【 ν猫ねこ帝国興亡記 】

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●第弐話   『 来訪者 』
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   2
 
 
 時は○○暦150年。
 
 ここは常春の国『ν猫ねこ♪』
 
 
       ・
 
 
 ――午後の静寂をうち破る――――《咆吼》―― 
 
 
 それは――――
 
 たった一つの――――巻物
 
 
 血まみれの―――――巻物
 
 
 ――――そして運命の歯車が
 
 
 
 ――――――――――――まわり出す。
 
 
 
       ・
 
 
「それでなんて書いてあったにゃぁ?^^」
 友ねこ様に言われて我に返った私は、不健康な汗を滝のように流しながら口を開いた。
「にゃ、……にゃぁぁ。あのね、……ねこの国。差し押さえられちゃったにゃ……」
「にゃーーー!?^^」
 友ねこさんの毛がちょっぴり逆立った。
 ほかの側近達は”バロスwww”とか”うはwww”とか言ってるにゃ。ええい、人ごとだと思いやがって。
 詳しく説明しようとしたとき、再び執務室の扉が開いた。
 うるさいにゃ。
 う、もう投げる物がないにゃ。
「ノックも無しに入るとは失礼な奴にゃ。誰にゃ?」
 
 入ってきたのは悪趣味なスーツに身を包んだ男。
 グラサンを外しながら不敵な笑みと共にのんびり言った。
「あいさつおくれましたなぁ。国取りで金融屋やらせてもろてます。『犬いぬ金融』のムサカいうもんですわ、よろしゅうに」
「犬いぬ金融ぅ!? 金貸しがなんの用じゃい。にゃ」
「まあ、簡単に用件言わせてもらいますわ。猫の国の賃貸料。支払いがここ半年滞ってますな、知らんとは言わせまへんでえ」
「神風さま! 払ってなかったにゃ!?^^」
「……にゃぁぁ」
「にゃぁ。じゃ、しかたないにゃ。。。^^」
 にゃ。
 柱の陰から『ぱぶろねこ』(ニヤニヤ・SMスナイパー編集者)が笑いながら見ているにゃ。
「ぱぶろん。こちうっ!!1!」
 ねこぱんちの構えをした瞬間に逃げられたにゃ、啓潤ねこのようにはいかないにゃ。
 ちくしょう。にゃ。
 とかなんとかやってる間もムサカは取り立ての内容を喋ってるにゃ。
 冗談の分からない奴は嫌いにゃ。
 
 要約すると、元本と利息で金10,000,000,000。期限は10年。払えなかったらねこ領土を隣の『りゅん♪』に売り払って補填するらしいにゃ。
 払い終わるまでの間。本丸と宮殿、それに城を差し押さえられちゃうから、ねこのみんなは出て行かなくちゃいけないにゃ。
 
「わしらも道楽で取り立てやっとるわけやおまへん、期日はきっちり守ってもらいますで」
 側近が羽交い締めにしていなければこの場で切り捨てるところだったにゃ。
 ムサカは”ほなよろしゅう”と言って帰っていった。
 
 むう。困ったにゃ。
 
 
 続く。