぬ副産物を産み悪影響を及ぼすこととなりました(^^;)。 自作冷水機は80Wタイプのペルチェ素子を2素子使用し、電源電圧を12Vとして計算上では75Wの冷却出力をもつものであったのですが、実際の能力は31Wと低く、消費電力の150Wに対しての21%の能力しかありませんでした。 その後、廃熱用放熱器に対する冷却方法の工夫などを行ってみたのですが、やはりペルチェ素子の自作機では無理な話であったようです。 さらにこの冷水機は冒頭で述べたように、植物に対して非常に大きな悪影響を及ぼす結果となってしまいました。 設計時に、アンプ自作時代の経験からタンクの熱交換器のベースに手軽で熱伝導率のよいアルミ板を使用しましたが、電気化学的要素、即ちイオン化傾向に関わる化学反応というものをまったく考慮しなかったためにアルミイオンが大量に溶けだすと共に用水がアルカリ化してしまい、植物の生育に大きなダメージを与えてしまいました。 アルミニウムのイオン化傾向は水素より小さいために、水に浸けると徐々にではありますが、水と反応し、水素と水酸化アルミニウムになります。 水酸化アルミニウムは水酸基をもつので、当然その溶液はアルカリ性となり、さらに陽イオンとしてのアルミニウムイオンが用水の中に多く存在するようになります。 アルミニウムイオンは、植物の特に根にダメージを与え、生育阻害を引き起こします。 そのため、用水のアルカリ化とアルミイオンのダブルパンチで植物(特にハエトリ君)にダメージを与えてしまったのです。 その後、この熱交換器ベースからのアルミニウム溶解を防ぐために、ベースをシリコン樹脂製の塗料で厚くコーティングしてみましたが、その結果さらに冷却効率は落ち、実質上電気を喰うだけの役立たずになってしまいました(^^;)。 コーティングしたとはいえ、塗膜のピンホールから水が侵入しアルミの溶解は進行していきます。 したがって、このまま実質上無意味な冷却ベース付きのタンクを意固地に使用していても、悪影響しか及ぼさないので、きっぱりと使用を断念することにしました。 でも、一度火がついた冷水機への思いはとどまることなく、ついに市販の水槽用クーラーを導入することに決めました。 そしてタンク自体も一新することに決めたのです。 ただし、そのときに製作した温度制御部は、折角ですからこの市販クーラーを用いたシステムに流用することにしました。 そして、これがこの規模では最終形となるアップ・グレードになりました。 |
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まず、ウッドデッキ東側の全景です。 今までの山野草棚の隣にもう一つ棚を追加してあります。 また、揚水ポンプ式の井戸からの灌水用ホースを引っ張ってあります。 |
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そして、これがファイナル・アップグレードを行った循環式腰水システムの全景です。 外観そのものは、それほど大きく変わってはいません。 前回と変わっているところは、ラック下側のカバーが広くなり、さらに2枚に分かれていること、そして中段水盤の下に怪しげな(^^;)緑色のコンテナが設置してあることです。 前者がいわば心臓部であり、後者が頭脳部となります。 |
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これが下段の水盤で、ハエトリグサ用としています。 水盤の前面は、朝日が直接当ることによる水温上昇を防ぐために25mm厚の発泡スチロール板を貼り付けています。 |
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中段は深めの腰水として、多湿を好むモウセンゴケ類やミミカキグサ類を置いています。 これにも発泡スチロール板を貼り付けてあります。 それぞれの水盤にはL形ユニオンナット・ホース用を取り付けた排水口があり、棚田の要領で水を回しています。 |
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そして、これが上段のムシトリスミレ類用水盤です。 これにも発泡スチロール板を貼り付けてあります。 水盤の順序からこのムシトリスミレ類に一番冷たい水が供給され、ついでモウセンゴケ類・ミミカキグサ類、最後にハエトリグサに供給されることになります。 |
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下部の用水タンクから供給される水は、この水量調整用バルブ(ボールバルブ)を経て水盤に供給されます。 上の写真では写っていませんが、タンクからのホースには保温テープを巻きつけてあります。 |
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メインテナンス(主に水盤の清掃)がしやすいように、供給用のホースは洗濯バサミで固定しています。 |
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今回、後述するように水盤への供給水量を増やしたわけですが、排水は自然排水に任せているため、排水口が詰まるとあっという間に水が溢れてしまう結果となります。 そこで、金網で箱型の少し大きめのフィルタを製作して排水口の前に設置しました。 このようにすれば、網目に多少の異物が詰まっても排水口には影響しなくなります。 |
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今まで水盤の上げ底網には建物の通風孔用樹脂網を使用してしていましたが、色が黒色であるために太陽光を吸収して水温を上げる原因になっていたことと、剛性を増すため結構厚く、清掃時には藻を除去するのにパイプブラシを使って一つ一つの孔を掃除しなければならず非常に面倒だったというデメリットがありました。 今回ホームセンターでちょうどよい寸法のバーベキュー用の金属製網を入手できたので、これに交換しました。これで上記のデメリットを一挙に解消できます。 この網を檜(ヒノキ)の角材でちょっと持ち上げて使用しています。 |
前回までのシステムでは、最初の基本コンセプトが「太陽電池で駆動できるシステム」としていたために、揚水ポンプに真空ポンプとして使用できる噴霧器用のギヤポンプを流用し、それを太陽電池用DCモーターで駆動していました。 途中で太陽電池の使用を実質上あきらめ、ACアダプターから給電するようにしましたが、この基本構造は変わっていませんでした。 ところで、駆動用モーターにDCモーターを使用した場合、一つの問題が生じます。 それはこのようなDCモーターは整流子にブラシを用いていることから、ノンストップの連続運転をさせるとブラシが早く擦り切れてしまい寿命が非常に短くなることです。調子がよくても数ヶ月、悪いと1ヶ月持たないこともありました。 そのため、夏季の炎天下において上記の理由でモーターがダウンし、用水の供給が止まってしまうと水盤の水がお湯にならないまでも相当上昇してしまうという懸念がありました。 このことに対処すべく、水盤自身の水量を増やしておき(腰水の高さは上げ底網の高さで調整)、ポンプが停止した場合でも水盤自身の水で温度上昇をあまり起こさないようにしていました。 ところが、システム全体で考えてみれば、タンクの水量に対して各水盤の水量の多さが無視できなくなってしまいます。 せっかくタンクを遮光しても水盤の水が日射にて温められてしまいます。 さらに使用していたギヤポンプはもともと噴霧器用のものですから、300ミリリットル/分と流量が少なく、そのため水盤で十分暖められた水がタンクに返ってくることになり、コンテナ単体で使用するよりは水温が上がらないものの、せっかくタンクから水を供給するメリットが半減してしまうということになっていました。 そこで今回、電源がAC100Vに変わっていることにより、まずポンプを駆動用モーターを含め、もともと連続運転用に設計された信頼性のある循環用ポンプに換装することに決めました。このことにより、水盤の水量を減らすことができます。 また、水が実際に温められるには時間がかかる(熱時定数が大きいこと)から、タンクからの水を永く水盤に停留させず、早くタンクに返してしまえば暖まりにくくなると考えました。 それには、水盤の水量を減らすとともに、循環させる用水の流量を大きくすれば早く水を返せることになります。 これに関しても、専用の循環ポンプであれば流量を増やせます。 実際には揚程といって、揚水する高さによって水量変化の影響を受けますが、噴霧器用ポンプの300ミリリットル/分に比べればはるかに大きい水量が得られます。 しかしながら、ポンプを変更する場合に一つの課題が残りました。 今までのポンプは電池式噴霧器用ギヤポンプということで、気密性が高く真空ポンプとして使えたのです。 すなわち、電池式噴霧器というのは下にタンクを抱え、上にポンプを置き、かつ、薬剤を効率的に撒くように頻繁にON/OFFします。したがって、OFFにした場合、液体がポンプより下に下がってしまいますが、ギヤポンプは真空ポンプであるために、再始動時に液体を改めて吸い上げることができるのです。 ですから本システムでも、メインテナンス時にいったん水を止めて水が下がってしまっても、再始動すればポンプが自分の力で水を吸い上げることができたのです。 これが一般のフィン式送り出しポンプでは、いったん水が下がって空気が入ってしまうと真空にはできないために、そのままでは水を吸い上げることはできず、別途取水系を水で満たしてやる「呼び水」という処置が必要になり、わずらわしくなるのです。 そこで、今回は「呼び水」が不要となるように水陸両用の循環ポンプを採用して、タンク内に直接ポンプを水没設置することにしたのです。 なお、今回ポンプを交換して供給水量を増やしたわけですが、試行時に新たな問題が生じました。 水盤の排水口は市販の15mmホース用のニップルを用いての自然排水としていたのですが、供給水量を増やした結果、同じ15mmホースから供給しているにもかかわらず、水位が排水口の高さを超えてあふれてしまうことが判明したのです。 一度排水口の先を指で塞いで中の空気を完全に抜いてから排水させると、俄然流れがよくなり、水位は排水口の位置までに下がるのですが、水位が下がって一旦中に空気が入り込むと、とたんに水の流れが悪くなり、再び水位が排水口よりも高く上昇してしまうのです。 調査した結果、排水口に使用しているニップルの水漏れ防止用ゴムパッキンに問題があることが判りました。 このパッキンは、もともとニップルに添付されていたものですが、内径が少し小さく、普通の水道のように密閉して水圧をかけて送水する場合には問題ありませんが、今回のような自然排水系に使用すると、内径が小さいために空気が入り込むとニップルの有効断面積に相当する水を吸い込むことができなくなってしまうのです。 そこで、別途ニップルの内径と等しい14mmのゴムパッキンに交換してみました。その結果、今度は順調に排水することができるようになり、この問題を解消することができました。 この結果に基づき、システムに使用する水栓などのネジ接合部は、すべて内径14mmのゴムパッキンに交換しました。 |
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このシステムの心臓部となる用水タンク部とクーラー部です。 クーラー部の詳細についてはこちらをご覧ください。 また、用水タンク部の詳細についてはこちらをご覧ください。 |
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これが中段水盤の下に置いてある怪しげな緑色のコンテナ、すなわち温度制御部です。 タンク内の温度センサーにより水温をモニターし、クーラー電源の投入/切断、および空冷ファンの動作制御を行っています。 温度制御部の詳細についてはこちらをご覧ください。 |
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夏季においては、上段水盤のさらに上流側にコンテナを追加し、暑さに弱いシレトコスミレやコイワザクラなど用として、外側の鉢を冷却水で冷やす水冷式の二重鉢を置いています。 |