中鉄バス

1、県北方面 2、県南方面 3、運転免許センター


1、特急・急行・快速 県北方面

中鉄バスの岡山の起点は、天満屋BCではなく、近くにある本社バスターミナルから

発着する。県北方面のバスは、まずこちらを出発し、岡山駅を経由し、国道53号線

を北上していく。かつて、かなりの本数を誇った路線であるが、バス離れや慢性的な

53号の渋滞、津山線の快速列車登場などにより便数を減らしていき、とうとう路線

自体無くなってしまった。ただ、完全に無くなったわけではなく、その後釜として高速

路線が岡山道経由で運行されている。車両の方は、エアサス・メトロ窓・リクライニン

グシートを装備し、優等路線に相応しい車両が使用されていた。代替ごとに新車が充

当されていたが、路線が無くなる末期には中鉄観光(現中鉄観光交通)からの移籍

車が主流となっていた。

なお種別であるが、「特急」が、岡山−蒜山高原、岡山−湯原温泉

「急行」が、岡山−津山、「快速」が、岡山−津山、岡山−勝山、勝山−湯原温泉

となっており、特急便は、一部中国道を経由していた。

(写真をクリックすると大画像になります


社番の見方1・昭和54年式まで

例:2415  上1桁(2)  :西暦の下一桁

        下3桁(415):001〜中型用

                 301・401・501〜大型用

                 701〜改造車用             

ということは2415は、1972年式の大型415号車という事。 

社番の見方2・昭和55年式以降

例:9131  上2桁(92) :西暦の下2桁

        下2桁(31) :01〜大型路線用

                 21〜高速用

                 31〜長距離用

                 51〜中型路線用       

ということは9131は、1991年式の長距離用の1号車という事。


NO.2415 岡22か163 RC300P 47年式 

この車両は、最後の後引戸仕様である。撮影当時最古参車で、定期便の団体利用だったのか、

増発としてやってきた。バスが、乗り場に置かれたまま、運転手が居なくなったので、なかなか出発せず、

しびれを切らして撮影した。

岡山駅BTにて S62.3.15撮影


       

NO3442 岡22か384 RC320P 48年式   NO6475 岡22か832 RC320P 51年式

これらの車両から、後ろドアも折戸になった。方向幕は小さいままである。

6475の車体には、黄色いラインが追加されている。このライン、どういう意味かは、

解らないが、この年式前後の車両にはついていた。

岡山駅BTにて (左)S63.5.5、 (右)S62.5.8撮影


            

NO7478 岡22か966 RC321P 52年式   NO7488 岡22か1068 RC301P 52年式

モデルチェンジされ、RC301/321P系となった。変更点は、ドア側のルーバーが、

無くなり、方向幕が大型化している。なぜホイールベースが違うのかは解らない。

7488は、「半田山ハイツ線」で、間合い運用されているときの写真である。

岡山駅BTにて (左)S62.3.15、 (右)H1.3.6撮影


       

NO8331 岡22か1988 K−RC321P 58年式  NO8332 岡22か2028 K−RC321P 58年式

RC最終型となる。前者は、新塗装に塗り替えられたモノで、後者はオリジナル塗装である。

モノコックとはいえ、リベットの少ない、美しい車両であった。

岡山駅BTにて (左)H9.5.5 (右)H3.3.2撮影


       

NO8431 岡22か2176 P−HU226AA 59年式   NO8831 岡山22か3262 P−HU276BA 63年式

RCのモデルチェンジで、HUとなった。後者は、高出力のEK200を搭載である。また、[3262]は再登録で、

以前は、岡山22か2828であった。

岡山駅前BTにて (左)S63.5.5 (右)H6.6.25撮影


NO9131 岡山22か3275 U−HU3KPAA 3年式

唯一のU付き車で、最後の長距離専用車となってしまった。この車両から後の増備車は、

空港線に使用されていた車両と共通運用、そして、中鉄観光からの移籍車となってしまった。

中鉄東一宮車庫にて H8.3.17撮影


        

NO8701 岡22か1205 RV731P 53年式      NO8526 岡22か2219 P−RU638AA 60年式

両者とも中鉄観光からの移籍車で、前者はなんとも不思議な車両である。移籍時に、前後ドアに改造されている。

格下げ改造車はこの1両のみである。後者は、長距離や、県内高速、神戸便の続行便などに使用され、

大活躍である。

岡山駅前BTにて (左)H2.3.18 (右)H9.4.6撮影


       

NO8521 岡22か2401 P−RU638BB 60年式   NO8826 岡山22か2716 P−RU638BB 63年式

前者は、元大阪線用で、SHDが導入された際、この路線に格下げ運用された。後者は、元空港連絡用で、

全車、色を塗り替えられ、フレキシブルな運用をするようになった。

(左)津山駅前にて H3.2.18撮影 (右)中国勝山駅前にて H9.4.12撮影


NO8723 岡山22か4008 P−RU638BB 62年式

この車両は、使用されているわけではないが、参考までに掲載した。

こちらも中鉄観光からの移籍車で、主に、県内高速や、神戸便の続行や、広島便に使用されている。

車内には、後ろから2番目の左側の席を外し、サービスコーナーとしている車両もある。

貸切時代、後部のシートが回転式だったので、後ろから3列は広大なシートピッチとなっている。

中鉄大井川車庫にて H10.8.1撮影


長年にわたって国道53号線を走り続けた、中鉄バスであるが、時代の変化とともに、

車両が変わり、路線が変わり、便数が変わり、元貸切車両を導入したり、往復割引運

賃を設定したりという、涙ぐましい努力が伺えたが、とうとう県北への直通路線が無くな

ってしまった。

平成10年頃の岡山からの往復割引(括弧は片道)¥

津山1600円 落合2300円 勝山2700円 新庄3400円 湯原3400円 蒜山4400円

  (1010円)            (2180円)   (2780円)           (3600円)


2、県南方面

「特急」という名が中鉄バスから消え、その思いでも消えかかった平成16年1月に、規制緩和

の恩恵か、はたまた岡電バスの空港リムジンバス参入の対抗策か、なんと岡電バス独占エリ

アであった岡南地区に中鉄バスが新規路線を開設、しかも2路線に特急バスが誕生した。

特急労災病院線は岡電バスが急行路線を走らせており、更にその上を行くためか、中鉄便

は「特急」の称号が与えられた。同じく、岡電バスも走らせている「岡南飛行場線」に中鉄は

特急便を設定。朝夕には空港リムジンの間合いで観光タイプの車輌も運用されているとか、

名実共に特急バスとして活躍しているようである。

 

   

No9506 U−HU2MMAA 平成7年式      No9701 KC−HU2MMCA 平成9年式

岡南方面特急便には主にワンステップ車が充当されているようである。画像にはないが元川崎鶴見臨港の

ワンステップ車も投入されているが今のところ平日のみの運用のようである。画像を見ての通り、一般路線

車も普通に運用されている。


3、運転免許センター方面

従来より、運転免許センター経由の路線を持っていた中鉄バスではあるが、

岡電バスが新規参入してきたため、ノンストップ便を新設しテコ入れが行わ

れた。ノンストップ便は平日のみの運行で土日祝は従来の一般路線にて対

応。岡電便は土日祝運行は無いので中鉄が一気に引き受けることになる。

また、往復乗車券に合格祈願キップ(吉備津神社ご祈祷の証)がついた交通

安全のお守りにもなるセット券も設定されている。岡電との競争が激化し、車

外スピーカーより大音量の案内を流すため、しばし、新聞に取り上げられる

ことも・・・・。

  

正門を出るとこちらの方がよく目に留まる。            発車間際まで、目立つように大きな幕が張られる。

 

少しでも岡山行きバスが目に止まるよう、涙ぐましい努力。

 


目次へ戻る