}-->







私の名は…白石 茉子。

シンケンピンクとして、外道衆と戦い、平和を取り戻すため、殿様に仕え戦っている。

まだ結成して、日の浅い私達。


リーダー格である殿こと、シンケンレッド志葉丈瑠は、何でもかんでも一人でやろうと無茶するし。


シンケンブルーこと、池波流ノ介は、真面目なんだけど”殿命!”の殿馬鹿だし。


シンケングリーンこと、谷千明は、明るくてノリは良いんだけど、不真面目で殿とよくモメるし。



このままでは、いけない。


もっと私がしっかりしなくては…。



(一筆入魂…モヂカラをもっと…!)




思わず、筆を握る手に、力が入る。




「ねぇねぇ…何、難しい顔してるん?」




「・・・・・・・え!?」



私に声をかけてきた彼女は、シンケンイエローこと、花織ことは。

シンケンジャーになる為、ド田舎から出てきた可愛い子だ。



「もしかして、この間の戦いで…うちのせいで…怪我したトコ、まだ痛むん?」


そう言って、ことはは私の腕を優しくさすった。


「…え?ううん…大丈夫、大丈夫よ。」


ことはが不安そうにこちらを見るので、私はニッコリ笑って、ことはの頭を撫でる。

なんだか・・・年が近いのに子供みたいでカワイイ。



「そっか…良かった…でも、うち、もっと修行頑張るから。強くなるから。」


「ええ、私も頑張るわ。」



ことははいつも純粋で一生懸命…。それでいて、可愛い。


・・・それにひきかえ・・・。



「殿ーっ!この流ノ介、殿の為に全身全霊をかけまし…」


「うるさい。黙れ。」


「・・・けっ・・・偉そうに。何が殿だよ…俺、ゲーセン行こっと♪」



他の3人は…いつも通り、ドタバタしている。



(…ホント、この子だけは…他の馬鹿と違うわ…。・・・かわいいし。)



「…うち、殿様の力になれるように、もっと頑張らんと…。

 勉強も、竹細工もダメやったうちには、笛と剣しかないんやから。」



ことはは、殿の後姿を見ながら、木刀を握り締めて、そう言った。

体の弱い姉の代わりに、シンケンジャーになったことは。

剣と笛以外はからっきしだったという、ことはにとって…シンケンジャーである事は、誇りなのだ。



だから、彼女は、努力を惜しまない。


その心に、私は強く感動した。



・・・が。



殿は相変わらず、流ノ介にならともかく、私達にとても素っ気無い態度をとる。


『さては、ヤツはツンデレか?』だなんて、千明は笑いながら言っていたら、彦馬さんに殴られた。



しかし、殿の強さは…認めるしかない。

だから、家臣である私達は、ひたすら修行して、力をつけていくしかない。




・・・だけど、たまには・・・。




「ことは…頑張ってるじゃない。」


…たまには、褒めてあげなくちゃ。


私がそう言っても、ことはは…俯いたまま、静かに呟き続ける。



「…まだ…まだ、足りひん…うち、皆の足引っ張りたくないもん。」


ことはは、純粋過ぎる。

だからこそ、私は心配になる。



(力不足は…私も同じよ、ことは。だから、独りで思い詰めないで。)



だから、私がことはにかけられる言葉は…。


「…じゃあ、ことは…私と一緒に頑張りましょ?

 そうよ、一緒に修行しましょう。教えてあげられる事は教えてあげるから。」



「・・・・ええの?」



「勿論よ。仲間じゃない。」



私がそう言うと、ことはは嬉しそうに笑ってくれた。


「…ありがとう!」




(・・・うっ!その、笑顔は・・・!)


「・・・・・・こ・・・ことは・・・!」


(・・・か・・・・・・・かわいい・・・!)




私は、ことはの…この笑顔に弱い…。




だって…この子…可愛過ぎるんだもの…ッ!

だって…だって…こんな子、都会にいませんよッ!?

姉の代わりに、田舎から一人で出てきて…何かと心寂しいだろうに…!


なのに、こんなに健気に一生懸命頑張って…


いいのよ…!


甘えていいのよ!私がついてるんだからね!ことは!


いっそ、好きになっていいのよ!(?)




私は思わず、筆を置いて、ことはをぎゅっと抱き締める。


「わっ!?…な、何ー?苦しいってー…あはは…」


「いいから、しばらくこうされてなさいっ」


「えー?なんでー?」




私はぎゅーっと抱き締めて、ことはに伝える。





”貴女は、一人じゃない。私がいる”って。




言葉だけが、想いを伝える方法じゃない。

思いは、言葉や字でも伝わるけれど、こうして、体を使って伝える事も出来…



「…えへへ…あんなぁ…うち…茉子ちゃんの事好きっ♪優しいし、もう一人お姉ちゃん出来たみたいで…」



上目遣いで、はにかみながら、ことははそう言った。







    ”…ピシっ!” 



※ 茉子さんの何かの封印が解けた音。






「・・・こ・・・ことは・・・!」




・・・キタ・・・!



・・・キタコレ・・・!!




キタわ・・・キタわよ・・・!





ことはの”想い”確かに、この茉子に…キタわよ…!!




つーか、もっと・・・・キテも良ォ――しッ!!!


 ※注 ことはの後半の台詞(お姉ちゃん〜のくだり)は脳内で自動的に編集カット済。




そして、私はその想い…しかと…受け取ったわッ!

あ…なんか流ノ介っぽい自分にショック…いや、そうじゃなくて!!




ことはは私が好き…!






私も…私だって…す…すす…す……あ゛ーッ!!



 ※注 興奮のあまり脳内で叫んじゃった茉子さん。




「んー?あ、そろそろ、修行する?」


「ことは・・・今晩から、私と一緒に寝よっか?」


「…ん?別に、ええけど?急になんで?」


「ん?え?うん、ほら…あの、寒いし…まだ寂しいでしょ?一人で寝るの。」


「ん?別に…うちは平気…」





「よし!じゃあ今夜から、一緒に寝ましょう!」(聞いちゃいねえ)




「あ、うん。茉子ちゃんがそない言うんやったら、うちは、別にええけど・・・。」(流される素直さ)





こうして、茉子の”じっくりコトコトことはを煮込んじゃうぞ大作戦”が、幕を開けたのでした。





「殿ッ!宜しければ、今夜からこの流ノ介が、殿の添い寝を」

「断る。そして、出て行け。」



「殿ーッ!!(泣)」







 ― END ―





あとがき


『…フラグ、立ったどー!(茉子さんがことはを”ぎゅ♪”しただけ)!』記念です。


・・・ホント、イイものを見ました♪


宜しければ、皆様もシンケン見てみてはいかがでしょうか?(笑)


このネタの続きは割とWEB拍手ネタ中心に細々と行っています。

宜しければそちらもどうぞ。



あと、関西弁ってよくわからないです。苦手かな・・・(苦笑)