我々の教条は、海が閉鎖され、エルフたちが恐怖と暗殺とをもって多くの地を支配した、孤独の時代に形成された。この時代は大いなる恐怖と愚考の時代であり、アファジャンの異教徒による屈辱と彼らへの隷属によって、沈黙のカルトの狂信的な支配が達成された時代でもある。
この混乱から我々の教条と教えが生まれた。七筆の聖なる法は我々の導き、規範」である。これはアファジャンの徒によってサーンゴースが征された時代、シダルフたち、フェンガルの七聖者によって書かれたものである。これらの聖者、シダルフたちはマルキオンと創造主の啓示を受けた。啓示は彼らに正しい崇拝の形態を示し、彼らはそれを書き記すよう命を受けた。もちろん彼らはそれを疑うべくもなく書き記したのである。彼らの啓示の真実は、その7人それぞれが同じ内容を寸分違わず書き記したことで証明されている。聖なる法から引用された言葉を公に暗唱することは、我々の正統派信仰の統一に寄与している。
今や大いなる孤立は終わりを迎え、北の大陸の分裂した様々信仰に基づく新たな異教の流入によって、我々の献身が再び試されている。我々は我慢強く、禁欲的でなくてはならず、また類似してはいるものの誤った教えに従っている、過ちの魂に真の教条を示さねばならない。
ニコスドロス聖なる総大司教の導きの下、我々の信仰はこの地の多くの者を受け入れ、彼らと聖なる法の秘密を分かち合いつつある。これは長い教育の課程であるが、早期の成果こそ我々に勇気を与えるものである。
我々は常に総大司教の言葉を心に留めて置かねばならない。見えざる神の下にある我々の間に意思の乱れがあれば、エルフたちは新たな恐怖をもたらし、異教徒たちが再び跋扈することになるだろう。
我々は"聖なる預言者"マルキオンの命により、七聖者によって書き記した七筆の聖なる法に従っている。
ただ一柱の神が存在し、それは見えざる神であり、その預言者はマルキオンである。
我々は死が罪深き行動の結果としてのみ引き起こされると考えている。罪とは我らが七筆の聖なる法を破ることである。これには不浄なる考え、偸盗、密通、虚言、酩酊、暴食、異端的思考、嫉妬、悪口、貪欲、狂気の言、淫猥、司祭、あるいは自身の領主との議論が含まれる。未だかつて、他の人間に死を与えた者が聖なる楽園に達し得たことはない。このような行為は命に関わる大罪である。
我々はそれぞれの男性、あるいは女性が自身のカーストに生まれ、自身のカーストに生き、自身のカーストで死ぬものと考えている。いかなる男女も自身のカーストを変えること、自身のカースト以外の者と結婚することはできない。このような行為は命に関わる大罪である。
騎士階級は汚れたカーストである。彼らの手は長きにわたり人間の血で絶えず湿っており、それこそが現在彼らの数が極めて少ない理由でもある。非人間の邪悪な種族が根絶されたとき、はじめてこのカーストが清められると聖なる法は語っている。これこそ彼らが非人間と戦うことを許された唯一の信仰の徒である理由である。
我々は死が罪によって引き起こされると考えている。まったく罪なき者たちは決して死ぬことはない-神聖なる総大司教がほとんど年をとらないことを見よ。しかし我々のほとんどは小さな罪を犯すことを助長するのみである。しかし、我々が善良、そして敬虔であれば、そして聖なる法に努めて従えば、死を迎えたとき聖なる楽園へ行くことができるであろう。たえず罪を犯し、我々の聖な法に従わない者たちは邪悪であり、その魂は霧散し、その精髄は永久に失われることになるであろう。
私たちは以下の考えも有している。
女性は霊的な意味合いにおいて男性よりも劣っている。彼女たちはそ肉体的な力と同じように男性のような知的な許容能力が欠落している。それゆえ彼女たちは権力や責任ある地位に決してつくことはできない。
利益が共同体全体のためになる交易は誉れ高き職業である。どのカーストに所属するどのような者でも、金の貸し付けや交易を行うことができる。一定の利率で資金を貸し付けることは、資金を有している者からそうでない者への交易資金の移動を則すため、認められている。
錬金術、占星術の研究は魔術師階級の者によってのみ実践されるべき事項である。これら一連の調査は、総大司教か将来の交易と信仰に多大な利益をもたらすと考えているものである。
教会はニコスドロスの聖大司教によって支配されている。彼は25歳のときから歳をとっていない。彼の世俗的な統治権は彼の支配者、ヤンが、彼の霊的な統治権はシダルフたちが代行する。ヴラロスには(トルトリアの追放されたシダルフを含め)3人のシダルフが、そしてエンクロッソには1人のシダルフが存在する。それぞれのシダルフは聖大司教の権威の下に同等の存在である。
フレストル
聖フレストルは、大いなる衝突と恐怖の時代、おのれのカーストの禁忌を破り、人を殺した者である。彼はみずからの振る舞いの過ちを認め、他のカーストを清めるために不浄なる騎士階級を創始したのである。彼は呪われており、昼間の間しか聖なる楽園に留まることができない。夜には楽園を去り、非人間種族に対する戦いを導かなくてはならないのである。
聖ロカール
聖ロカールは、カースト・システムの厳格性を北の大陸のマルキオン教徒のもとに持ち帰った聖なる者であった。彼はその教条故に異端者たちによって火刑に処されたが、彼に従う者はその教えを伝えたのである。
沈黙の預言者
沈黙の預言者は至福の啓示の後、沈黙のカルトを創設した聖なる者であった。その意味は彼の信者のうち最も狂信的な者たちによって誤って解釈された。彼らは彼のカルトをねじ曲げて身の毛もよだつ十字軍へと引き込んだ。それによって大陸全体が沈黙の荒野へと成り代わり、彼らの敵は意志疎通のため器官を変異させられ、沈黙を強制されたのである。こうした息が詰まるほどの熱狂が声ある者たちによって打ち倒されたとき、カルトの内なる知識もまたその大半が破壊されたのである。七聖者は沈黙の預言者の秘密を救い、それらを七筆の聖なる法のうちに納めたのである。
フレストル派
これらの異教徒は聖フレストルから得た教えを忘れ、カースト間移動を認めているだけでなく、そのすべてのカーストが人を殺すことを認めている。彼らは皆、確実にエントロピーに寄与してしまっている。
ロカール派
この教派はカーストの不動性を信じており、その聖典は聖なる法と多くの類似点を有している。総大司教の統治の下のその信徒は、その協同性を証明しており、シダルフ派の真実の信仰の中に組み込まれることを望んでいる。
暗黒異端派
これらの者たちは、トルトリアの暴君と正義の戦いを行うため我々が雇い入れる傭兵の異教徒と極めて似た教条を有している。彼らは役に立つ。だが我々が彼らを導かぬ限り、彼らが聖なる楽園を目にすることは決していない。
ヴェイデル人
ヴェイデル人は役に立つが正道を外れた者たちである。彼らの交易についての知識に並ぶ者はなく、彼らがそのすべてを支配している。彼らがその子供と敵に対して行う罪深き行い故に、彼らは聖なる楽園に決して入れないという責めを受けているが、彼らはそれを気にも留めていないようである。敬意と用心とをもって彼らと接せよ。