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街を歩いていて、ふと肩を叩かれた。


「ちょっとすいませーん。今、S区の女の子にアンケート取ってるんですけど。貴女に好きな人はいますか?ってヤツなんですけど・・・」

「・・・え、あの・・・」

「ちょっとで済むので、ね?お願いしますよ!・・・あ、お連れのお姉さんは待ってて下さいね!」


(お姉さんだって・・・)


私は、隣の彼女に目配せをするが、彼女ったら、まるで興味が無いようで、チラリと私を見ただけだった。

・・・まあ、それが彼女らしいといえば彼女らしいんだけど。


街角のアンケートに私は渋々答える事になった。

カメラに向かって私はニッコリと笑った。

カメラマンの後ろには、無表情の彼女が腕組しながら立ってこちらを見ていた。


『・・・今、好きな人はいますか?』

『え?今・・・ですか?・・・えっと・・・』


私は、カメラマンの後ろの彼女をチラリと見る。

どうしても、彼女を見てしまう。


助けを求めても仕方が無いのはわかってるけど・・・彼女ったら、笑ってるだけで全然助けてくれない。


『・・・好きな人は、います・・・私の・・・近くに・・・』

『へえ!彼氏いるんですね!』


私は首を振って、彼女を見ながら答える。

彼女は、コクンと頷いて私の視線に答える。




『いえ・・・違います。あの・・・・・・・・・”彼女”で





「・・・衣子!優衣子!優衣子起きてるのッ!?会社遅れるわよ!」


(・・・お母さんの声・・・?)


「・・・・・・・・・・・・。」


重い瞼を開けると、そこにはカメラもライトも何もなく、誰もいなくて・・・

私こと、門倉優衣子の部屋の天井だった。



「・・・・・・また、夢か・・・。」


そう。”彼女”と会ってデートするのは、いつだって・・・夢の中。


「・・・水島さん・・・」


私に笑いかけてくれるのも、いつだって・・・夢の中。

だけど。

それでも嬉しい事に変わりなく。


「今日は会えたッ!あぁっもうっ水島さぁん!!」



枕を抱き締め、枕に口を押し当てて彼女の名前を呼ぶ。


”ガチャ”


「優衣子!遅刻するぞッ!?何してんだ!!!」


お兄ちゃんこと、勝が私の部屋に入って怒鳴る。

気分台無し。私も負けずに怒鳴り返す。


「お兄ちゃん!勝手に入って来ないでよ!着替えてたらどうすんのよっ!!」

「・・・それのどこが着替えだよ。」


ベッドに枕を抱きかかえたまま、寝転がる妹に兄がチクリと一言。


「・・・い、いいから、出てって!!」


お兄ちゃんを締め出し、ドアを閉める。

カーテンの隙間から差し込む光から察するに・・・


「今日は晴天。」


今日も良い朝だ・・・と良いんだけど。


どう思います?水島さん。


私の財布の中には会社の慰安旅行で撮った写真がある。

水島さんったら写真に映りたがらないし、見切れてるしで・・・まともな写真が一枚も無いのだ。



(この”一枚”を除いては・・・ね。)


それはなんでもない、単なる・・・



「・・・くすっ」



だけど、私の一番好きな写真だ。







[ 水島さんは残業中その3の2 〜門倉 優衣子編〜 ]






”プルルルルル・・・カチャ”


「…はい、城沢グループ、事務課です…はい…ええ、はい…」


「こっちのファイル、終わりました。」

「ごめん、じゃあ、こっちのファイル片付けてくれる?」


「・・・コピー機の紙、補充しますねー」

「あ、A4も無いんだわ、補充しておいてくれる?ゴメン!」


「ハンコ、貰ってきまーす。」

「はーい。」


「コーヒーいる人ー」

「はーい。」


「2、3、4、5、6・・・OK!」



事務課は今日も忙しい。

・・・妙にやる事があるなぁ。と感じるのは、私がまだこの仕事に十分に慣れてないせいもあるかもしれない。

現に先輩達は、カタカタと仕事を次々と片付けていく。


・・・その先輩の中には・・・水島さんもいる訳で・・・。


「・・・あー・・・水島いる?」

ふと私の向かいの先輩が、ダルそうに言った。


「残〜念ね。バッチリいるわよ。」

ダルそうな先輩の隣にいた先輩は、笑いながら言った。


「な〜んだ、折角”プレゼント”してやろうと思ったのに。」


そう言いながら笑ってファイルをひらひらさせる先輩。

それは、酷いというよりも・・・怖いと私は思う。


事務課には、自分の仕事を勝手に誰かの机に置いていく・・・『プレゼント』という悪習がある。

勿論、置かれる仕事は大抵、誰がやってもいいような類の仕事に限るのだが・・・

水島さんに限っては、仕事に慣れ過ぎている為か・・・プレゼントの内容も意地悪なモノになってきているのを私は知っている。


知っているのに。

知っているのに、何も出来ない。

私は、先輩達には何も言えない。

何か言えば・・・きっと、私は1週間もココにいられなくなるようになるに違いないし・・・


・・・でも、本当は嫌だ。

そんな風景を見るのも、見過ごすのも・・・

プレゼントを認めているみたいで、嫌だ。・・・と感じるしか出来ない自分も嫌いで仕方ない。


・・・それに・・・きっと先輩達は、水島さんの事を何も知らないんだと私は思う。

単に、自分の仕事を押し付ける相手にしか見ていないんだと思う。



以前、どうしてプレゼントの送り先が水島さんなんですか?と聞いてみたら返って来た答えは・・・



『だって、アイツなんとなくムカつかない?』

『暗いし、他人と距離取り過ぎててさぁ』

『あたしも嫌なのよね〜・・・課、全体の雰囲気壊すヤツってさぁ。』



答えは・・・それだけ、だった。


ちらりと私は水島さんを見る。


いつも通り、黙って一心不乱に仕事をしている、水島先輩。

気のせいか、以前よりもどんどん仕事をするスピードが上がっている気がする。


(凄いなぁ・・・水島さん・・・)


「あ、ねえねえ、ところで門倉さん、今日の夜空いてる?」

「・・・え?はい?」

「だから〜今日の夜よ!夜!」


先輩からの”合コン”のお誘いだろう。

・・・ここで、私はいつも先輩達に押されて、つい負けて、連れて行かれてしまう。


本当は、合コンなんか、全然興味ない。お酒は苦手だし、男の人に絡まれ過ぎると先輩の機嫌は悪くなるし・・・。

家に帰れば、お兄ちゃんには怒られるし・・・で、良い事なんか一つもない。

第一に。


”好きな人が、そこにいないから。”


それだけの理由だけれど・・・それは、大事な問題なのだ。


「あ・・・いや、今日は残念ですけど・・・」

とはいえ、このままでは、私は先輩の勢いに押されてしまう。

だけど、ここで負ける訳にはいかない。


「あ!あの、このファイルは私がやりますね!」と先輩がヒラヒラさせていたファイルをガシッと掴み取る。


「え・・・あ、いいの・・・?」

「はいっ!」


ニッコリ笑顔でファイルを両手に持ち、とっとと自分のデスクに戻る。

合コンの話は一応避ける事は出来たし・・・何よりも・・・


(・・・これで、水島さんへのプレゼントが減る・・・。)


私のデスクからは遠い場所で黙々と仕事をする水島さんの後姿を見ながら、私もひたすらキーボードを叩く。

私の仕事は決して早くは無い。・・・だけど、私なりに頑張るしかない。


・・・私なりに・・・頑張って・・・



「あ、水島いなくなった。チャーンス♪」


そう言って、先輩が立ち上がる。その声を聞いた私の手が思わず、止まる。


(・・・マズイ・・・!)


また水島さんに”プレゼント”が・・・!


「ああ、アイツ、近藤係長のある意味召使いみたいなモンだからね〜。」

「じゃ、置いて来ようかな〜♪」


”ガタン!”と立ち上がって私は両手を出して言った。


「・・・あ、あのっ!私やりましょうか?」

「ん?門倉ちゃん・・・大丈夫なの?」

「はい!全然!」





 ― 数時間後 ―



(・・・・・・・・・・お・・・終わらない・・・。)


膨大な仕事の量。私の辛うじてこなせるだろう、限界の量。

・・・しかも、結局水島さんへのプレゼントを全部阻止する事は出来なかったし・・・。

ていうか、この量を水島さん一人でやってるって・・・相当キツイんじゃ・・・

 ※注 水島さんは悲しきかな、慣れてしまいました。


「門倉ちゃん・・・無理したでしょ?」


コーヒーに誘われ、給湯室へ行くと開口一番君塚先輩が小声でそう言った。少し呆れているような顔だった。


「・・・水島さんへのプレゼントは今に始まった事じゃないんだし・・・」


・・・確かに無謀だったかもしれない。でも・・・。

それでも・・・少しでも水島さんへの負担を減らしてあげたい・・・。

大体、この自分の仕事を他人に勝手にあげちゃうプレゼントって習慣をやっぱり変だ!とは誰か一人くらいは思わないんだろうか・・・。


「とりあえず・・・少し休憩した方が良いんじゃない?」

「はい・・・そうですね。」


君塚先輩のくれたコーヒーに私は口を付ける。


すると、君塚先輩が私の肩にぽんっと手を置いて、低い声で言った。


「・・・それに、水島に恩を売ろうとしてるんなら・・・無駄よ。」

「・・・っ・・・!?」


思わず、コーヒーで舌を火傷するところだった。

そのまま君塚先輩は話を続けた。


「・・・まあ、仕事をしてくれるのはありがたいけど、増えても地獄。ミスっても地獄。

ましてや”助け合い”なんて、見つかろうモノならソイツは即裏切り者扱い。プレゼントの怖さはそこにある・・・。

・・・ここにいたら・・・もう、わかるでしょ?」

「・・・・・・はい・・・。」


「・・・確かに・・・あんまり褒められたもんじゃないけど・・・コレが”当たり前”になっちゃった以上・・・私達1人、2人くらいじゃ何も出来ない。

以前、この悪習をやめようって言った人がいたみたいだけど・・・その人は”もうここにはいない”。それが現実なのよ。

だから、私達に出来る事は、せいぜいプレゼントの標的にならないように、生活するしかないのよね。・・・ま、悲しいけどね。」

「君塚先輩・・・。」

「・・・単なるアドバイスよ。門倉ちゃんは、事務課の一員。ここにいるべきだからさ。・・・じゃあね。」


君塚先輩も君塚先輩なりに、プレゼントという悪習に対して、そういう風に考えてくれていたんだ・・・。

でも・・・やっぱり・・・良くない事は良くないと思う。


けれど・・・君塚先輩の言う通りかもしれない。

でも、そうなると・・・結局、私は何も出来ないという事になる。


給湯室からデスクに戻り、改めて、今日やらなければいけない仕事の量を見る。

通常の2倍・・・いや3倍はあるかも。



(・・・やっぱり、無謀だったのかな・・・。)



そして・・・君塚先輩が最初に指摘した通り・・・私は心のどこかで、私は考えていた。



水島さんのお手伝いをしていれば、水島さんが私に『ありがとう』なんて言ってくれるかもしれない。

・・・それから・・・少しでも、私を気にかけてくれるとか、私を見てくれるんじゃないかって。



・・・心のどこかで、そんな”期待”を・・・勝手にしていた。


それは単なる”下心”って表現が似合うモノだろう。



君塚先輩には、そんな私の気持ちがお見通しという訳で・・・。

水島さんだって・・・私の勝手な気持ちを押し付けても困るだけかもしれない。


・・・ただでさえ、人嫌いらしいのだから。


やっぱり・・・私の気持ちって、結局は自分勝手な一人芝居な感じでしかなくて・・・


・・・夢だけでしか、叶わないモノのかな・・・。


そう思うと、今自分のしている事もなんだか空回りしているような気がしてきた。


そして、案の定・・・定時になっても仕事は終わらなかった。


「・・・優衣子ちゃーん、本当にいいの?今日の合コン。」

「あ、はい。私が悪いですから。あの、皆さんで楽しんできて下さいね。私は大丈夫ですから!」


「あ、そう。残〜念・・・まあ、次また誘うから、頑張ってね〜♪」

「はい!お疲れ様でーす!」


そう言って笑顔で合コンへ行く先輩達を見送り、私は残った仕事を片付けようと気合を入れる。


「・・・よーし!頑張るぞっ!」






「・・・あの、門倉さん。」




その声に振り向くと、彼女はいつものように無表情で立っていた。


(・・・・・・・・嘘・・・!)


間違いなく、その人は水島さんだった。


「・・・手伝います。」


そう言って、水島さんは私の机の上のファイルを半分持ち上げた。


「あ、でも・・・それは・・・!」

「・・・そもそも、私への”プレゼント”だったんでしょう?(・・・丸聞こえだったんだよ、給湯室での貴女と誰かの会話・・・とは言えないけど。)」

 ※注 ”誰か”とは君塚さんの事。


水島さんにまで私の下心は知られていた、のだろうか・・・。


「あ・・・いえ、私が勝手にした事ですから・・・」

「それなら、私が勝手に手伝うのも良いですね?(単に他人に借りを作るの嫌だから、とは言えないけど。)」

「・・・あ・・・はい・・・。」


私が返事をするなり、水島さんはファイルを持って自分のデスクへと行ってしまう。


「あの・・・私・・・!」

「・・・ん?」


「・・・ご迷惑、でしょうか?」

「・・・何の事ですか?」


「私・・・」


”・・・迷惑ですか?私の、この気持ち・・・。”


貴女に好かれたい、それだけで、こんな無茶な量の仕事引き受けて、残業なんかして・・・。

しかも、結果的に、こうして水島さんに手伝わせている。困らせている。


・・・更に最低な事に、私は今、自分の近くに水島さんがいて、私の仕事を手伝ってくれるという事が、嬉しいなんて感じてる・・・。

現に事務課には、私と水島さんの2人きり。


そう、それは私の狙っていた通りの出来事の一つ。


・・・でも・・・いざ、こういう場面になってみると・・・



(・・・最低だな・・・私・・・。)



「私、水島さんへのプレゼント、減らそうと思って・・・でも、全然ダメでした・・・私、仕事遅いから・・・

だから・・・なんか・・・結果的に、水島さんに仕事させてしまって、申し訳ないっていうか・・・あの・・・」



「・・・別に。」


短くそう言って、水島さんは、また背中を向けた。


「私は大丈夫です。気にしないで下さい。」


そう言って、自分のデスクに向かって歩いていく。


「・・・・・・・・・・・・。」


私も・・・


私も仕事しなきゃ・・・!



私と彼女のデスクは離れている。

人がいなくなった分、静かになった事務課にカタカタとキーボードを叩く音が響く。

会話は勿論無い。


彼女の背中を時々見ては、私もキーボードを叩く。

一心不乱に目の前の仕事を片付けていく。


「終わった・・・!」


私がそう言うと、水島さんは伸びをしながら言った。


「・・・ん〜・・・こっちもです。お疲れ様です。」


そう言うや否や、立ち上がり颯爽とロッカールームへ行ってしまう水島さんを私は引きとめた。


「あ、あの・・・水島さん!ごめんなさいっ!私、余計な事して・・・!」

「・・・本当に気にしなくていいですから。無理はしないで。」


かけられた優しい言葉が、更に罪悪感を誘う。


「ご、ごめん・・・なさい・・・」

「・・・えっ!?(ちょっ・・・!?な、何故泣く!?何?この後輩に何があった!?)」


「私・・・私・・・ッ!」

「あ、あの・・・お、落ち着いて・・・えぇと・・・(何?なんなの・・・?この後輩!?何があった!?)」


涙で、言葉が詰まる。

ごめんなさい、水島さん。私、自分の事しか考えてませんでした。

・・・そう言おうとしても言葉が出てこない。



”・・・ぽん。”


私の頭の上に、そっと温かいものが触れた。


「(なんか、もうよく解らないけれど)もう、仕事も終わったんですし、大丈夫ですから。」


水島さんの手が、私の頭の上をそっと撫でる。

2、3回触れただけの”ソレ”で私はまた言葉を詰まらせた。


水島さんが・・・あの水島さんが、私の頭を撫でてくれるなんて・・・。


「・・・・・・・・。」

「・・・・・・・・。(泣いてる後輩の女の子に対してどうしたらいいのか・・・これしか思い浮かばない私って貧相だな・・・。)」


私がぼうっとしていると、水島さんはなんだか気まずそうに横を向いた。

その横顔に、私は見覚えがあった。


「・・・えと・・・じゃあ、その・・・帰ります。お疲れ様でした。(変な女難フラグが立つ前にさっさと帰りたいしな・・・!)」

「は・・・はい・・・。」



「あっ・・・ああ・・・あと・・・アレ・・・」

「・・・・・え?」


水島さんが、妙にたどたどしく言葉を口にする。


「・・・あの、ありがとうございました・・・その・・・手伝ってくれて。(・・・よし。これで貸し借りは無しよね・・・。)」


きっと誰かはこう言う。なんて素っ気無いお礼の言葉だ、なんて。

・・・でも、その人は水島さんという人を知らないのだ。


「・・・そ、そんな・・・!」


(お礼を言うのは私の方なのに・・・!むしろ、手伝ってくれたのは水島さんじゃないですか!)


私はそれを言おうともしたが、水島さんはサッと背中を向けた。


「・・・お疲れ様でした。門倉さん。」


”・・・パタン。”


静かな事務課に私は一人でぼうっと突っ立っていた。

頭を撫でられて、ありがとうって言葉も貰えた。・・・名前も、呼んでくれた・・・。


(・・・嬉しいな・・・。)


でも、今日みたいな真似は、もう止めよう・・・。

きっと、また迷惑をかけちゃうから。



・・・私は私なりに・・・まだ出来る事がある筈。・・・そう思う事にする。



夢の中よりも、不器用で素っ気無くて、無表情な人。



 『私は大丈夫よ。・・・それよりも、ありがとう。門倉さん、仕事手伝ってくれて・・・。』

 ※注 門倉さんの中で確実に美化されていく水島さん。


・・・でも・・・やっぱり大好きです・・・優しい・・・水島さん・・・。




ロッカールームに入って、私は自分の財布を取り出す。

慰安旅行で唯一撮れた彼女の写真。


写真の隅で小さく、無表情の・・・横顔で映っている彼女。

なんとも水島さんらしい顔だと思う。



「・・・くすっ」



・・・だけど、私の一番好きな写真だ。





[ 水島さんは残業中3の2 門倉優衣子編 ・・・END ]



ーあとがきー


両者の間に多少の温度差がありますが、門倉さんなりに頑張っていただきました。(笑)

思い返せば、出番が本当にありませんでしたからね〜。

したたかに水島に迫ろうとした彼女の(なんか間違った方向にいってしまった)努力は認めてやって下さい。(笑)


そして結果的に、水島さんは己の首を己の手で絞め続けている事に全く気付いていません。

本当に根っから不器用というか、女難から逃げられない女なんです。水島という女は。