私は、ご主人様のサーヴァント。

ご主人様の為に、今日も全力で・・・呪い殺しちゃうぞっ♪


でも、不満もある訳で。


「ご主人様♪今日も私、頑張りました♪褒めて下さい!私、褒めて伸びるタイプなんです!」

「うん、ありがとう。キャスター。」


ああ・・・ご主人様・・・その微笑みだけで、このキャスター、今日の戦いの傷の痛みも薄らぐ気がします・・・。


・・・・・・・・・・・。


でもぉ・・・正直ー・・・言葉だけじゃ物足りないんですよねー。マンネリってやつですかー?

それに・・・自慢じゃありませんが、うちのご主人様・・・記憶も無いばかりか・・・どっか抜けてるっていうか・・・鈍いというか・・・。

もっと、こう・・・ラブラブしたいんですよねーこっちとしては・・・。


「キャスター。」

「は、はい!?なんですか!?ご主人様!」


「あの・・・今日は、ちょっと・・・お願いがあるんだけど・・・」

「はい?なんですか?」


「あの・・・嫌だったら、嫌って言って良いから。・・・その・・・私、前々から、ちょっと・・・してみたかったことがあって・・・

でも、普通は嫌がる事かもしれないから・・・本当に、嫌だったら嫌って言ってね?」


「・・・・・!!!」


こ、こここ・・・これは・・・!!

ご主人様が、顔を赤らめて、私にしてみたいことがあるだなんて!

し、しかも・・・普通は嫌がる事でも、二人の仲なら嫌がらないだろうと、ご主人様は判断なされて、私に提案を・・・!!


こ、これは・・・間違いない!


― キャスターの妄想。 ―


『キャスター・・・今宵は、私の夜伽の相手をしなさい。マスターの命令よ。』

『あ・・・い、いけません・・・ご主人様・・・あっ・・・!』

『・・・可愛い・・・私のキャスター・・・』

『はい・・・私は、ご主人様だけのものです・・・』


・・・なんつって!!!


「・・・キャスター?」

「はっ!?あ、いえなんでもないです♪で、なんですか?」


「あの・・・触らせて、欲しいの・・・。」

「・・・・・・・!!!」


さ、触る・・・!?ご主人様が、私の身体に、手を・・・!!


― キャスターの妄想2 ―


『私、キャスターに触れたいの・・・。』

『・・・あ、ダメ・・・そこはッ・・・いけません・・・ご、ご主人様・・・』

『フフフ・・・可愛い声を出すのね?こんな所を触ったくらいで・・・』

『あう・・・ご主人様のイジワル・・・』


・・・なんつって!!!!!


「あのー・・・キャスター・・・?」

「あ、すいません!ご主人様!・・・えと・・・ご主人様の命ならば、このキャスター、どこでもOKですよッ♪

お断りなんかする理由ございませんものっ♪・・・きゃっ言っちゃった♪」


「・・・ほ、ホント?」

「はいっ♪」


ああ・・・良かった・・・ご主人様と私は、やっぱり結ばれる運命なんですね・・・!


「じゃあ・・・早速・・・」

「ええっ!?お、お風呂も入ってませんけど・・・!?

いや、それはそれで、ご主人様がそういうプレイがお好きだというのなら!対応致しますッ!」


「は?・・・あ・・・とにかく、触るね・・・もう、本当・・・我慢、出来ないの・・・。」


お、抑えていらしたんですか!?い、今までの鈍感は・・・抑えていただけ!?そ、そんなにも・・・私を・・・!

「は・・・はい・・・どこからでも、ご賞味下さいッ!」


”ぽふっぽふっ”


・・・・・・・・あれ?


「はあ・・・ふかふか・・・♪やっぱり、キャスターの尻尾って柔らかい・・・♪」


マスターが幸せそうな顔で、私の尻尾に顔を埋めている・・・。

前々から・・・気になっていたのは・・・私の・・・尻尾・・・?


「あ、あのー・・・ご主人様・・・?これが、お望みなんですか?」

「うんっ♪」


・・・うー・・・いまいち、納得いきません・・・。不満です。高まったこの感情・・・どうしてくれるんですか・・・ッ!?(泣)


「・・・前々から、触ってみたくって・・・幸せ・・・♪」

「そ、そうですか・・・」


ご主人様が幸せ、と仰るならば、それで良いのですが・・・。

ご主人様は、それはもう幸せそうに私の尻尾を丁寧に丁寧に指先でやさしく・・・撫でて・・・


「・・・あ・・・」


ちょ、ちょっと・・・ご主人様・・・その、触り方は・・・なんか・・・


「?どうしたの?キャスター・・・やっぱり、嫌?」

「あ、いえ・・・そういう、訳じゃ・・・な・・・ぁ・・・なくて・・・。」


ご主人様の尻尾の触り方・・・・・・なんか、すっごく、エロい・・・です・・・。


「なら、もうちょっと・・・いいよね?」

「あ、はい・・・ぁ・・・う・・・。」


あ・・・ダメ・・・私の方が意識しちゃって、どうするの!おっかしいなー・・・尻尾だけで、こんな風になる私じゃないのに・・・。


「ねえ、耳も触っていいかな?」

「・・・え、ええッ!?」


「あ、ダメ?」

「いえ!そんな事は・・・!」


今日のご主人様は・・・積極的・・・!

ご主人様は私を抱き寄せると、頭と一緒に耳を撫でた。

優しい微笑みを浮かべながら・・・。


「・・・ご主人様・・・」


マスターを、こんなに間近で見るのは、初めてかもしれない。

普段、鈍いくせに・・・本当に、ご主人様は・・・天然モノの愛の狩人(?)です・・・ッ!


「今日は、本当にありがとう・・・キャスター・・・強くなったよね、私達。」

「・・・最高の褒め言葉です。ご主人様・・・。」

明日のアリーナ探索も頑張ります!隙あらば、相手を滅殺してご覧にいれます!ご主人様!


「・・・今日は、このまま・・・一緒に・・・寝よっか?」

「・・・は、ははは、はいッ!!!!」


ふ、布団は一つ・・・枕は・・・二つ・・・!!


「キャスター?」

「はい!」


「キャスターといると、ほっとする。なんか・・・こんな戦いの中で、貴女はいつも変わらないでいてくれるから。」

「そりゃ・・・私はご主人様一筋。その他は、正直どうでもいいんです。だから、ご主人様の為、私は良妻として、ご主人様を支えるのが務めなのです!きゃっ☆」


「・・・本当に、ありがとう、キャスター。」


ご主人様は少し悲しそうな顔をして、私を抱きしめた。


「私も、頑張るから・・・傍にいてね?キャスター。」


・・・そっか・・・まだ・・・怖いんですね、マスター。

記憶も無いし、聖杯戦争にだって、よくわからないまま参加しているみたいだし。

変な所で優しいから、対戦相手の事を心配するような人だし。



でも!



「ご安心下さい。私がいる限り、大丈夫!というか、私のご主人様が負けるはずが無いのですから!」



私が、最後の最後まで、貴女をお守りします。



[ Fate/EXTRA SS キャスター編。・・・END ]



あとがき

キャスターも可愛いです。サーヴァントを2人の中から選ぶのって結構迷いますよねー。

・・・あ、アーチャーごめん。悪いが、ベンチを温めておいてくれッ!