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AERA に紹介されました!
  • 2008年11月24日号
女は学歴と年収が求められる婚活を勝ち抜く女性の条件
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結婚難の時代に、理想の結婚をするのはどんな人? 女性のキャリアや学歴は、結婚にどう影響する? 
婚活女性が一番気になるポイントを、大卒女性525人に行った徹底調査で明らかにする。(AERA編集部・木村恵子)
平均世帯年収9000万円。全国の高額納税者番付上位に並ぶ家庭の妻は、一体どんな人でどんな暮らしぶりか−
−アンケートや対面取材からその実態を書いたのが、『日本のお金持ち妻研究』。
共著者の慶応大学産業研究所共同研究員、小林淑恵さんは、取材を終えて驚いた。
「容姿を磨いて玉の輿に乗り、派手な消費を繰り返すというような人は一人もいませんでした。特に若い世代では、自らも高いキャリアを積んで、結婚後は夫と一緒にビジネスをしたり、子育てを終えた後は大学で研究したり。暮らしぶりは堅実で、資産をきちんと次世代に残したいと考えているようでした」小林さんは、富裕層の男性たちが求めていたのは、人生のパートナーとして「頼れる妻」だという。夫が会社経営者の場合は、妻が共同経営者になって、最も身近な立場で的確にアドバイスしているケースが多かった。複雑な税関係の法律を妻がマスターして、完璧に資産管理しているケースもあった。

同著にはこう書かれている。
「将来お金持ちとの結婚を予定する若い女性たちは、美貌を磨くよりもまず知性を磨いた方が、はるかにお金持ちと結婚する近道であり、王道である」これは、富裕層に限ったことではない。かつて男性は、家事育児を完璧にこなす専業主婦妻を望む人も多かったが、男性だっていつリストラされるかわからない今の時代には、キャリアを積んだ頼りがいのある妻は心強い。年功序列、終身雇用が崩れ、転職や独立など仕事上迷うことが増えた分、身近な妻に相談することはより重要になっている。夫が求めているのは、自分をレベルアップさせてくれる「手腕妻」なのだ。

●600万境に彼率上昇
AERAが大卒の30代、40代女性525人を対象に行ったアンケートでも、その傾向が見える。独身女性に彼がいるかどうかを尋ねると、いる人は39%で、いない人は61%。圧倒的に彼がいない人が多かった。ところが年収別でみると、600万円以上では彼なしと彼ありの数が逆転し、彼がいる人が多くなる。
年収1000万円以上を稼ぐ女性では、実に8割に彼がいた。一方、200万円未満では、彼なしは74%にも上った。恋愛に有利なのは、稼ぐキャリア女性のようである。既婚者に夫の年収を聞いた質問でも、稼ぐ妻は稼ぐ夫と結婚している傾向が見える。年収800万円以上の妻が、年収800万円以上の夫を持つ割合は75%。1500万円以上の夫も3割に上った。特に、2000万円以上稼ぐ妻の夫は、全員が年収2000万円以上だった。
一方で、妻の年収が600万円未満のカテゴリーでは、夫の年収も600万円未満のケースが3割ほどに上る。逆に、妻が600万円以上稼いでいると、夫の収入が600万円未満というケースは1割台に下がった。

結婚相談所「クレッシェンド横浜」代表の小池秋絵さんは言う


今の男性は自分の生活とかけ離れていない女性を望む場合が多い。会話や趣味を楽しめて、共に人生を豊かにできることが大事。年収も高く優秀な男性と結婚したいのであれば、女性も同じようにレベルアップするしかないんです」

●健気系は「お断り」
ここのサービスに登録する中で一番人気の男性は、見た目がさわやかなスポーツマンタイプで、年収1000万円以上の一部上場企業に勤める30代男性。次々と女性から「交際お申し込み」のオファーが入る。お見合いやデートになると、女性は「朝早起きして、パンを焼いてきました」「手料理が得意なのでぜひ食べてほしい」と、健気さをアピール。だが、この男性は健気系には惹かれないのだという。
最近は、履歴書で健気アピール系だと感じられる女性には、会う前に「お断り」を入れている。
この男性はバツイチで、かつての結婚でこんな経験がある。海外に赴任した際に、同行した専業主婦の妻が、ホームシックにかかり、それが原因で離婚してしまった。もし今後も海外駐在になった場合には、同行した妻が社交的で人脈を広げられたり、自分で海外でも仕事ができたりする方がいいという。最近久しぶりに、この男性が会ってみたいと思う女性が現れ、デートをすることになっている。米国の大学院も出た才女で、弁護士として活躍する女性だという。小池さんは女性の学歴についてこう言う。
「最近、妻との対等な関係を求める男性は多いから、高学歴な男性にとって、女性の高学歴は歓迎。学歴がプライドとして凝り固まっているようなタイプを除けば、プラス要素です」

●高学歴ほど大学人脈
今回のアンケートでも、学歴と出会いの関係を聞いたところ、「高学歴だと周りにも高学歴男性がいるので、相手を探すのに有利」と答えた人は33%で、「高学歴女性は敬遠される」と答えた人の21%より多数を占めた。既婚者に夫と出会ったきっかけを聞いた質問では、国立大卒や早慶上智卒の女性に、「大学時代の友人関係」で知り合った人が多く、高学歴ネットワークが結婚に生かされていた。究極のデータがある。『日本のお金持ち妻研究』の中に記されている、東京大学女子卒業生同窓会「さつき会」によるアンケート結果。1999年〜2006年の東大卒女性の既婚者で、夫も東大の学部や院を卒業していると回答した割合は、7割にも上った。

●「あと一押し力」が必要
ただ、アンケートからは学歴に対する女性たち自身の微妙な胸の内も明らかになった。自分の学歴が結婚に有利と考えている割合は、女子大卒で最も高く4割以上、最も低いのは実は、東大など難関国立大卒だった。合コンで自分の学歴を言った時の男性の反応について聞くと、「引かれるので言いにくい」と答えた人は、東大など難関国立大卒が最多。一方「非常にウケがいい」と答えた人は、聖心などお嬢様女子大卒が最多だった。

一橋大卒で出版社に勤める独身女性(30)は、こう感じる。

「恋愛力が最も磨かれる思春期に、偏差値を伸ばすことに必死になっていた自分に比べ、彼氏をつくって恋愛の場数を踏んでいた女性は、恋愛力が高い。そういう意味で、高学歴は不利かもしれません」この女性にはこんな経験がある。大学時代の男友達が、仕事が忙しくて結婚はまだ考えられないのに、彼女が結婚圧力をかけてきて困ると愚痴っていた。同じく仕事をする者同士、彼の立場に理解を示し、悩み相談にのっていた。ちょっといい感じにもなった気がする。でも、ある日突然、彼女との結婚の知らせが届いた。

「オレのことをこんなに思ってくれるのはやっぱり彼女しかいなかった」

自分の方が理解あるパートナーになれると思ったのに……。肝心なところでの「あと一押し力」は、足りないと痛感した。婚活女性たちの今最大の悩みは、結婚したくなる男性との出会いがないこと。知性を磨いた女性たちにはそのチャンスはある。あとは自分を信じる力だ。

(おわり)
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