不二リョでパパゴト 10



 僕は出て行くから―――

 そう言って自分の横をすり抜けて行ってしまった不二の腕を、咄嗟にリョーマが掴んだ。
 それは、ほとんど無意識の行動だった。
「…リョーマくん?」
「あっ……」
 言われて気付いて、慌てて離そうとしたけれど、でも離したら不二は行ってしまう。
 考えるより先に、リョーマの口が勝手に動いた。
「か…勝手にひとりで決めんなよ!」
「え?」
「だ、だから……べつに出ていかなくたっていいんだってば! いればいいじゃん、ママゴトでも、じゃなくてパパゴトだっけ? いや、そんなのべつに、どっちでもいいんだけど………」
 語尾が小さくなってしまったのは、不二が驚いた目でリョーマをまじまじと見ているからだ。リョーマは視線を逸らせてそのまま早口で続ける。
「気が済むまでやって、飽きたらやめればいいし、どうせこの家、部屋たくさん余ってるし、まだオレ中学生で保護者がいる年だし、変な親戚に引き取られてひどい目に遭うよりいいし、それからえっと、えっと」
「―――プッ」
 黙って聴いていた不二だったが、ついに噴き出してしまった。
「あははははは」
「何だよっ」
 真っ赤な顔をしたリョーマが怒っても、不二の笑いはなかなか収まらない。
 笑いながら、不二は心の中で、倫子さん、と呼びかける。

 あなたが言った通り、ホントに可愛いよリョーマくんは―――

「もう! いい加減に笑うな!」
 いつまでも不二がお腹を抱えて笑っているので、リョーマが掴んでいた手をぶんぶんと振って怒り出した。
「あはは…ごめんごめん。じゃあさ、僕のこと『パパ』って呼んでみて?」
「――はあ?」
 唐突におかしなことを言い出す不二に、リョーマが呆れた顔をする。
「だってニセパパとはいえ、パパだし」
「……絶対呼ばない」
「えー。昨夜は言ってくれたじゃない」
「言ってないよ!!」
「おかしいなー。泥棒捕まえた後に、たしかリョーマくんが、『馬鹿親父ー!』って言ってくれたような気がするんだけど……」
「っ、あれはつい口が滑っただけで…っていうか『パパ』とは言ってないだろっ!」
「あ、今『パパ』って言ってくれたv」
「違うっ!」
「もう一回言ってv」
「嫌だっ!」
「うーん、まだパパ度が足りないのかな……よし! 親子の絆をイッキに深めるため、今夜はパパと一緒にお風呂に入ろう♪」
「もういい! あんたやっぱり出てけっ!!」
「そんな夫婦喧嘩みたいなセリフ言わないでv」
「夫婦じゃねえー!!!」
 前日と同じように痴話喧嘩じみたやり取りは、しかし前日とは違って止める者がいなかったため、なかなか終わらなかったのだった。



『気が済むまでやって、飽きたらやめればいいし―――』


 それって、飽きなかったらいつまでもやっていいってことかな?
 このパパゴトを♪



「ちなみに、ママゴトは正しくは『飯事』と書くから、母の意味のママじゃないんだよ。受験生の皆さん、気をつけてね」
「そんなん受験に出るわけ………ていうか誰に言ってんの?」
「いや、一応小説家として言っておかないと」
「だったらさっさと仕事しろ! ちょっとネタに詰まったくらいでいちいち公園でべそべそ泣いたりするんじゃないー!!!」









...happy end?






----------

イエー!ようやく終わりました!(><)
果たして全部読んで下さった方がいるのかどうか分かりませんが
とりあえずお疲れ様でしたm(_ _)m

えー、とりあえずと言うのは実はまだ番外編を書く気だからです(笑)
番外編でなんとか不二リョな展開に・・・なるのだろうか。やっぱり不二&リョかも。
ギリギリ親子万歳(笑)

そんなわけでいずれまた♪

パパゴトでは祝えなかったけど、
リョーマさんお誕生日おめでとうございます〜!ヽ(´▽`)/

2004.12.24