40.コピー品研究(6)

スーパーロボット大全集1
黒鋼の城編

 はいはいだいちゃんさんから、お借りしたものと、私が香港で購入してきた、スーパーロボット大全集1「黒鋼の城編」のものです。オリジナルも一緒に並べてみました。

 このコピー品の2種は、明らかに金型が異なるものです。はいはいだいちゃん所有の方をA類(中央)、私が香港女人街で購入したものをB類としましょう。ちなみに、2種ともに縮小を帯びています。

 A類:版権・メーカー刻印が存在しないことに加え、エジェクタピン痕が一切ありません。これらについては、原型や金型の上で消去したような痕跡は全く認められず、原型そのものに存在していなかった可能性が高いと思われます。パーティングラインは、オリジナルに近いものの、違うところを走っています。しかし、二重になるところは皆無で、全く新規にラインを取っていることが判ります。

 塗装は比較的丁寧で、省略は一切無く、オリジナルと比べると艶消し色が目立ちます。色調は、かなり良く調整されています。ボディーの白い部分は、オリジナルでは成型色のままですが、こちらは白色で塗装してあります。成型色は黄色っぽい肌色で硬質です。
 B類:こちらは、ちょっとラフな粗悪品です。モールドがあまく、バリも目立ちます。刻印はオリジナルのままコピーされていて、4穴となっています。パーティングラインは、オリジナルを忠実にトレースしているようで、殆どブレていないのが驚きです。

 塗装は、省略されることはありませんが、マスキングがあまいです。成形色は白色で、白色部分は塗装されていません。黄ばんだように変色している個所はあります。

 以上が、コピー品2種の特徴です。塗装の細部の相違は、画像を参考にして下さい。

 スパロボシリーズのように、使用色が多くコントラストが強いものは、塗装が難しいと思います。特にA類については、仕上げがとても丁寧なのに驚きます。しかも、素形に使用したものはエジェクタピン穴どころか刻印も無い訳でして、原型の中でも初期段階のものから型取りされた可能性が高いと思います。

200110.17作成