流星痕の強拡大撮影に挑戦?!

〜流星痕撮影を経験済みの観測者の方へ〜


流星痕の強拡大撮影の指針を書いておきます。もし成功すれば、非常に貴重な成果となります!
長焦点による利点もありますが、リスクも大きいと言えます。初めて流星痕撮影に挑戦される方には、
観測マニュアル通り、200mm以下のレンズによる撮影をオススメします。

(これは 2000年11/6付けで「NMS同報」メーリングリストに 戸田雅之が投稿した記事です)

この呼びかけなどを元に、2000年の比嘉さんの300mmによる永続痕撮影がなされました!!

この情報は、しし座流星群による流星痕観測に適したものであり、他の主要流星群に関しては必ずしもオススメできる観測方法ではありません。ベテラン観測者の方はチャレンジされてもいいかと思います。その場合、どういう条件で撮影に成功したか、あるいは写らなかったかを、今後の観測のために教えてくださるよう御願いします。

               ★400mmレンズで流星痕撮影を成功させるには★


 私は「撮影にあたってちょっと難しい問題がありますが、撮影に成功したら大
成果」というスタンスでお話いたします。

 使用するレンズの明るさをF2〜F4と仮定します。これらのレンズを使って
流星痕の静止像撮影をするには
(1)フィルムの増感
(2)シャッタースピードを速くする
(3)三脚
(4)流星痕に向けるタイミングを速くする
が考えられます。


(1)フィルムの増感

 銀塩でも白黒フィルムでE.I.(露光指数)20000以上までに上げればF4.0レ
ンズでも1秒露出が実現できます((2)の表を参照願います)。粒状性は悪くなるの
はやむを得ないと思います。粒状性が悪くなりますが、200mmと比べて4倍の大き
さ(50mm標準レンズと比べて8倍に拡大されます!)になりますので、粒状性の悪
化以上により詳細な流星痕画像を得られる事が期待できます。

 鈴木 智さんは1997年にしし群痕スペクトル撮影に成功し、天文ガイドに
て最優秀賞をとったものは、20000相当まで増感したものです。

 
(2)シャッタースピードを速くする

 さて、私が使っている望遠レンズのF値は2.0で、使用フィルムはISO800か1600
のカラーネガフィルムです。私自身の経験では4秒で適正露出にしています。自身の
経験からエイヤと作ってみたのが下の露出表です。

同じ焦点距離でF2とF4レンズの口径の差は1/2、光量で比較すると1/4にな
ることを加味した露出表です。あくまでも目安としてください。


  感度         F2.0        F2.8       F4.0
-----------------------------------------------------------
  800〜1600    4秒        8秒       16秒
    3200        2            4            8
       6400        1            2            4
      12800       1/2            1            2
      25600       1/4            1/2           1
-----------------------------------------------------------


(3)三脚

 流星痕が出現したらエイヤとばかりにレンズを向けます。流星痕に向けるレンズの
大きさが大きくなるほど、焦点距離が長くなるほど、スポーツ写真のように急激に
カメラ+レンズを向ける方向を変えるとなると、どうしても三脚が大きくならざるを
得ないでしょう。必要なのは頑丈な三脚、そして自由に振り回ししやすい雲台です。

 雲台は水平、垂直の2本のグリップハンドル(締め付け棒というんでしたっけ?)
がついた雲台が多いと思いますが、グリップハンドル1本で垂直、水平のフリーとロ
ックが同時に出来る雲台の方がすみやかに雲台の固定が出来ます(私はこのタイプの
雲台を使っています)。ピストルグリップ型雲台もあり、これも雲台のスピード固定
に役にたっているそうです。自由雲台はう〜ん、自由雲台は便利そうなんですが私は
使っていません。その理由は私の場合、雲台の上に5キロ近いカメラ+レンズが載る
ので、火球出現!流星痕発生!!という時にうまく振り回せるかどうか自信がない&
不安だったということで使っていないのです。

 もし、従来からある水平、垂直の2本のグリップハンドルで固定する三脚をお持ち
の場合は、事前に機材が載った雲台を速く振り回す練習を何度も繰り返して自分のも
のにしてくださいね。


(4)流星痕に向けるタイミングを速くする

 流星痕を導入するのには

 ・カメラのファインダーを使用
 ・テルラドファインダーのようなスポーツファインダーの使用

 の2通りになるでしょう。カメラのファインダーを使って流星痕を導入するのが
一番間違い無いような気がしますが、この方法は流星痕の分光撮影、強拡大撮影に
は向かないでしょう。私の場合、200mmレンズの撮影もカメラのファインダー
を覗きながら流星痕を導入してロックオン!撮影開始しています。この方法ですと
流星痕の撮影開始に9〜18秒(自身の経験)かかりますが、昨年流星痕撮影をさ
れた方によりますと焦点距離の短い(50?85?mm)レンズを使って撮影され
た方は5秒で撮影開始しています。う〜ん。

 テルラドファインダーは望遠鏡販売店でも売っていると思いますが、自作も可能
なものだそうです。ファインダー枠がうっすらと光っていて、肉眼で流星痕を見な
がら流星痕を光るファインダー枠の中に入れれば写画内に入っているでしょう。


 これらの積み重ね(+撮影練習)で少しでも流星痕の撮影開始が短くなります。

 さて、いよいよ11月になりました。今日は関東地方は天気が悪いですが、極大
日には全国的に快晴に恵まれてほしいものです。

それでは!
--
戸田雅之


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