三島喜美代 未来への記憶 (jun.26 練馬区立美術館)

ドローイングやコラージュも面白かったんですが、やはり陶器の作品が印象的。新聞を転写した作品は知ってたけど、フィルムを模した"Film 75"や大型作品の"閉じ込められた情報B"あたりは初めて観た。屑籠作品の"Work 17-C"とか凄かったな。一部屋まるまる埋め尽くした"20世紀の記憶"はもう圧巻。

デ・キリコ展 (jun.21 東京都美術館)

最初期の写実的な自画像から形而上絵画時代、その後の伝統回帰から晩年までと、長いスパンでの作風の変遷が追える展示でした。とにかく技術が高いの"山上への行列"あたりで作風が一変するのが興味深い。見応えがあるのはやはり形而上絵画で、破綻した遠近法であったり特徴的な水の表現であったり、マネキン以外にも面白い表現が多かった。立体作品や舞台の衣装も並んでたし、会場の構成自体も良かったです。

ひとすくい (jun.6 kanda & oliveira)

福田尚代展。建物に入ってすぐの部屋の"漂着物/海辺の洞窟"がいきなり凄い。小さな消しゴムから成る無数の彫刻が並んでいる。色々なストーリーが浮かんでは消えるような印象。階段を上がると2fには書籍の作品と平面作品の"夢ノート"。更に3fに上がると、大空間に様々な作品がずらりと。消しゴム彫刻もあれば壁面の文字もある、空間と作品の在り方がもう完璧と言うか何と言うか。竹尺に彫刻が施された"花筏"とか、解した本の栞紐による"書物の魂 #2"とか、福田さんを知る切っ掛けになった"翼あるもの"シリーズとか、作品の姿は様々なんだけど、纏っている雰囲気が一貫している。個人的には内藤礼作品に似た何かを感じる。素晴らしい展示でした。