<さいとうちほ>宝塚グラフ連載本

VOL、1<天使の微笑・悪魔の涙>

<トウランドット>カラフ王子の冒険:昭和27年8月公演(グランド・レビュー)2部32場
カラフ王子:春日野八千代 トゥランドット:故里明美 バラク:神代錦 アデルマ姫:浅茅しのぶ
さすがにこれは、生まれる前なのでみてないっすが、プッチーニのオペラとして有名な「トゥランドット」の宝塚版:
さいとうちほさんの話は宝塚版と違って、オペラ版の方の話になっていますが、トゥランドットという美しい姫が 冷たく言い寄る男に難しい問題を出し斬首刑にして殺してしまう設定になっているが カラフ王子に愛を持ち最後には結ばれるという結末がオペラでは定番になってます。
しかし、宝塚版ではいつまでも誇り高く、圧制を憎み 冷たい そして、残忍な牡丹の華の陰に隠れた毒蜘蛛というような妖姫にして最後に自分の為に自殺したカラフを見ても冷たく振り向きもせず去るという結末になってトゥランドットのすざましい美しさを強調している。そしてカラフを慕うアラビアの王女アデルマの強く美しい、そして激しい愛情、カラフの自決後、自分もカラフの後を追い死んでしまう。
しかし、それではこの話はレビューとしてあまりにもなので、舞台をヴェニスに移し、人形芝居の形でトゥランドットの話は始められた。
「バラには刺のあるものを わすれられぬ花よ 彼の人よ 甘き香りに 今日もまた 花を抱きて 吐息する
 バラにたとえて 慕えども 高嶺の花よ わが恋よ 及ばぬ夢に 今日もまた 花をこがれて 涙する
 冷たき人と 知りながら 手折れぬ花と 思いつつ いつもでも歌う恋歌を バラは答えず 赤く咲く」
<天使の微笑・悪魔の涙>平成元年11月公演
ファウスト博士:剣幸 マルガレーテ:こだま愛 メフィストフェレス:涼風真世
メフィストは、天界の他の天使を傷つけた為、悪魔になって地上に送られる地上に住む人を幸せにすれば、天使に戻れるというが、メフィストは自分を悪魔のままで、人を傷つける事を誓う! さて、ファウスト博士ウイーン大学の名誉教授になる事が出来たが,授業の面白くなさからも生徒に馬鹿にされ、欲望に渦巻く大学の関係者からもよく思われない、その受賞のスピーチは、誰も聞かず、一人話しつづけるファウスト、その屈辱感に思わず顔を上げるとそこに美しい娘マルガレーテが、必死にファウスト博士のスピーチを聞いている姿を見つける――一人だけ聞いている娘――老いたファウストにとっては かなうわけのない恋心をいだく、家に帰り一人自分の人生を呪うファウストそこにメフィストフェレスが現れ、ファウストと契約をする。この世の快楽のすべてと青春を取り戻してあげる変わりに魂を頂くという――その契約により若さを取り戻すファウスト、ハインリッヒ・フォン・パーリンガー公爵になり、清らかな娘マルガレーテとの一時を過ごす。
叔母の家に引き取られて暮すマルガレーテは夜のプラターという街で今まで知らなかった夜の世界で遊び、公爵に恋をする。叔母の世話をするために家を抜け出す事ができないというマルガレーテにメフィストはある薬を渡す、それが、原因で叔母は死んでしまう。また、それに怒ったマルガレーテの兄フリッツもファウストの剣に傷つき死ぬ、なにもかも無くしたマルガレーテは、気が狂い精神病院に入れられる、そんなマレガレーテに自分の愛で正気に戻させたファウストは、自ら老人である事を打ち明ける、君だけが僕の授業を聞いてくれたのだ。と自分の愛を打ち明ける、そんなファウストに、たとえあなたが誰であろうと私はついていきます。とマルガレーテも変わらぬ愛を誓う。そんな二人の姿に破れたメフィストは二人を幸せな恋人の姿に戻して、天界に帰っていく。
――花よ教えて、愛の誠を 誰も私に教えてはくれない―――たとえあなたが誰であろうと私はついていく――
<バレンシアの熱い花>昭和51年11月公演
フェルナンド:榛名由梨 ロドリーゴ:瀬戸内美八 ラモン:順みつき イザベラ:小松美保 シルヴィア:舞小雪
めちゃくちゃ宝塚らしい作品!3人の男が一人の悪者の為に人生を変えられ、それに、復讐する話。
フェルナンドの父の仇ルカノールは 甥の美しい恋人シルヴィアを妻に無理矢理して、謀弱無人な振る舞いに明け暮れていた。そんなルカノールに復讐する為にフェルナンドは、普段の生活は放蕩に明け暮れ酒場のイザベラといい仲になり、女達に歌を歌ったりして遊びほうけているフリをしている、そんな時ルカノール公爵邸で、パーティがあり、甥の自分のロドリーゴを後継ぎにするという発表がある、表面的には逆らえないが、叔父であるルカノールに敵意を持つロドリーゴ、そんな彼を自分の仲間に誘うフェルナンド。愛しているロドリーゴと同じ家に住みながら生きているのは、拷問のようと苦しむシルヴィアの為、スペインの為にも反乱を決意するロドリーゴ。フェルナンドには、かわいい婚約者がいると知りながら、彼を深く愛してしまうイザベラ。そんなイザベラの心を知りながら、愛を打ち明けられないラモン。ラモンも反乱軍で戦わないかと誘われていたが戦う理由がないので入れないというラモンも、ルカノール一味に妹を殺されて、反乱軍にいれてもらう。
「黒い天使」に扮してバレンシアの独立をかけて戦う3人、宿敵ルカノールを倒し、バレンシアは甦る!
だが、復讐を終えたフェルナンドの愛するイザベラは、私はあなたのもう一つの顔に住む女、あなたは目的を果たしたのだから、もう私は、必要ないわね。とフェルナンドの前から、去っていく、ロドリーゴのシルヴィアも、愛を受け入れる事は出来ないと自殺してしまう。
――瞳の中に、宝石が見える、キラキラ光る紅の輝き、その輝きが私に火をつけ
 孤独な私の心を、燃え上がらせる――愛している――愛している――

VOL2.銀の狼

<銀の狼>
記憶を無くした男シルバ、なぜか髪の色が銀髪の為,殺し屋 銀の狼と呼ばれるようになっている。
国務大臣とその妻になぜか記憶の底から感情が湧いてくるのを覚えたのがきっかけで、国務大臣の大統領を替え玉に仕立ててこの国を自由に操っているという仕組みに気づく、もともとは自分は医者であり、大統領の死を見取った一人だったので、殺されかかり、記憶を失いショックのあまり髪まで銀色になってしまったのだ。国務大臣の妻ミレイユもそんな夫のからくりを知り、本当の事実を知るにつれて、銀の狼シルバの味方になる。国務大臣の陰謀のすべてが明かされ,、シルバももとの生活に戻る事が出来るようになる。旅立つシルバにミレイユがそっとよりそう。
<さすらいのレクイエム>昭和56年5月
ロシアでロマノフ王朝が廃止され皇帝一家がシベリアに流され処刑される
皇女の一人アナスタシアが生きているといううわさが流れるそんな時、ある劇場に女のすりが現れる、その女は下町のきたない言葉をしゃべり吹き溜まりで生きているが、自分の過去を持ってなかったり、なにか行動に不信なところがある。藁をもつかむ思いの回りにとっては、こういう街の女が皇女のわけはないと思いながら、その女の持つ不思議な雰囲気に「皇女かもしれない」という疑いを持つ、確かに皇女でなければ、知ることのできない記憶を持ち、思いもかけない行動をするときがある女、また、ロシアの皇女であれば、手に入れるであろう莫大な隠し財産もある。そんな中次々と現れる幻の皇女の記憶を持つ女の出現にすっかり心を傷つけられていたロシア皇室の生き残りのおばあさま、アナスタシアが、昔の事を語るのも、「女優であれば、見事な演技誉めておきましょう」と冷たい!夏のテニスコートでのこと、無くしたエメラルドの事、本当の皇女でなければ知り得ない事を語るアナスタシアに動揺しながらも、確信が持てないため、自分の孫と見極めることができない。そんな時、アナスタシアがひどく咳き込む、「あなた、どこかお悪いの」と聞くと、「私には、子供の時より咳き込むクセがあります」という言葉でアナスタシアであることを確認するだが、堅苦しい宮中の暮しに適合しないアナスタシアは、フェリックスとの幸せを求めて旅立つ。
たしかグランドロマンで、2時間半の超大作でしたが、お話よりも歴史的な部分が多く、難解だったため、あまりヒットしなかったような…
――さしらいのレクイエム――さすらいのレクイエム――ああ君はいずこの空へ――