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私の名は…白石 茉子。

シンケンピンクとして、外道衆と戦い、平和を取り戻すため、殿様に仕え戦っている。


日々鍛錬。

厳しい戦いを生き残る為には、それに尽きる。

夢は捨てても、命は捨てない。


外道衆 ズボシメシは、自分が言われて最も傷付く言葉を言う悪口攻撃を得意とする。


誰でも、言われて傷付く言葉はある。


『おちこぼれ』『ファザコン』『うそつき』




・・・・・・・『一生独身』。





・・・うぅ・・・・朝7時半の爽やかな時間帯に何言ってくれるのよ・・・!

今度シンケンジャーショーとか出たら、子供から言われちゃうじゃないのよ…ッ!

俺がもらってあげるとか余計なフォローメッセージ貰っちゃうじゃないのよ…ッ!



解ってる…解ってるわよ…ッ!!




でも、仕方ないじゃない!


日本では『同性婚』認められてないんだから――ッ!!(叫)




  ※注 茉子さん、そういう意味で傷付いてました。






・・・いいわよ、別に。見てなさい・・・!

私…ことはと海外行くから・・・式だけ挙げて帰って来るわよ・・・ッ!!

・・・いや、その前に初夜的な事も




※注 しばし、お待ち下されッ!!!




まあ、ズボシメシのヤツは、きっちり倒したし…。

今日も、私は雑誌を見つつ、ことはを見守り(盗み見)ましょう。



「千明〜待ってー湿布ー…あうっ!」


(・・・あ、ことはがまた転んだ・・・。)


ことはが、また手作りの湿布を作って、千明に渡そうと部屋を走り回っていて、転んだ。


「あ〜ぁ・・・何やってるんだよ。この程度、大丈夫だって。」


千明が、稽古中に腕を擦りむいたらしいが…当の本人はケロッとしている。


私はことはが、ドジをする度、助けたり、手を貸したりは、あまりしない。

ことはならば、転んでも一人でちゃんと立ちあがれる、と私は信じている。


流ノ介みたいに『侍の子は、何度でも己の力で立ちあがるべきだ〜!』…とかそういうんじゃないけど。


ことはは自分のすべき事を知っているし、それに向かって精一杯頑張っているのだ。

だから、今は手を差し伸べず、見守る事が大事。

彼女が困った時は、勿論・・・手のみならず全て差し伸べていくけれどもね!


・・・ていうか。


ことはは転んでも可愛いし・・・立ち上がる時の”ぅんしょ”が、もうたまらな



※注 しばし、お待ち下され!!





(まぁ・・・かくいう私も、ことは見習って頑張らないとね・・・。)


そう思いつつ、私は本のページをめくった。


”がしゃーん!”


・・・今度は大量の湿布?の入ったボウルを、ことはが盛大にこぼした。


…というか…その量は、湿布何枚分よ…


もう…


そういう所がたまらないのッ!!キュンとするのよ!

ことは!貴女、とんでもないものを盗み続けているのよッ!?

『それは私の心です!』…って、皆まで言わせないでッ!!もうッ!!


大体その湿布…貼られるよりも…私が…むしろ私自身が湿布になって、ことはに貼






  ※注 あーぁ・・・しばし、お待ち下され〜ぃ。






ふう・・・ちょっと、心の中でエキサイトしちゃったわ・・・




「あー・・・またやってもうた・・・」


「あ〜ぁ・・・おーい。黒子ちゃ〜ん、手伝ってくれよー。」


珍しく…千明が率先して、ことはに手を貸している。

さすがに、今回の事で反省したのね。

ことはにもちゃんと謝ったみたいだし。感心感心…。



「千明、ごめんな。うちのせいで…」


雑巾を手にことはがそう言うと、千明は照れくさそうに雑巾を指でクルクル回しながら言った。



「あのなぁ…そのすぐ謝るの止めろよ。こういう時は、ありがとう、でいいんだよ。」


「千明・・・ありがとう。」


(・・・あら、千明、たまには良い事言うじゃない。)


当初、私は・・・微笑ましくそれを見ていたのだが・・・


「あぁ…そや。千明には、もう一つ、ありがとう言わなあかんなぁ…」

「ん〜?」


「この間の戦い終わった後・・・おぶって運んでくれたやろ?」

「あぁ…別に。いいって、あの程度。何度だって運んでやるよ。」


(…そうそう。出来れば、私が運びたかったけどね。…いいもん、別に〜。

 羨ましくなんかないわよ〜だ。…ふ〜んだ…ふ〜んだ…)


「ありがとー優しいなぁー千明は。」

「いや、ことはは良いヤツだよ。俺の剣、真っ直ぐで好きだって褒めてくれたからな。」



(・・・・・・・・・え?今、何て言った?)



「うん!一緒に頑張って、強くなろな♪」

「ああ!んで、俺は…丈瑠をアッと言わせてやるんだ!」



「・・・・・・・・・・・・。」


……え〜と……これ、まさかの…あれ…?おっかしいわねぇ…気のせいかしら…?

千明とことは……あれ?もしかして…いやいや…そんなまさか…



「聞いたか?茉子よ…!千明とことはの仲睦まじい・・・あの会話を!

 仲良き事は美しきかな…これこそ、侍の団結だ!!・・・ま、茉子?どうした?」


流ノ介の言葉に、私の顔は凍りついていた。


「・・・・別に・・・。」




その日の夜。



廊下を歩いていた私に、流ノ介が話しかけてきた。


「・・・ん?茉子、シンケンマルなんか持ち出して、稽古か?感心だな。」




「・・・ああ、ちょっと千明の首を獲りに行くのよ。」



私は、そういい残して、真っ直ぐ歩いていった。

流ノ介は相変わらず、ニコニコしていた。


「おおっ!そうかそうか。それでこそ侍だッ!!感心感心…

いやぁ、そうかそうか…茉子が、シンケンマルで、千明の首をなぁ………」




・・・・・・・・・・・・・・。





「茉子ーッ!!殿中だ!殿中でござる―ッ!!」


「離して!離してよ!電柱だか、電王だか知らないけど、武士の情けよーッ!離してーッ!!」


「落ち着け!な、何があったというのだ!?」



「・・・・ふ・・・。」

「ふ?」



「ふ…フラグが…ッ!!見えないフラグが―ッ!認めないッ認めないわよーっ!(泣)」


「な、何の話だ!?どうした!?茉子!しっかりしろ!!」




この後、流ノ介は、黒子さんと3人がかりで茉子さんを止め…

最終的に、お風呂上りのことはが通りかかった所で、茉子さんはやっと止まりましたとさ。


…それから…1時間後。


「茉子ちゃん…疲れてるん?それとも…どっか、具合悪いんちゃうん?」


そう言って、心配そうに私の顔を覗き込むことは。


「あー…うん、そうかもね…。」


私は、布団に横になると、ことはに背を向けた。

・・・と言うか、ことはの顔が見られない・・・。


言えないわよ・・・勝手にヤキモチ焼いて、仲間の首獲りに行ったなんて・・・(泣)


「・・・うちに何か・・・できること、ある?」

「…あ―…いや、そういうんじゃないの。大丈夫。」


…とはいえ、ことはの視線を痛いほど、背中に感じる。

適当に、誤魔化そう…。


「…え〜と…身体だるいだけよ。寝てれば、大丈夫だから。」

と私が言った途端。



「…あかんっ!風邪かもしれへんやんかッ!」


と言うが早いか…ことはは私の前に回り込み…そして、私の額に自分の額をつけた。

凄く…凄く…使い古されたイベントだけど…思わぬ至近距離に…私は言葉を失った。



「・・・熱は・・・・・・無いけど・・・なんやろ?…茉子ちゃん、気分悪い?」

 
「・・・・・。(首をふっている。)」



・・・いいえ、ことは。・・・むしろ・・・絶好調よ、私・・・!!



「うちに出来る事あったら、何でも言うて。」


・・・なんでも・・・。

なんでもって言ったら・・・何でも・・・よね・・・。


私は…沸騰しきった頭をなんとか、回転させて…思いついた言葉を口に出した。


「・・・・・・・・・て・・・。」

「ん?」





「・・・あ・・・頭、撫でて・・・。」





口から出たのは・・・なんともショボイ願いだった・・・。


だけど、ことははにっこり笑って「うん、ええよ。」と、私の頭を優しく撫で始めた。


温かい掌に安心する。

…小さい頃、こんな風に撫でてもらったっけ…。

自分もいつかこうやって誰かに、と思っていたけど…まさか、年下のことはにされるとは…。


「うちのお姉ちゃんも”ことはは撫で方上手いね”って言うてくれたんよ。」


「うん…わかる気がするわ…。」


でも、たまには…いいか、と私は目を閉じた。



― おまけ ― 



流ノ介「さあ!言え!お前は茉子に何をしたんだ―ッ!!」

千明「何もしてねえよッ!寝かせてくれよッ!」



END





  [ おまけ ]





ことは:「うっわ〜…良い天気やなぁ〜♪あっ!ここの公園、大っきい池があるんやなぁ♪」


茉子:「ちょっと、走るとまた転ぶわよ〜。」




ことは:「・・・・あっ・・・」


”ガッ!……バッシャーン……”




茉子:「…ことはーッ!?ことはが池に落ちたーッ!?」




”…プクプク…”


茉子:「ちょ…浮かんでこない…!?…こ、ことはッ!ことはッ!…仕方が無い…池に飛び込んで助けるか…」


”ざばあ…”


茉子:「…!?」


???:「…こんにちは」


茉子:「…い、池から人が!?…げ、外道衆!?」


???:「…私は、池の女神です…。



 今、貴女が落としたのは…この”誘い受けことは”ですか? それとも ”鬼畜攻めことは”ですか?」




茉子:「・・・は・・・・?」



ことは(誘い受け):「茉子ちゃーん…水で服、濡れてしもうて、乾かすの手伝ってぇー…」

ことは(鬼畜攻め):「…茉子ちゃん、ちゃあんと…うちの目、見て選びや…後で可愛がってあげるから。」



茉子:「・・・・・・・・。」



???:「さあ、どっちですか?」



茉子:「・・・いえ、ことはは、自分で落ちたんで。あたしが落としたわけじゃ…」



???:「どっち?」


茉子:「・・・いや、どっちでもないです。どっちもなんか微妙です…。」




???:「貴女は、正直者ですね!…では、3人のことはを差し上げましょう…」




茉子:「・・・え・・・?いや、ちょ、ちょっと・・・多い!3人は多い!…いや、待って…


 それはそれでプレイに幅が…いやーッ!?何言ってるのッ!あたしーッ!!」






ことは×3「「「茉子ちゃあ〜ん」」」





茉子:「…いや…これは…これで……いやっほーぅ!パ〜ラダイス!!」













 茉子:「・・・という夢を見たの。だから、池の周りで走っちゃいけません。」


 ことは:「はい…うち、気をつけますッ!(あんま、意味わからへんけど…)」


 茉子:「よろしい。」







 丈瑠:「・・・じい、弓矢を持てい。」

 彦馬:「…殿、お気持ちは解りますが、なりません。」




  ・・・END・・・







 ― あとがき ―


 ・・・はい、いつも通りにフザケマシタ〜。

WEB拍手では、こういうネタばっかりやってますね…うんうん。

潔く……スイマセンでしたーっ!!

あと『え?あれ…鬼畜攻め誘い受けっていうの?』ってツッコミは無しで(笑)