「いやぁ…なんかエロくないと阪野さんって感じしませんよね〜偽物かと思いました。」


正直な感想を口にしてしまった瞬間。

阪野さんの笑顔が凍りついた。


ぴくっと引きつった唇の端が、スッと下に降り・・・








「・・・何故、わかった・・・ッ!?」











(・・・え?)


あまりにも予想外な反応に、冗談ですよ、と言うのが遅れた。

しかし、今ならまだ冗談で流せそうだと、口を開きかけた私の胸にドン、という鈍い衝撃が当たった。



「あ・・・!?」


ジワリと胸の中心から液体が染み出し、漏れ出す。

それが、私の血液、だと気付くのに時間は掛からなかった。



(どうして・・・?)


意味が、わからなかった。

阪野さんが、私をナイフで刺すなんて…。



彼女は…笑っていた。




「時にその鋭さは命取りよ・・・水島さん。」





疑問を口に出来ないまま、私の意識は真っ黒に染まり、光が戻る事は永遠に無かった。








 ― BAD ED 『突然の死なんて聞いてないッ!!』 ―