【 ν猫ねこ帝国興亡記 】

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●第拾四話  『 望まぬ再会 』
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   14
 
 
 時は○○暦151年。
 ここは極東皇国からねこの野営地へ向かう帰路にゃ。
 
  出発して三日目の昼。
 本来ならもう到着しておかしくない頃なんだけど、まだ道のりは半分しか来ていないにゃ。
 なんでかっていうと。
「……神風ニム? そっちじゃないニダよ」
「にゃ……にゃぁ。ちょっと間違えただけにゃ……」
「これで何度目にゃ?」
 にゃぁ。……私は国に帰れば殺されるにゃ。
 もっとも帰る国を追い出されたちゃったのがそもそもの原因なんだけどにゃ。
「まさか「国に帰れば殺される」とか、亡命中の独裁者みたいなこと考えてるにゃ?」
「……!!」
「図星ニカ?」
「いやにゃいやにゃっ。予はまだ死にとうないにゃぁぁ!」
「そんな我が儘言わないで下さいにゃ。劉友ねこ。さまは優しいねこにゃ。殺されたりしませんって、……せいぜい半殺し止まりにゃよ」
「天青ニム、それ、フォローになってないニダ」
 ふにゃぁぁ……。
 ゅぅぅっにゃ、ぁぁ、ゅぅぅっにゃ。
 もう、いっそのこと賊にでもなろうかにゃ……。
 そういえば、『ばじるねこ』(琉球好き・忠義の猫)と『くろうんもねこ』(酒飲み・売れない芸人)が賊建国を狙って出奔したと聞いたにゃ。
 彼らを頼って行くのも良いかも……。
 と。
 さりげなく伏線を入れながら現実逃避していたときにゃ。
 
「神風さま、遠くに軍団が見えるにゃ」
「ニダニダ。どこの所属ニカね」
 二人が見てる方角に、たしかにこちらに向かってくる一団が見えるにゃ。
 ふにゃ。今ねこと敵対してる国は無いにゃ。いきなり襲われることもないだろうし、そのまんま進んで行くことにしたにゃ。
 そして軍団旗が見える所まで近づいたにゃ。
 …………にゃ?
 ………………にゃにゃにゃ!?
 その旗に描(えが)かれた紋様は。肉球と魚骨(ぎょこつ)。
 即(すなわ)ち。
 ν猫ねこ♪の一団だったにゃっ。
 
「にゃあぁぁ〜〜〜〜〜っ!??」
 
 
  続く。