2006.10.14〜15
メンバー:惠川・近内・高尾
今回は、バリエーション初めて!もちろん、八ヶ岳東面も初めて!
というお二人をお連れしました。
初めての東面はお二人にとって、どうだったでしょうか・・・?
10月14日(土)
美し森駐車場 12:45〜14:30 出合小屋
清里の美し森駐車場に車を止め、地獄谷方向に向かっている林道を歩く。
以前は、この先のゲートまで車で入る事ができたが、
現在は駐車場から直ぐのところに立派なゲートがあり、頑丈な鍵がかかっていて車の進入はできない。
しばらく、舗装された道を歩く、途中から徐々に河原に導かれるようにトレースが続く。
河原に入ってゴーロを歩き始めるとやがて堰堤にぶつかる。
ここから合計8個の堰堤越えをしながらアプローチは続く。
堰堤を8個越え、草木が生い茂っている沢沿いのトレースを赤テープと踏み後を探しながら、右へ左へ数回の徒渉を交えて進む。
冬は何回もこのアプローチを歩いたが、無積雪期に歩くのは初めて。
思ったとおり、小屋が近づくにつれ夏の間に伸びた草木が行く手をふさぎ、かき分けかき分け赤布に助けられながら前進した。
途中、何回かの渡渉あり。
しかし、雪のないときは非常に歩きやすい。
やがて、出合小屋に到着。
小屋には先客ありで、既にストーブには煙が上がっている。
明日は、我々と同じく天狗尾根を登るそうである。
私が用意したトン汁の材料で食事を作り、二人に食べさせた。
この地点で2,000M近くなるので、夜は寒くなる。暖かいものが体には嬉しい。
時折目覚めた時に近内さんと私で、ストーブに薪をくべて、夜通し火を絶やさないようにした。
10月15日(日)
出合小屋 5:57〜カニのハサミ8:13〜小天狗10:14〜真教寺尾根11:00〜犀の河原14:15〜15:15
まだ、暗いうちに小屋を後にした。
小屋から直ぐの赤岳沢出合いを目指して歩き、渡渉。
渡ったところの暗闇にカモシカがいたので驚いた。
沢沿いのゴーロを上流へ向かって行くと、右岸に赤テープが所々見受けられ、踏み跡が稜線へ向かって続いている。
本当は、指導票を過ぎて、もっと奥へ行ってから登った方がもっと先の稜線へ出られるので効率がよいが、
無積雪期にはどうなっているのかわからないのと、踏み後が明瞭なのでここから稜線へと登る事にする。
赤テープは途切れることなく稜線へと続いているので、踏み後を辿れば藪漕ぎもせずに稜線へ出られる。
稜線は岩稜から始まる。
しばらく歩くと冬に登り上げた細い岩のリッジに出た。
少し下降になるので、アイゼンをはいている時には引っ掛けて滑落しないように十分に注意しなくてはいけない。
と、思った瞬間に近内さんが、転げ落ちた。
運よく、左側に落ちたところに木が生えていて、そこに引っかかった。
冬だったらヘタすりゃ、、、、、と、思うとヒヤッとした。
やがて、樹林帯の中を登る。
途中、二箇所のビバーグ適地があるが、夏は水が全く取れないので下から運び上げるのは大変。
樹林帯の中も、赤テープが所々あり、踏み跡も明瞭なので、迷うこともないと思う。
この樹林帯の登りで、後続二人がどうも登って来ないと思ったら・・・
今度は高尾くんが、どうしたことか、岩に指をぶつけて、指先を怪我してしまった。
爪が少し割れ、血が出て痛いそうであるが、、、なんで、指先が??
樹林帯の中を抜けると、目の前にはカニのハサミが見える。
二つの奇岩がニョキっと空に向かって突き出ているので、丁度、カニのハサミのように見える。
カニのハサミは、左側から基部を巻く。冬は凍てついていて、ちょっと悪いが、
無積雪期には、何で・・・、と、思うくらいに簡単であった。
すぐに、10Mくらいの傾斜のゆるい草つきの岩壁が現れる。
ここは、冬の時は、アイスのミックスクライミングとなったが、無積雪期は、やはり、楽勝!!
その先は、やさしい岩稜帯となるので、歩きやすいところを選んで登っていく。
目の前に30m程の岩峰が現れる。
基部にはフィックスロープが張ってあり、冬期はここをトラバースしてルンゼを直登した。
今回は、ロープを付けて左のやさしい岩壁を太い潅木まで左上し、
ここでビレイを取り直し、さらに左上した後、岩溝を右に越した所で頭上にピンが見つかったので、ここでランニングを取り、右上。
リッジを目指し、ひと登りすると登ってきた岩壁は途絶え、進路は一旦絶たれ足下には空間が広がっているが、
大股開きで対岩に飛びつくと登攀は続けられ、まもなく緩やかな登りとなり、目の前の這松でビレイを取る事ができる。
ここで、基部から巻き道をしてルンゼを登るルートと合流する。
ロープをしまい、簡単な岩場を登って行くと、大きな岩峰が現れる。
今までで一番大きな岩峰。これが、大天狗。
こちらは、冬期トレースした通りに右のトラバースから基部まで行き、そこでロープを付けて
右上気味にトラバースした後、極小ピナクルにランニングを取り一旦下がってから直上する。
大天狗を背にすると目の前には小天狗が澄みきった秋の空を貫いている。
ここは、左側を巻くようにして登り、稜線に戻り踏み跡を辿って縦走路まで登る。
赤岳を目指して縦走路を歩き、指導票のある分岐から真教寺尾根を使っ下降する。
真教寺尾根、始めは垂直に近いクサリの連続下降になる。
と、言ってもクサリはピカピカ光っているほどの新しいもので、支点も頑丈に作ってあり、心配するに及ばない。
ただ、こういう下降が慣れていないと怖いかも?
実際、高尾くんは、あまり山歩きをやっていなので、かなり難儀していた模様。。。
クサリ場を過ぎれば後はなだらかな稜線が続き、
見事に燃え上がる木々の紅葉に、時折足を止めながら美し森駐車場へ戻った。
さわのすけ★「北鎌尾根」