7.クリアパーツの修練

キカイダー01他
クリアパーツ採用HG

 HGの人気は、リアルな造形とフルカラーペイント、そしてそのコストパフォーマンスにあることは言うまでもありません。

 さらに、その造形に磨きをかけているもののひとつに、クリアパーツの採用があります。ここで紹介するキカイダー01は、その修練された頂点に立つHGと言えるでしょう。

 今のところ数は少ないです。各サイクロン号のウインドウ(A類)、車輪スポーク(D類)はナイスです。また、シャドウムーンのサーベル(C類)も効果が大きいですね。このようなビームサーベル系のパーツは、もっと早くクリアでやって欲しかったです。MSシリーズはもとより、宇宙刑事なかは当然やるべきでした。 ウルトラマンシリーズでは、強いて言えばP16の八つ裂き光輪(一応A類)から始まり、P18のクレージーゴンの胸部ギアー(A類)、ユートムの眼部と腹部(A類)です。また、P19では、エースの光輪?(A類)、モロボシ・ダンのヘルメットゴーグル(C類)ですね。

 あと、他のシリーズでは、ゴジラ4のバーニングゴジラ(C類)などがあります。クリアー成形地に、クリアオレンジを吹き、胴体色を塗布しています。この発想は、HGの傑作といえるでしょう。

 ガメラ3では、イリスの腿部の発光体がクリア残しされ(C類)、クリアブルーが塗布されています。ただ、本体に光が透過しませんので効果の方は今一つといえるでしょう。

 EXまで広げると、ダンバインシリーズの羽(A類)が取り上げられます。また、ここでは強調しませんでしたが、サイクロン号やサイドカーに乗るライダーやキカイダーもクリアーパーツと言えばそうです。まあ、コストと技術的な問題からでしょうが、マシンを強調する一つの手段とも言えるでしょう。

 そして、キカイダー01へ。このシリーズでは他にギルハカイダーの頭部(A類)、ワルダーの頭部(A類)もクリアです。キカイダー01は、これまでの手法の総決算と言う感じで、A・B・C類の手法が巧みに使われています。それと共に、パーツの分割も斬新で、精度が非常に高いです。素晴らしいと思います!

 今後も、クリアパーツに期待したいですね。それと、最近のガシャはクリア素材が多いので、塗装を落とすことによって、いろいろな改造の可能性を持っています。そちらの方もどんどん開拓していこうかな・・・。
 クリアパーツの歴史を遡ると、東映ヒーロー列伝のキカイダーに辿りつきます。キカイダーというキャラクターを取り扱う以上、クリアーパーツの採用は避けて通れなかったと言えます。ここでのクリアパーツは、ヘッドのメカ部分に被せる”クリアカバー”としてのものでした。

 次に登場するのは、ロボコンP1のロボトンです。胴部ボックスのクリアカバーに彫られた工具を、内側から塗装することで、中に収納されている状態をうまく表現しています。HGにおける、この”クリアパーツの内側塗装”という手法は、この時に誕生したのです。

 その後、キカイダーシリーズが単独で登場します。もちろんキカイダーのヘッド、そしてハカイダーのヘッドにも、定番といえるクリアパーツが採用されました。また、この時に登場した2輪メカのサイドカーでは、クリア樹脂で成形し、塗装を塗り残すという手法でシールドウインドウ部分が表現されました。

 この段階でクリアパーツの用い方は概ね出揃ったと思います。クリアカバーとしての用い方をA類、内側塗装をB類、塗り残し表現をC類とします。クリアパーツの採用は次第に事例が増えていき、特にロボコンシリーズにおける展開に目覚しいものがあります。

 ロボコンP2では、ロボコン走行形態の車輪スポーク(新D類)、ロボガリのヘッド(B類)、ロボメカの顔部と胴部(C類)、ロボチョイのヘッドと胸部(A類)に採用されました。ここで、注目されるのはスポークのような細い線の集まりの部分に対し、クリアパーツを使用したということです。塗装こそされていませんが、スポークの凹凸の陰影によって非常に効果が出ています。この手法を新たにD類とします。ロボコンP3では、ロボペケの腹部(A類)、ロボコンP4では、ロボコン新走行形態の車輪(D類)、ロボカーのウインドウ(A類)、ロボピンのヒゲ(D類)、燃えろロボコンでは、ロボデジの後頭部(B類)、ロボコンP5では、ロボピョンの腹部(B類)と耳(D類)、ロボデキの頭部(B類)です。ロボピンやロボピョンでの用い方については、D類の発展上にあり、大変面白いと思います。

1999.9作成/1999.12改訂/2000.10改訂