時間の本質と4次元球宇宙モデル

超新星の観測結果から宇宙膨張は現在加速しているとされているが、これは「宇宙開闢から現在まで光速が不変であった」との前提の下での解釈だ。光速は本当に宇宙膨張の全プロセスで一定であろうか? 光速と宇宙膨張速度を検討する前に、時間の本質を解明し、時間を明確に定義する必要がある。

私は「エネルギーは多次元の振動」という前提から始め、ひとつの次元が時間として働くための要件を検討した。そして「宇宙エネルギーが4次元球の3次元表面に膨張を伴い分布している」という4次元球宇宙モデルを提唱している。このモデルでは素粒子や光など我々が観測しているエネルギーは内在空間エネルギーの4次元空間での振動であり、4次元球の半径が3次元空間の全ての位置に共通の時間となり得る「観測時間」だ。このモデルは、宇宙膨張の加速やダークエネルギーを導入することなく、実測の超新星データと極めて良い一致を示した。エネルギー周回理論に向けて(前書き)


エネルギー周回理論による新しい物理学

時間の本質と4次元球宇宙モデル

(1) トレーシング次元、虚数次自由度、時間の定義、マイケルソン・モーレの実験、加速因子



マイケルソンモーリーの実験

(2) 光の伝播速度

3) 4次元球宇宙に基づくハッブル図
(超新星データとの比較)


発表文献

エネルギー周回理論

エネルギー周回理論

4次元球宇宙への宇宙進化

光の放射

エネルギー周回の動力学

量子粒子の構造と相互作用

銀河の形成(暗黒物質なし)

量子力学(ECTからの)

ガンマ線バースト

各種銀河形状の形成

改正電磁気学(ECTからの)

物理の気まま散策
間違いだらけの現代物理
夢を生んだ淳心学院 50年後の奇跡
ECTによる新しい電磁気学

如何にして提唱する時間と宇宙の概念に至ったかを含め全容を解説する(PDF)。

MiTiempo 私の時間


エネルギー周回理論 (ECT)

間違いだらけの現代物理(エネルギー周回理論が物理学を再構築する)
夢を生んだ淳心学院50年後の奇跡 - ECTの発見
エネルギー周回理論による新しい電磁気学
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存在:
存在とはエネルギーがあることで、一点の時間にしか存在しない。それが”現在”である。時間は現在しか存在しない。過去は現在にある過去の記録で、未来は将来起こることの現在における予測である。
空間:
空間(宇宙空間)とはエネルギーが分布する領域。
空間エネルギー:
真空の宇宙空間は内在エネルギーで満たされている。これを”空間エネルギー”と呼ぶ。空間エネルギーの3次元空間での振動は新たにエネルギーを与え、それが光や素粒子として我々が観測できる3次元空間でのエネルギーである。空間エネルギーと3次元空間での付加エネルギーを合わせて”宇宙エネルギー”と呼ぶ。
時間と空間:
存在と相互作用という観点では時間も基本的には空間次元と同じである。しかし宇宙エネルギーは、3次元空間では途方もなく大きな領域に広がっているのに反し、時間では一点にしか分布していない。4次元球の3次元表面はこのような分布を与える可能な幾何形態である。
時間:
時間とは空間次元の値をトレースする次元(トレーシング次元)である。
トレーシング次元:
”トレーシング次元”を「自身の値の変化に伴う他の次元の値の変化が示される次元」と定義する。トレーシング次元として働く為には自身の一つの値に対応するトレース対象次元の値が一つである必要がある。
虚数次自由度:
値選択の余地がなく更に定数ではなく一方向(増加または減少)に変化する値を示す場合を”虚数次自由度”を持つと定義する。他次元のトレースで虚数次自由度を示す次元は新たなトレーシング次元として働くことができる。
源時間:
ビッグバン以前の宇宙エネルギーは高次元の振動。振動として表現する為にはトレーシング次元が必要。多次元での値の相互変化において周期が最も長い次元が他の全て値変動(振動)を表記できるトレーシング次元となり得る。この次元を”源時間”と呼ぶ。
4次元球宇宙:
初期エネルギーが二つの宇宙に分離し、そこではエネルギー分布が4次元球の3次元表面上に広がっている(Cosmic Separation)。その分布が4次元空間で膨張を始めた(Space Expansion)。
観測時間:
宇宙エネルギーが存在する4次元球の半径は源時間のトレースで虚数次の自由度を示す。従ってこの半径が3次元空間での動きをトレースする新たなトレーシング次元となり得る。これを”観測時間”とよぶ。
共通時間:
対象のトレースは空間と時間が交差する一点を対象にしている。3次元空間の各位置はそれぞれ独自の4次元ベクトルである半径を持つ。しかし半径の絶対値を採ると観測時間は3次元空間全てに共通の時間となれる。動きとは位置が変化するが、観測時間を使用すると動きを共通の時間でトレースすることができる。
経時的記録と遠隔空間トレース:
動きの測定には時間各点での空間位置の値を記録する必要がある(”経時的記録”)。測定値を逐次記録し、現在に残る過去の値との比較により動きを測定できる。また対象と観測者は位置が異なる為、直接はトレースできない。対象の位置情報を測定器で測定することで間接的にトレースしている(”遠隔空間トレース”)。
共通測定時間と時計:
各個人は独自に時間経過を認識している。しかし、各人は共通のトレーシング次元である観測時間との相関関係を認識できない。観測時間によるトレースで等速変動する動きを基準にすると、各測定者はその基準と自身の時間経過を相対的に結び付けることができる。従って、この基準は共通の測定時間として働くことができる。これが”時計”の本質である。複数の時計を結び付けることにより我々は共通の時間経過を認識することができる。
光:
光とは内在エネルギー(空間エネルギー)の一つの隠れ次元と一つの空間次元の平面での周回が空間エネルギー内を伝搬しているもの。進行に平行な方向では静止質量はゼロで運動エネルギーを持つ。しかし進行に垂直な方向では、保持しているエネルギーは静止エネルギーとなり運動エネルギーはない。
光速:
光速は媒体中での位相速度で、発光体の運動に関係なく媒体(空間エネルギー)に対し一定となる。宇宙膨張に伴い、空間エネルギー密度の低下により光速は減速する。
素粒子(物質):
空間エネルギーの高エネルギー振動は場合によっては定常状態になる。それを定常波のエネルギーに相当する静止質量を持つ物質と扱うことができる。これが素粒子(物質)である。
加速因子:
定常波が媒体中を高速で動くと、振動は引き伸ばされ螺旋状になる。定常波(物質)の加速には制約があり媒体の位相速度が上限速度となる。粒子が加速され光速に近づくと、定常波の側面が減少し光様の性質が増加する。私は特殊相対性理論でのローレンツ因子に替わり新たに”加速因子”を運動方程式に導入することを提案している。
命と時間

新たな「命」の概念を定義する

Publication
  1. Renewed concepts for electric charge, electric current and magnetic charge by the energy circulation theory, Reports in Advances of Physical Sciences 7 (2023) 2350008
  2. Formation of major types of galaxies based on the energy circulation theory, Reports in Advances of Physical Sciences 6 (2022) 2250004
  3. The novel and common origin of gamma-ray bursts: a galactic seed separation with emitting radiations, Reports in Advances of Physical Sciences 5(1) (2021) 2150005
  4. Quantum mechanics from the energy circulation theory - wave function showing an energy location in the 3D real space, Reports in Advances of Physical Sciences 5 (2021) 2150001
  5. Galactic evolution showing a constant circulating speed of stars in a galactic disc without requiring dark matter, Reports in Advances of Physical Sciences 4(2) (2020) 2050004
  6. Structures and interactions of quantum particles based on the energy circulation theory, Reports in Advances of Physical Sciences 3(1) (2019) 1950001
  7. Energy circulation theory to provide a cosmic evolution, electric charge, light and electromagnetism, Reports in Advances of Physical Sciences 2(3) (2018) 1850007
  8. Frequency-based redshift for cosmological observation and Hubble diagram from the 4-D spherical model in comparison with observed supernovae, Journal of Physics: Conference Series 880 (2017) 012058
  9. Light propagated distance and redshift of a distant star, Journal of Physics: Conference Series 626 (2015) 012068
  10. Acceleration factor for propagation of a stationary wave in its wave medium: movement of energy in the 3-D space, Journal of Physics: Conference Series 442 (2013) 012067
  11. Light speed and the expansion of the universe, Journal of Physics: Conference Series 306 (2011) 012073
  12. Nature of tracing dimension, imaginary order of freedom and our observed time passing at constant speed, Journal of Physics: Conference Series 174 (2009) 012069