Memo Album 096 HGの熟成か
 年1度のHGゴジラ。でも、もうpart10なんですね。私としては、HG全体の中で、ゴジラシリーズは“別格”、かつ“レア”な存在だと思います。毎回、重量級、ハイグレードな作品が送り出されてくるからです。そのシリーズも、いよいよ熟成の域に達した感があります。(但し、モスラはハズレだったかもしれません。)

 今回のゴジラ10。“再生計画”のようにリメイクされた怪獣が存在します。ここに2体を取り上げ、ちょっと意地悪かもしれませんが旧作と比較してみました。旧作は、発売当時、映画公開に間に合わせるため、造形のための写真資料が乏しい状態の中で製作されたものです。そこには、自ずと限界が存在しました。そこで、そのリメイク版を投入してきたというわけです。担当者の諦めのない姿勢が感じられます。

 ゴジラ10のスペースゴジラは、成型色がやや乳白色のクリアで、それを生かした結晶体の塗装演出は見事です。クリアの上にも、さらにホワイトが軽く吹いてあるようですが、結晶の稜部分にホワイトが線的に濃く見えるようにしてあるところが驚きです。前面の赤い部分も、コントラストが強くなく、ウェザリングの効果もあって、自然な感じに仕上がっています。造形も、凄い迫力だと思います。

 ゴジラ10のデストロイアは、残念ながらベースの赤紫色は成型色のままですが、たっぷりと流し込まれたウェザリングによってそれを気にさせません。羽の成型が薄くなっていることが、リアル感を増しています。

 HGゴジラ、HG全般のコストを最も費やしているシリーズではないかと思ってしまいます。今後も期待したいです。
スペースゴジラ(ゴジラ1初版) スペースゴジラ(ゴジラ10)
デストロイア最終形態(ゴジラ2) デストロイア完全体(ゴジラ10)

2003.12.15作成