MEMO-085 ボカシ塗りの解析
 こちらは、「ウルトラ怪獣名鑑3」の2代目バルタン星人です。サンプルは、スペルゲン反射鏡開きバージョンの方ですが、下半身の塗装に注目してみたいと思います。複雑な分、個体差が多いですね。

 バルタン星人の下半身塗装は、ジグザグを含む横縞が多色でボカシを加えながらラフに施されたものです。したがいまして、フィギュアで再現するのに結構苦労が伴うケースであります。実際にHGでさえも、納得のいく塗装のものはありません。しかし、このウルトラ怪獣名鑑、よく表現されています。

 塗装の切り合い関係から、茶→黄→黒→白の順に塗られたことが理解できます。茶色は全体に塗布されていると思われますが、他は通常のマスキングにより、エアブラシで線的に塗装されたものだと思います。ジグザグラインは、基本的に白色によって表現されています。この白色が少々ボケていて、マスキング以外に、やや広く薄めに吹いているようです。そして最終的には、これらの上に稀釈した灰黒色がウェザリングしてあるため、全体にボケた感じを強くしているのだと考えます。

2003.3.2作成