26.コピー品研究(2)

HGウルトラマン PART9
「光と影・超人大戦編」
ティガスカイ

 ここに、二人のウルトラマンティガ(スカイ)がいる。しかし、同じウルトラマンが二人いるはずはない…。どちらかがニセモノだ!
 はいはいだいちゃんさんより、お借りしました、貴重なコピー品です。その違いに迫ってみましょう。


 HGウルトラマンP10に、このようなコピー品が存在することは知りませんでした。しかも、比較的よく出回っていたP1・P5・P6・P7の一部の香港コピーモノとは、その仕上がりに雲泥の差があることに、驚きです。

 一見しただけでは、どちらが本物であるかを判断することは難しいです。私も、HG、特にウルトラマンシリーズについては、そういった識別に少し自信を持っていたつもりなのですが、このティガは特別に難しいです。

 決定的に異なるのは成型色です。オリジナルは肌色、コピーは赤色です。それから、例のごとく、収縮が認められます。但し、収縮率は低く、95%位に留まっていますので、やはり特に精巧なコピーを目指して作られたのだと思われます。

 まず、塗装色に注意すると、全体の紫系色がコピーの方が濃く光沢が強いです。銀色の部分には大差ありあません。胸の金色筋は、暗めの色調です。カラータイマー(ライフゲージ)は、明るい青緑系色で異なります。決定的なのは、額の白色の部分が、コピーでは塗られていないことです。なお、塗装方法は筆塗りではなく、マスキングプレートによりエアブラシにて施されていることが、銀色部分の吹き滲みで理解されます。

 次に造形面です。収縮以外に、ディテールが若干損なわれています。ロット穴は4です。分割のソケット部分は、オリジナルに忠実です。インジェクションピンホールは、このティガの場合、ポジティブなのですが、コピーにも全く同様な在り方をしています。パーティングラインは、かなり忠実にトレースされており、驚いてしまうわけですが、両足の部分にズレが生じています。特に足の裏が顕著で、全体に乱れています。ちなみに、足の裏の突起は、オリジナルと同様に踵にあります。

 もし、仮にイベントやショップにて単独でこの商品を見た場合、あるいは袋に入っていたリ、ショーケース越しに見た場合、区別は至難の業となるでしょう。このコピーは、P10の中でもウルトラマン系についてのみ存在するようですが、いつ頃作られたのかは知りえません。これだけの仕上げを施して、果たしてコピー品として採算が合うのでしょうか。

 しかしながら、本当に恐るべしですね。

 はいはいだいちゃんさん、貴重なアイテムを見せていただきまして、ありがとうございました。

2001.3.1作成