このパートで生産されたシーボーズの彩色は、肌色の成型色の上に明灰色を塗布し、骨の隙間を艶消しの黒色で塗装しています。 　その骨の部分の彩色は、これまでの見聞による限り、明るい灰色のものがスタンダードに生産されたようです。ところが、白いシーボーズが存在するという話が以前からあり、個人のＨＰで取り上げられたりしました。 　また、ＨＧを取り扱った書籍の写真に使用された個体が、胴部分割の上下で灰色の色調が大きく異なるものであったため、その存在を一般に知らしめることになったと思います。 　さて、それでは、個々に見ていきましょう。 　まずは、スタンダード。私の所有するものですが、いわゆるグレーバージョンと呼ばれるもので、明るい灰色です。しかし、よく見てますと、部位によって光沢が異なったり、足の先のほうに行くと、少し赤っぽく見えたりと、かなり不安定な色調だというのが感想です。 　次に、カタアキさんが所有されているシーボーズ。私のグレーバージョンと並べると、すぐに違いが分かります。この色調は、白色と黒色の配合が基本かと思われますが、白色の比率が高いと思われます。それから、やや赤っぽくも感じられます。この辺の表現は、微妙なところと思ってください。そして、尻尾に注目してみましょう。このパーツのみ色調が大きく異なるのですが、ご本人も言われてみえたように、凄く白いです。これは、白色と言ってもいいと思います。	さて、次に、はいはいだいちゃんさんが所有されているシーボーズです。これは、全体的に白さが強いです。胴部については、カタアキさんのものを上回っています。但し、純白の範疇には至っていないと感じます。尻尾については、カタアキさんの方が白さが強いのですが、はいはいだいちゃんさんの方は、足先の方へいくにつれ白さが増し、カタアキさんの尻尾とほぼ同じくらいの白さを示します。やはり、状況は複雑です。 　こうして見てきますと、一般的に流通したグレーバージョンの他、確かにセミホワイトバージョンが存在するということです。しかも、今回の２体間でも相違があるように、複数のセミホワイトが存在するものと思われ、これは、明らかに塗料のブレンドにより生じた現象であると考えられます。そして、カタアキさんのシーボーズの尻尾に塗布された、純白に近い色調で、全身が塗られた個体の存在が想定されます。それこそが、さらに幻のホワイトバージョンということでしょうか。 　もう一つ、造形面について、観察してみました。金型のモールドや、パーティングラインなどに相違は見出せませんでしたが、インジェクションピンの位置の凹み具合に２通り認められます。これは、成型の際におけるピンのはまり方だけの問題かも知れませんが、もう少し、気をつけて見る必要はあるかと思います。

2001.4.9作成