聖フマクトのカルト

    - The Cult of St.Humakt -

copyright 1998, Nicholas Effingham
翻訳・編集(c) 木村 圭祐/'たびのまどうし'しーちゃん ,2000 [2000.03.01].

原文謝辞

この記事はToTRM#5のGreg Stafford, Sandy Petersen両氏によるフマクトに関する記述を元に、Nikk Effinghamが製作したものである。さらにSandy Petersen氏の聖人に関する記述を参考にした。氏に感謝する。

原注:これはドラフト版であり、あらゆるコメントを歓迎する。nikk@MailAndNews.comまで。よろしく(訳注:英文で!!)。

神話と歴史

  フマクトはウマーシルとカリーンベクゴスの息子であり、オーランスとは双子の兄弟である。彼は戦士長ホーラルと共に修行を積み、すぐに友人を追い抜いた。彼は父であるウーシルからウマーシル王国の高位騎士に任じられ、王国が直面するであろうあらゆる危機から王国を守るよう命じられた。名誉はフマクトの兄弟たちにとっても重要な物であったが、フマクトにとってはそれ以上、まさにすべてであった。だからこそ宇宙が危機に瀕し、皇帝が邪悪へと転じたとき、創造主は選ばれし者としてフマクトを選んだのである。フマクトは創造主の化身によって大地の奥底にある秘密の部屋へと導かれ、そこで“死”の秘密を示されたのである。フマクトは創造主の天使として宣言がなされ、後に列聖された。

  オーランスが邪悪なる皇帝に対して兄弟と共に戦うため、天空の宮殿へと赴いたとき、フマクトもそれに付き従った。それに続く過酷な戦いの中でフマクトは皇帝を殺し、そのものを地獄に留める様呪いをかけた。しかし戦いの中で彼は兄弟の1人を残していくことを余儀なくされ、そのためにその兄弟は狂気にとらわれた。“死”の力を目の当たりにしたフマクトは剣を巨大な鉄の山に封印することを決め、多くの守護者と共に守護することにした。だが皇帝の僕が密かに侵入して剣を盗みだし、粉々に砕いて闇の中へと逃げたのである。僕は殺され破片は盗まれた。こうして“死”はグローランサ中に広まったのである。償いとしてフマクトは失われた破片を再発見することを希望し、オーランスは7日のうち1日の間それを探すことを許した。フマクトは誤りなくそれを果たした。

  探索の最中創造主の声に導かれ、フマクトは世界の中心にある虚無へと赴き、形無き爪の中に“死”の剣を携えた“悪魔"ジョティマムと戦った。フマクトはそれを打ち倒し、それによって世界は癒すことができるようになったが、その過程で再度剣を失ってしまった。

  光持ちかえりし者たちの探索において、皆が道に迷い敗れそうになったとき、フマクトは再び、すなわち3度目の創造主の声によって導かれた。地獄にある底無き奈落の中でフマクトは“死”の剣を再び発見し、新たに発見したエネルギーをその身に染み渡らせて、オーランスや光持ちかえりし者たちのところへと戻るために血路を開いた。フマクトはユールマルが見つけることのできなかった唯一の光持ち帰りし者である。地獄で光持ちかえりし者たちがカージャボールに立ち向かったとき、フマクトがカージャボールを殺し、それによって“蜘蛛の女”がカージャボールを捕らえることができたのである。神々の評議会では、フマクトは生命に奉仕するために死の井戸を破壊した。そうして死の疫病は終わりを迎えたのである。

  灰色の時代にフマクトが世界へとやって来たとき、彼は見えざる神によって聖人にして天使と定められた。それ以来彼は戦争の神、死の神にして誓約の守護者というみずからの地位を保ちつづけている。死後、来世への旅を守護してくれるのはフマクトの戦士である。信徒は自分が死ぬと死の道の守護者として仕えるが、その期間は生前の罪に応じた時間であり、信心深い信徒の場合時間が短く、その後“慰め”へと運ばれる、と信じている。罪を多く抱え込みすぎている者は転生し、名誉無き信徒は剣の橋から落とされ“悪魔"の待つ地獄へと送られる。

  聖フマクトのルーンは、「死」、「真実」、そして「死」である。


カルトの生態

  聖フマクトのカルトは教会における“マルキオンの剣”としての役割を果たしている。教会の戦闘要員の多くは、フマクトとオーランスもしくはヴィンガとを同時に信仰している。戦争において軍を率いるため、彼は呼び出され、また嘆願される。彼は主として職業的戦士や兵士によって信仰されている。彼の信徒はオトコリオンの軍隊の中核である。

  カルトから要求されるのは死と戦いだけがすべてではない。彼のカルトは異端審問の軍事部門、サランティアに対する抑止行動、アンデットの狩り出し等にも責任を負っており、これらはすべて彼のカルトの持つアンデットを破壊する力を効果的に使用したものである。司祭はまた公的な葬儀の際特定の立場を務めることもあり、それは葬儀を執り行う司祭の後ろで、完全装備で決して口を開かず立っているという役目である。彼らの存在は死者の魂が死の道を安全に旅する事を保証する。最後にフマクト信徒は特定の状況下で正義を決定するために、聖ランカー・マイの灰色卿の代わりとして呼ばれることがある。彼らは審理の決闘の審判者(あるいは代理戦士)である。

  重要な同盟者は聖オーランス、聖ヴィンガ、そしてエルマルである。重要な敵はゾラーク・ソラーン、ヴィヴァモート、サナター、ガイザーである。

  大聖日はフマクトが創造主の訪問を受けたことを記念する日であり、「嵐の季」、「死の週」、「荒の日」である。他の聖祝日は各季の「死の週」で、季のエレメントに応じた日である。例えば、「海の季」は「水の日」、「火の季」は「火の日」などがそれに当たる。


世界におけるカルト

  このカルトはオトコリオンにおいてのみ信仰されているが、教会の拡大と共に徐々に広まりつつある。聖フマクトのカルトはオトコリオン社会で強い政治力を有している。あらゆる軍事行動においても彼らの支持が不可欠であり、オトコリオンの長く混乱に満ちた歴史の中でカルトは度々権力移譲の原因となってきた。彼のカルトの勢力が最も大きいのはヴァランティアであり、カルトが所有し運営する闘技場は市の収入の大部分を占めている。

  寺院は無数に存在し、大寺院はヴァランティア、そしてテンペスト・ホールの外側にある。歴史的には、かつてこのカルトの指導者は“フマクトの現世顕現”たちであり、彼らはヴァランティアのデオサイゼル寺院からカルトを治めていた。単神教会の形成とともにフマクト信徒達は異なる指導者と司祭を奉じており、スランティールが数多の単神教派をみずからが導く1つの教会へと統一したとき、フマクトの現世顕現による統治を排除した。大司祭は、数少ない戦士階級でない聖フマクトのメンバーの一人であるヴァランティア司教に対する代理的な権限を有している。

  司教はカルト内の問題の多くを調整している。彼の下には寺院に命令を下す数多くの大司祭がおり、その下に寺院の剣がおり、さらにその下に一般の入信者がいる。通常寺院は基本的に専任という形で多くの入信者を雇っており、彼らは入信者の訓練や寺院の管理、剣が対応のために時間を割けないような問題(例えば寺院の記録の管理など)に対応する。

  カルトはラリオスの他のフマクト信徒やフーマス信徒の派閥と良好な関係にあるが、オトコリオンとの戦争状態にある場合は例外である。

  特にオトコリオンでは5人の強力な個人が死の聖なる力を教授されている。これらの者たちは聖フマクトのさまざまな側面、すなわちその武勇、名誉、魔術、死、そして正義を体現している。彼らは5人のフマクトの現世顕現である。教会から死の天使の召喚の要求がなされた場合、彼らの1人が最も尊き死の神のための寄代として奉仕するのである。

  社では《神剣》を教えている。


入信者

  数少ない例外を除いて(だが、例外というものは必ず存在する)すべての構成員は戦士階級に属しており、その戦闘能力が故に保証人として剣を必要としない。どのような状況下でも共通の試験が行われる。志願者はPOW×5以下をロールせねばならず、さらに〈剣攻撃〉の技能に成功せねばならない。その後POWを1ポイント消費せねばならない。候補者は各季につき1度、聖祝日にのみ受けることができる。

  全ての入信者は以下の加護と制約から1つを獲得せねばならない。複数の加護と制約を獲得することはできない。複数の加護と制約を獲得するためには、カルトから与えられた特定の難題を解決せねばならない。有望視されている入信者はしばしば多くの加護と制約を有している。入信者は時間と収入の10%をカルトに捧げねばならない。いかなる形態であれ十字軍に際しては、軍に招集された場合召集に応じねばならない。

  フマクト信徒は皆、名誉と礼節を保たねばならない。彼らは尊敬すべき敵とは正々堂々と戦わなくてはならず(通常《無敵》と《霊魂放逐》を使用することは禁じられる)、戦って死んだ者を讃えねばならない。信者間の戦闘は、死ぬまで戦うことはなく、どちらかが倒れた時点で戦闘を中止する。その際敗者は必ず勝者に戦利品を捧げねばならない。この戦利品によってそれぞれの信徒は戦闘続行の義務から解放され、カルトの機能としての通常の慣習として、敗者を救うのである。

  カルトのメンバーはいかなる手段をもってしても死から復活することはない。死者はフマクトから召命されたものと考えられ、死の状況を覆そうという試みは神性冒涜であると考えられている。フマクト信徒を死から呼び戻す試みはすべて失敗し、たとえヴァンパイアやミイラ変えることができたとしても、ただひたすらに召喚した者を殺そうとするフマクト信徒に相対する結果となる。フマクト信徒の死体がゾンビやスケルトンになることはない。フマクト信徒がフマクト信徒でない者の蘇生に異議を唱えることはない(唱える者もいるが)。もっともこれはフマクト信徒に限ったことではない。

  何らかの手段で自分自身の価値をしめした者でない限り、入信者は《無敵》と《霊魂放逐》の神性呪文を獲得するためにPOWを捧げることはできない。いかなる状況下であっても、カルトの構成員は精霊呪文の《鈍剣》を学んではならない。既に記憶しているのであれば忘れねばならない。すべてのフマクト信徒は通常通り戦士階級から魔道呪文を学ぶことができる。

  有望視されている入信者は通常優先的な訓練、精霊魔術の学習、神性魔術へのより良い条件での獲得などを受けることができる。彼らは皆、通常読み書きを知っている。有望視されている入信者は通常時間と収入の90%を捧げており、彼らの生活はカルトが保証する。


剣(ルーンロードにして司祭)

  剣はカルトのルーンロードにして司祭であり、軍隊の指導者であり、死者の守り手である。ときには正義かかわる問題に関して判決を下すこともある。軍に所属していなかったり、寺院において霊的な地位を占めて直接奉仕していない剣は、しばしば運命の戦士となる。戦士は毎朝殺戮のためにヴストリアやセイフェルスター、ラリアに向かい、彼らの神の名の下に敵を殺すのである。-そして運が良ければ夕刻に帰ってくるのである。彼ら運命の戦士には不朽の名誉が与えられる。彼らの残忍で恐るべき職業は英雄の道として美化されることになる。彼らの大半は剣の地位について程なく、戦いの中で命を落とす。

  剣は〈剣攻撃〉と〈(任意の)受け〉技能について90%の成功率有しておらねばならない。加えて以下の技能のうち4つについて90%の成功率を有している必要である:〈(第2の剣)攻撃〉〈(任意の武器)攻撃〉〈集団戦〉〈物を隠す〉〈製作/防具〉〈応急手当〉〈雄弁〉〈騎乗〉〈捜索〉〈暗殺者感知〉。また〈浄化〉技能について25%以上の成功率を有しておらねばならない。またその地域のカルトが新たな剣を必要としておらねばならない(事実上常にそういった状態にはあるが)。

  フマクトの剣には少ないながらも以下の制限が課せられる。正当な理由のある公正な戦いから逃げ出してはならない。みずからが立てた誓いを破ってはならない。教会の軍役ないし寺院に対して時間と収入の90%を捧げねばならない。

  新たに剣になった者は少なくとも1つの加護とそれに付随する制約を獲得せねばならない。制約を伴ないはするものの望む数だけ加護を獲得することができる。剣はどのよう場合でも軍議では発言権を有している。フマクト信徒の兵士は、行軍に際して剣が兵糧を入手していることを知ることになる。新たに剣となった者は教会と聖フマクトのカルトから鉄の剣、鉄の鎧、そして必要な物一切が与えられる。これらの武具や装備を失った場合、状況次第では剣自身がそれらを入手し直さなくてはならない。

  剣はフマクトから格別の恩寵を与えられている。生涯に渡り神性介入を1D100でなく1D10で行なうことができる。剣は神性呪文を再使用可で獲得することができる。難しくはないヒーローパスを果たした場合には、彼らには同盟精霊を獲得する機会が与えられる。同盟精霊は剣か覚醒したワタリガラスに呪縛される。ヒーローパスは抽象的にPOW×3で解決することもできる。

  全ての剣は騎士として叙任され、それに関するすべての得点を得ることができる(私のハウスルールでは、彼らはAdvantages of Statusを30ポイント、Military Rankingを120ポイント獲得する)。

一般神性呪文:すべて。
特殊神性呪文:《無敵》《真実検知》《戦意高揚》《誓言》《霊魂放逐》《神剣》《亡者滅還》
注:《無敵》と《霊魂放逐》はフマクトの剣の側で十分な考慮がなされた上で使用される)。


聖フマクト特殊神性魔術

  呪文の詳細はToTRM#5のP.23、または『グローランサの神々』のP.76を参照。


聖フマクト特殊技能

  〈暗殺者感知〉の詳細はToTRM#5のP.22、または『グローランサの神々』のP.74を参照。


下位カルト

復讐の精霊

  カルトには世界的規模の単一の復讐の精霊を有しており、それはフマクト自身である。背教した者やカルトの掟を実践しない者の加護は取り除かれ、制約はそのまま残される。どのような信者でも、(たとえ故意ではなくとも)みずからの制約を破った者は呪われる。そのような呪われた者が武器を手にしたならば、武器は即座に折れてしまう。呪われた者の罪が容易ならぬもの(恩人の暗殺、罪無き者たちに対する虐殺等)でなければ、呪いが効果を発揮するのは罪人の最も高い技能成功率を有する武器タイプだけである。最も悪質な罪の場合、死の天使が罪人を処刑するために召喚される。

注:聖フマクトのカルトからの破門は通常、教会からの破門をも意味する。

アローイン

  アローインは聖チャラーナの息子にして、神々の時代のフマクトの友である。彼のカルトを通じ〈応急手当〉を学ぶことができる。アローインにPOWを捧げる事は偉大な信仰行為と見なされる(ただし捧げたPOWが確かにアローインに受け入れられたという満足感が与えられるだけである)。

リー・ファンクァン

  このクラロレラ出身の黄色い肌の来た戦士は全盛期のワームの友邦王国のために戦った。有名なジェナートの大荒野の旅の最中、彼は大荒野のすべてのアンデットを破壊し、混沌の神ヴィーヴァモートに傷を負わせた。彼の死と帝国の崩壊以来、不死の者どもは大荒野へと帰ってきてはいるものの、彼の勝利はいまも語り継がれている。彼のカルトは精霊呪文の《亡者検知》を教えている。

マクラ・マン

  この“剣"は混沌戦争の叙事詩的時代のあいだ、アーカットに組するためカルトに敵対した。彼自身のカルトの者達によって呪われ、グバージの悪しき暗殺者たちに狙われながらも彼は常にアーカットに対し誠実であり続けた。彼の名は多くのフマクト信徒にとって“忠義"の美徳の同義語として扱われており、彼は彼の下位カルトを崇拝していない地域においても知られている、高名な英雄である。

  マクラ・マンは第1期の、フーマスにその身を捧げたオトコリオンの部族の王である。彼は第1期に“十字架の導きのヒーロークエスト”を行った。

  この下位カルトに属するフマクト信徒は、ToTRM#5、P.25に書かれているように、(チャラーナ・アローイの様な)蘇生型の呪文を教えるカルトの信者からの治療(行為)を受け入れてはならない。

聖フマクトの家門

  家門は第1期の終わりに形成された。マクラマンのフーマス信徒との繋がりから、多くのオーランス人がフーマスを信奉するようになり、彼らは政治的、神学的派閥を形成し始め、最終的にそれらの派閥が家門となった。大半のフーマス信徒は仲間たちの支援を得るためにフーマスの家門に参加した。家門の勢力が伸張してきたのは第2期であり、オトコリオンのオーランス人が北方のランクストへと追いやられた時に、土地を守り、ごくわずかながら留まっているこの地の者たちを守り、その後見を行うために家門だけがその地に残されたのである。オトコリオン人がこの地に戻ったとき、家門は、単神教的様相を持ってはいたものの、以前オトコリオンのフマクト信徒の有力で伝統的な地位を占めていた。今日存在するすべての家門が第1期の家門にその起源を有している訳ではなく、多くの家門は失われ、あらたな家門が生まれてその地位を占めていくのである。

  聖フマクトの信徒の多くは家門の一員であり、南部では事実上すべてのフマクト信徒が家門に所属している。家門の政治抗争や競争意識はきわめて強いものであり、武力衝突を生むこともある。北部の家門はフマクト信徒の生き方の一つではあるものの、フマクト信徒が手ごろな幸せを手に入れるために、特定の派閥に属さずにいることも可能である。ヴァランティアでは家門の競争意識と支援は極めて重要なものである。この地ではある者が特定の家門の一員であった場合、同じ家門の他の構成員からの好意やより良い条件の昇進などが与えられるが、競争関係にある家門からは混乱以外何も与えられないのである。事実上オトコリオンにおいて剣の地位にある者は、聖フマクトのいずれかの家門に属している。

  以下は聖フマクトの家門の一覧と簡単な描写である。それぞれの詳細な描写は私のウェブページのそれぞれのページを参照のこと。

ダンファル

  ダンファルとは“死の家門”の意味であり、古のヴァランティアに起源を持つ家門である。彼らは聖フマクトの道にその生涯を完全に捧げた熱狂的な殺人者と熟達した戦士の一団である。おそらく彼らはラリオスで最も熱狂的なフマクト信徒であり、生まれた時から武器の扱い方とフマクトの生き方の訓練を受け、その生涯のすべてをその主への義務に捧げた者たちである。フマクトの現世における化身の1人が、この家門を率いている。幼少の頃からの構成員でない限り、この家門に加わることはできない。

デュラニ・アラワク

  広く知られた家系である。この家門の構成員はアンデットの破壊者として知られており、そうした邪悪な憎悪の化身をいかにして殺すかを学ぶため、特別な秘密を開示されている。デュラニ・アラワクはサランティアの封じ込めをも目的とした主兵力であり、またポルダークのゾラーク・ゾラーンのアンデットに対して電撃的な略奪を行っている。この家門の構成員は皆、彼らのために活動している家門からの養成にはできるだけ応じることを期待されている。

デュンマラ

  この家門は“デュンマラのヒーロークエスト”と呼ばれる、困難で骨の折れるヒーロークエストに構成員を送り出すためだけに存在している。低位の者たちはヒーロークエストを行うことのできる高位の者の利益のために活動しており、彼らは皆、いつかデュンマラのヒーロークエストをみずからが行える日が来ることを夢見ているのである。家門はきわめて選抜的である。

ギルデューン

  特定の主の貢献に対するフマクト信徒の忠誠心と献身を切り離すための、ある特殊な儀式を秘匿している聖フマクトの家門である。オトコリオンの北部では一員となることは極めて難しい。

聖タレッスの信奉者

  聖タレッスは極めて熱心なフマクト信徒である。彼女は聖フマクトのあらゆる教条を信仰しているだけでなく、それらを他人にも強制している。彼女の家門の構成員は極めて熱狂的であると考えられており、他のあらゆるカルトの敵として知られている!単神教がもたらされた事によって彼らの熱狂は少し落ち着いたが、この家門についてこれ以上のことを語ることはできない。

ルアム・クリス

  比較的大きな聖フマクトの家門の1つである。彼らは単神教会から離れて独立しているフマクト信徒を援助者として知られている。このフマクト信徒の大集団に加わることは、教会兵力の指導者にして聖フマクトの現世顕現の1人である“死の刃”を含めた、この家門の構成員である重要人物たちと同数、全体の4分の1の構成員からの援助を意味している。

セアーンリンソール

  もう1つの聖フマクトの、大きな力を持つ大家門であり、ルアム・クリスの主な敵である。セアーンリンソールもルアム・クリスと同様の利点、政治的、社会的援助を有している。

ウェペンサル

  小さいが影響力のある聖フマクトの家門である。この家門の剣は“暗黒と冷気の剣”をいかにして生み出すかを知っている。家門は単教会を支援しているが、そのことはヴァランティアのフマクトの家門からの強い敵対心を生み出しており、ウェペンサルのその地域で影響力を失わせている。

剣刃騎士団

  この騎士団は単神教会を助ける目的で、教会自身によって創始されたものであり、フマクト信徒の驚きを呼ぶ存在である。家門はルアム・クリスに類似している。騎士団は教会の前身にあたる者たちの間で極めて有名になり、そこに加わることが完全性への道であると考えられ、剣がこの騎士団へと加わるにつれ、教会は聖フマクトのカルトに対する影響力を強めていった。


友好カルト

聖オーランス

  《落雷》を提供する。

聖ユールマル

  死の天使に《ワタリガラス変化》を提供する。この魔術は光り持ち帰りし者たちの探索で、ヴァスカラの野獣を打ち倒した後に彼が学んだものである。

加護と制約

1.加護:選んだ〈カルト武器攻撃〉に+5%のボーナスが与えられる。
  制約:1種類の非カルト武器の使用が禁止される。

2.加護:カルト関連技能の1つ(〈物を隠す〉〈(防具)制作〉〈応急手当〉〈雄弁〉〈騎乗〉〈視力〉〈暗殺者感知〉)に+20%のボーナスが与えられる。
  制約:毎週特定の曜日に黙ったままでいること(呪文の使用も禁止される)。

3.加護:上昇可能な基本能力値が1ポイント上昇する。
  制約:聖祝日ごとに2倍の献金をすること。この制約を2回受けたら献金学は3倍になる、というように制約を受けるごとに献金額は増加する。

4.加護:上昇不可能な基本能力値が1ポイント上昇する。
  制約:毎年1ポイントのPOWをフマクトに捧げる。

5.加護:特定の武器1つのAPが50%増しになる。
  制約:嘘をついてはならない。

6.加護:特定の鎧の1部品のAPが50%増しになる。
  制約:盾を使用してはならない。

7.加護:〈暗殺者感知〉の技能を[30+知覚分野修正値]%から始める事ができる。
  制約:不意打ちに参加してはならない。

8.加護:〈暗殺者感知〉の技能を[50+知覚分野修正値]%から始める事ができる。
  制約:フマクト信徒以外を信用してはならない。

9.加護:毒や病気に対するチェックを行う際、CONに1を加えることができる。
  制約:死の週に肉を口にしてはならない。

10.加護:毒や病気に対するチェックを行う際、CONに4を加えることができる。すなわちCON12の者は毒に対する抵抗に際してCON16と見なし、病気の感染を避けるためのCON×5のロールを80%で行うことができる。
    制約:毒を使用してはならない。

11.加護:精神集中するだけで呪文と同じように働く「亡者検知」の能力を、魔力ポイントを消費せずに使用することができる。
    制約:カルト魔術以外を絶対に使用してはならない(フマクトが教える神性呪文、精霊呪文の《鋭刃》《機敏》《消沈》《敵の検知》《破《火剣》《治癒》《防護》《修理》《筋力》《活力》《受け》《アンデット検知》のようなカルト精霊呪文だけしか使用することができない)。

12.加護:ある特定種族に対するすべての(訳注:剣)攻撃に際して、1ポイント余分にダメージを与える。
    制約:その種族の者を信用してはならない。

13.加護:特定の武器に祝福を受け、特定の生物に対して(いったん相手のアーマーを貫通すれば)2倍のダメージを与えることができるようになる。
    制約:治癒関連の魔道呪文を受け入れてはならない。

14.加護:特定の武器に祝福を受け、(いったん相手のアーマーを貫通すれば)2倍のダメージを与えることができるようになる。
    制約:魔術による治療を受け入れない。

15.加護:特定の武器に祝福を受け、特定の身体部位に命中した場合に(いったん相手のアーマーを貫通すれば)2倍のダメージを与えることができるようになる。
    制約:特定の身体部位に防具を付けてはならない(その部位は、敵に2倍ダメージを与えるよう特定した部位と異なる部位でも良い)。

16.加護:FPが通常の2倍の速さで回復する。
    制約:アルコール飲料を飲んではならない。

17.加護:FPが通常の2倍の速さで回復する。
    制約:いかなる動物にも騎乗してはならない。

18.加護:MPが通常の2倍の速さで回復する。
    制約:1対1の戦いの挑戦を断ってはならない。

19.加護:MPが通常の2倍の速さで回復する。
    制約:非カルト精霊呪文、および非カースト魔道呪文を使用してはならない。

  以下は選ばれた剣と有望視されている入信者にのみ制限されているの加護と制約である。こうした加護と制約は他にも存在するが、それはヒーロークエストを通じてしか獲得することができない。

20.加護:死後もフマクトの聖遺物や聖所を永遠に守るためにゴーストになることができる。
    制約:死後もフマクトの聖遺物や聖所を永遠に守るためにゴーストにならなくてはならない。

21.加護:効果的成功と決定的成功の攻撃を除いて、いかなるダメージも無効化する。魔術によるダメージやアーマーを無視するダメージは通常通り効果を発揮する。
    制約:いかなる傷も治らない。〈応急手当〉や治癒呪文によって出血を止めたり、無力化から回復したりすることはできるが、ダメージは残る。この加護は通常死を覚悟した最後の突撃の際に獲得する。

22.加護:抵抗ロールで効果的成功、決定的成功をロールした呪文を除き、いかなる魔術も無効化する。これには治癒呪文のような有益な呪文も含まれる。
    制約:いかなる呪文も投射してはならない。

23.加護:選択した1つの武器が全ての鎧を無視するようになる。
    制約:《防護》呪文のような魔術的な鎧を含め、いかなる鎧も身に付けてはならない。
もしくは
    制約:〈受け〉を行ってはならない。

注:“非カルト武器"とは以下のものを指す:斧、フレイル、ハンマー、メイスとモール(併せて1種類)、盾、槍、農具、身体武器、射出武器、投擲武器(短剣を除く)。


その他

剣語

  これはカルト言語である.これは信徒が戦いや軍事的な問題について話し合うために用いられる。もし信者が戦闘の計画や剣の技術、護身術についての話に剣語を使用すれば、彼らはそれを容易に理解することができる。剣語はまた特殊なカルトの問題を話すのにも用いることができ、多くのフマクトの神話は剣語で記述されている。しかし、もし武器以外の物の取引に剣語を使用した場合、不可能ではないものの、非常に困難である。


訳者謝辞
  この記述の翻訳に際し、RIZE氏より下訳を御提供いただきました。この場を借りて御礼申し上げます。

  本テキストはNicholas Effingham氏が作成した作品を、氏からの許可を得て木村 圭祐(しーちゃん)が翻訳したものです。
  原文作品の著作権は原著者に、翻訳作品の著作権は原著者と翻訳者に帰属します。営利目的、非合法な目的、反社会的な目的での利用でない場合にかぎり、自由に使用、複製を許可します。ただし複製に当たっては本テキスト冒頭の版権表示(原文および翻訳文)を必ず含めるようにしてください。他の媒体への流通には著作権者の許可が必要です。
  テキストは公式版ではありません。この文章を使用するにあたっては、各人の判断でご利用下さい。この文章の使用により何らかの損害があっても著者並びに翻訳者は一切関知致しません。


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