流星痕同時観測キャンペーン

"METRO campaign in Japan"


Close-up shot of Leonids' meteor train.
(c) photo by Yoshihiro Higa (2000)
 「流星痕」とは、火球と呼ばれる非常に明るい流星が流れた跡に、 数秒からときには数分にわたって光り続ける雲のようなもののことです。 私達は流星痕の観測画像をより多く収集してその構造や発生メカニズムを研究するため 1998年に「流星痕同時観測キャンペーン」を立ち上げました‥。
 流星痕は比較的明るい流星の出現直後見られます。数秒間で消えてしまうものを短痕と呼び、 これは高速の流星群の場合は特に観測される比率が高いものです。肉眼で見えるうちの3割以上の流星が 痕を伴う流星群もあり、低速の流星でも短痕は見られる場合があります。これまでの研究から、 短痕は緑色に光っていることが分かっており、酸素原子が励起状態になった後に1秒程度光っている と考えれます。この光の色は単色でオーロラの緑色と同じものです。一方、 流星痕の中には数分にもわたって光り続ける永続流星痕が存在します。 その出現頻度は極めて稀で、経験的には−4等(金星と同じくらいの明るさ)よりも 明るい流星が出現したとき初めて肉眼で確認できるほどの明るさで現れます。 したがって永続痕の観測には機材をスタンバイしての長期間の監視が必要となります。

 私達は特に永続痕を観測対象としたキャンペーンを実施してきました。それには、 (1)これまで世界的にもほとんど観測例が無い発光現象であったこと、 (2)アマチュア観測者の持つ機材を駆使すれば観測可能なこと、 (3)多くの地点で同時に観測できれば三角測量の方法によって立体構造の決定などが可能なこと、 (4)しし座流星群の33年ぶりの観測チャンスに大量の流星痕出現もある程度期待できたこと、 などの理由がありました。さらに永続痕は暫く発光しつづけるため高度90km付近の超高層大気の 風に流されて時々刻々とその形を変えます。その様子を地上の2地点以上から観測できれば、 その立体構造の経時変化を解析することができ、永続痕をトレーサーとした超高層大気風速の 測定が可能となります。

 私達は、大出現が予測された1998年のしし座流星群を機にキャンペーンを開始しました。 それまでの観測経験を生かした「流星痕観測マニュアル」の作成からはじめ、このホームページや 天文雑誌の情報欄などを通じて全国の観測者に流星痕写真観測を呼びかけてきました。メーリングリストや 研究会などを通じて観測者間の情報交換も活発に行なわれ、その結果は徐々に蓄積されてきました。 2001年に日本で観測されたしし座流星雨では大量の流星痕画像の収集に世界で初めて成功し、 1998〜2002年の5年間に国内アマチュア天文観測者の力を結集した大きな観測成果を収めることが 出来ました。

 以下に、活発なキャンペーン観測を実施した1998年〜2002年に至る5年間に得られた観測結果・ 研究成果の一端をご紹介すると共に、現在も継続されているデータ解析の紹介、さらにこれまでの 経験に基づく最適な観測方法のガイドをご紹介致します。写真観測可能な明るい永続痕の出現は 非常に希であり、観測できれば貴重なデータとなります。流星を写真観測される個人・団体、 特に機動力のある学生団体の参加を期待しています。観測キャンペーンにご協力いただける場合には、 このページ末尾のアドレスまで御一報くだされば幸いです。

 5年間続いたしし座流星群による流星痕の観測チャンスが一応終了したことを受け、 2003年以降は私達キャンペーン事務局では特に大きな案内を出しておりません。しかし これまでにキャンペーン参加された多くの観測者の経験の蓄積は今後もしし群以外の 流星群による流星痕観測にも大きな力を発揮していくものと期待できます。
 現在事務局では5年間の成果を踏まえ、大量のデータ整理・研究論文作成などに時間を向け、 日夜活動を続けております。成果の一端はすでに研究論文としていくつか発表しており、 今後も貴重なデータを生かした成果を発表していきます。

《流星痕の論文》 1988年〜1997年の流星痕観測結果をまとめた論文が受理されました。この期間の貴重な観測結果の収集に御協力くださった観測者の皆様に御礼申し上げます。現在、引き続きMETROキャンペーン期間の1998年以降のデータについて論文を作成中です。 2004/1/19
《ふたご群2003》 今年のふたご群では、眼視・ 電波・ビデオ・流星痕全国同時観測(HTTP)キャンペーンが筑波大学の小川宏さんによって 呼びかけられています。私達事務局では流星痕観測で同キャンペーンの一翼を担い、流星痕と 電波観測によるロングエコーとの相関の研究に取り組みます。 ふたご群の流星痕の観測では経験が十分でありません。したがって最適観測条件はまだ決定できて おりません。皆さんの観測の試みが重要なデータとなります。昨年作成した 観測のお誘いを掲載しておりますので参考にしてください。 これは2002年に同群流星痕の観測に成功された鈴木智さんからのメールに基づいています。2003/12/10
前田幸治さんにより2003年ふたご群による流星痕が撮影されました。2004/1/26 update
《しし群2002》 スペインにて永続痕2例、アメリカにて5例、国内にて1例が観測され、3カ国による観測が成立しました。 2002/12/24
《星ナビに登場!》 月刊「星ナビ」11月号に流星痕同時観測キャンペーンの成果・観測方法について紹介いただきました。 事務局メンバーによる実演を交えた観測方法の詳しい紹介記事がありますので是非ご笑覧ください。2002/11/4
《しし群2001》 2001年しし群の流星痕観測報告リストはこちら
同時観測流星痕36例単独観測流星痕98例、計134例を観測できました。2002/10/22

 このページは、2004.1.25 改訂版です。

観測お疲れさまでした! 流星痕が撮れたら、ぜひご報告下さい!


 
流星痕同時観測キャンペーン参加要領


 
流星痕同時観測キャンペーン概要
〜しし座流星群の流星痕を撮影しよう〜


 
流星痕協定観測簡易マニュアル
〜キャンペーン期間(協定時刻)について〜


 
月明時の注意点
〜月明かりの下でも流星痕は写ります!〜


 
流星痕の強拡大撮影に挑戦?!
〜流星痕撮影を経験済みの観測者の方へ〜


 
流星痕写真の例(1997年以前)
(宮崎県天文協会、前田幸治さんのページ


 
METROキャンペーン1998
〜1998年しし群の流星痕同時多点観測成果報告〜


 
METROキャンペーン1999
〜1999年しし群の流星痕同時多点観測成果報告〜


 
METROキャンペーン2000

〜2000年ペルセウス座流星群
〜2000年オリオン座流星群
〜2000年しし座流星群
〜2000年ふたご座流星群


 
METROキャンペーン2001

〜2001年しぶんぎ座流星群
〜2001年ペルセウス座流星群
〜2001年オリオン座流星群
〜2001年しし座流星群


 
METROキャンペーン2002

〜2002年ペルセウス座流星群
〜2002年しし座流星群
〜2002年ふたご座流星群


 
観測速報フォーマット

〜観測報告をお願いします〜


 
観測報告のガイド
〜データ提供について〜


* All pages are produced by M.-Y.Yamamoto(1999-2003) and M.Fujita(2001-2003)
supported by M.Toda(1999-2001), M.Fujita(1999), Y.Higa(2002), and S.Suzuki(2002).
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e-mail : train@nms.gr.jp