[夢オチ物語]



巴里華撃団 紅姫 特別編。 〜月代 葵の夢〜



「アナタ〜」


う〜ん…


「アナタ、起きて♪」


う、うん…?ロベリアさん?


ロベリア:「んもう♪お寝坊さん♪」


・・・ど、どうしちゃったんですか!?サフィール声全開で…!

な、何か、悪いものでも食べました?



ロベリア:「ウフ♪起きて、会社に遅れるわよ?」


・・・・・・・・・。


ロベリア:「どうしたの?アナタ。」


『…あの、ロベリアさん…どうして『裸エプロン』なんですか?』


ロベリア:「…やだ、アナタが着ろって言ったんじゃないの・・・・エッチ☆」


・・・だからって・・・裸エプロンにチェーンは合わないと思うんですが・・・。


ロベリア:「もう、甘えん坊さん…おはようのキスが無いとおきられないのね?」


『人の話を聞いてください。』


…つーか、誰ですか?何キャラ?


「失礼する!!」


…はい?


グリシーヌ:「父上!母上!おはようございます!」


グリシーヌさん?随分小さいですね…子供のように……って…父上って…母上って…誰の事?


ロベリア:「あら、おはようグリシーヌ♪」


グリシーヌ:「今日も母上と父上は、仲がよろしいのですね。 私は、お二人の間に生まれて良かった!」


…チビグリさん…小さくてもそれっぽいですね…


ロベリア:「もう…グリシーヌったら♪6歳になるとホントしっかりしてくるわね♪」


6歳!?6歳で、あの貫禄はおかしいでしょ!?


ロベリア:「朝食用意してあるわよ。先に降りてらっしゃい」


グリシーヌ:「はい!母上!」


…し、新鮮な…会話のやり取りだわ…!!


で…


必然的に、私父上決定ですね…


ははは…そして、チビグリさん出現で、これ”夢”だって決定ですね!



あっはっはっは!


・・・夢よ、覚めろ・・・。




ロベリア:「あ・な・たぁん♪」


『…お願いですから、キャラを元に戻して下さい…(泣)』


ロベリア:「今日は何の日かご存知?」


・・・なんか、当てたくないけど・・・霊力があるぶん、勘だけは、夢の中でも冴えてるみたい…



『け、結婚記念日…?』


ロベリア:「覚えててくれたのね♪大好きよっアナタ♪チュ☆」


『・・・だから、さっきから何キャラなんですか?あなたは。』


ロベリア:「さ、早く起きて。アナタ♪今はアタシよりご飯よ♪」


『・・・お願い、私を現実の世界へ帰してぇ・・・(泣)』



まだ、目が覚めないようね…朝食食べたら、そこらへんで”粉骨砕心”(必殺技)でも使ってみるか…。


グリシーヌ:「父上!」


…元気いいな…声が大きいというか…


『な、なんですか?グリシーヌさん…』


グリシーヌ:「私の誕生日プレゼントの件なのだが!」


『はあ、なんでしょうか?』


グリシーヌ:「変更しても良いだろうか?」

ロベリア:「あら、新しい斧じゃなくて良いの?」


『子供に何、買い与えようとしてんですか?』


ロベリア:「アナタ、はいコーヒー♪」


『ああ、どうも…』

ズズー…




グリシーヌ:「父上!私は”妹”が欲しいのだが!どうだろうか!?」




『ブフフ―――――ッ!?…っゲホゲホゲホゲホ!!!!』



ロベリア:「まあ、グリシーヌッたら…☆…どうしましょうか?ア・ナ・タ♪…ウフ♪」


『…ど、どうしましょうって…私達女同士ですよ!?…それから、人の腕に指で”の”の字書くのを止めて下さ…』



ロベリア:「う…!?」

グリシーヌ:「母上!?」



・・・・・・・・・・・・・。




ロベリア:「オエー…ゲホゲホ!?」



・・・・・・・。



グリシーヌ:「大丈夫ですか!?母上!」

ロベリア:「ええ…大丈夫よ…それよりア・ナ・タ♪……………私デキたみたい♪」


『ははははは、そりゃあ何よりですね…

 現実も時間も倫理すら、何もかもすっ飛ばして! 元気な妹、ご懐妊ですか!あははははは!!(ヤケクソ)』



グリシーヌ:「本当か!?やったー!妹だーっ!!!」


ロベリア:「来年のプレゼントになってしまうけど…いいの?」

グリシーヌ:「構わぬ!父上!名前は私がつけて良いか!?」


『はいはい、どうぞどうぞ。(泣)』


ロベリア:「…頑張った甲斐があったわね…ア・ナ・タァン♪」


『…頑張ってない…頑張った覚えなどありませんから……ロベリアさん、頬を染めてこっちを見ないで…(泣)』 



グリシーヌ:「コクリコ、はどうだろうか!」

ロベリア:「まあ♪かわいい名前♪」


『うんうん、良いんじゃないですか?大体、レギュラーメンバー集まってきてるみたいですしー(自棄)』



”ピンポーン。”


迫水:「社長、お迎えに上がりました。」


『・・・さ、迫水さん!?やめて下さい!そんな…!!』


迫水:「はっはっは…社長、ただの運転手にそんな気を使わないでください。」


『…は、はあ…』

(遣うよ…上司に気は遣うよ…)


花火:「社長…今日は予定がたくさん入っております。」


『…あ、花火さん!…秘書ですか…なんだろ、ホッとする。』


ロベリア:「アナタ、いってらっしゃい…”3人”で、待ってるわね?」

グリシーヌ:「お早いお帰りをお待ちしてます!父上!」


『行ってきまーす・・・なんだろう、もう慣れてる自分がいて、怖い・・・。』


迫水:「どうぞ、社長、お車へ」


『…うう、偉い人にこんな事…』


花火:「社長…奥様、妊娠されたのですね?」


『ええ、朝起きたら、突然ですよ…ははは…』


花火:「…社長!私は、私はどうすればいいんですか!?」


『え?・・・ま、まさか・・・!』


花火:「社長の秘書として、愛人として、身も心も捧げてきたのに!…奥さんと上手くいってないなんて…うそつき!」



『………私、夢の中でどんなキャラなんだろう…』



花火:「…でも、私わかってるんです…奥さんには敵わないって。」


『結論出てるんなら、最初から私を責めないでください…』




花火:「私、実家に戻って…酒屋を継ぎます…」


『…ええ…もう、ご自由にどうぞ…。』


花火:「私、忘れません…社長との秘密会議の数々…」


『お願いですから、忘れて下さい。』


迫水:「社長!緊急通信です!キネマトロンを」


『はいはい…なんでしょうかね…会社倒産かなー?(自棄)』


「月代社長!奥様が破水しました!!今すぐ病院に!」


『…夢って、ホントすごいよな…すみません、迫水さん…なんかそこら辺の病院に行って下さい。そこら辺で。

 …もういっそ、病院じゃなくてもいいです。』


……やれやれ、ここまで来ると、エリカさんが、どこで出てくるのか楽しみになってきたな…


シー:「あ、旦那さん!」

メル:「こっちですよ!」


『あ、メル・シーは、看護婦さんかぁ……ん?』


エリカ:「あ、旦那さ〜ん!奥さんは今、非常に危険な状態なんです!腹かっさばかないと、母子共に危険ですよ!エリカが執刀しますから、安心して下さいね♪」



『誰かー!この医者は危険だー!!すぐに代わりの人を!!!!』



ロベリア:「あ、アナタ…!」

グリシーヌ:「父上!母上が!!」



…ほ、ホントに臨月になってる…!!


『あ、はいはい…手握ってるから落ち着こうね…すぐ生まれるよー…』


…この分じゃ5分後には、グリシーヌさんの成人式までいける勢いだなぁ。


エリカ:「神の元に、送って差し上げますからね♪はい、ガブリエル♪」

メル:「はい。」


『それじゃ死ぬ!というか、殺す気だろ!!』


メル:「あ、エリカ先生、アタマ出てきました!」

シー:「お腹切らないで済みましたね♪」


『…あの、それ完全なる誤診ですよね!?それから、マシンガンでは、腹かっさばけませんよ!?』


エリカ:「では、頭引っ張りましょう。」


『オイオイオイオイ!!やっぱり殺す気ですかい!?』


…ん?出てるのは…コクリコのアタマ…?



「…ウーサッサッサッ…ぴょん…」




 ”ぷち” (葵の何かが切れた音)





『・・・その頭を戻せえええええええええ!!!!』




エリカ:「何言ってるんですか!?アナタのお子さんですよ!?」


『どう見ても、ウサギの耳が出てるのに、私の子なわけがないでしょ!?怪人シゾーだよ!シゾー!!戻せ!!生ませるな!!!』


グリシーヌ:「父上!コクリコを助けて!」


『父上言うなああああああ!それにコレは、コクリコじゃない!!』


ロベリア:「アナタ…私達の子供よ…!」


『アンタもどうやったら、ウサギ懐妊できるんですかっ!?』


花火:「社長!私やっぱり、アナタの傍で第一秘書がしたい!!」


『やかましいわっ!!黙って、酒屋継げやあああああ!!!』


エリカ:「よいしょっと♪フーおめでとうございまーす☆」


『生まれちゃった・・・(泣)』




コクリコ:「えへ♪驚いた?おとーさん♪ホラ、ウサ耳バンド♪」



『紛らわしい上に…いきなり成長してるし…』


グリシーヌ:「妹!妹だ!!」

ロベリア:「まあ、かわいい…アナタにそっくり♪」


『いえ、私じゃなくて、元からコクリコは、コクリコ似です・・・』




グラン・マ:「お待ち!」



ロベリア:「お、お義母様!?」



『ああ…またややこしいのが…』


グラン・マ「また、女を産みやがったわね!?長男はいつなの!?シャノワール株式会社の跡取りはどうしたの!?ロベリア!」



『ああ、今度は嫁姑バトルか…大盛りで結構だねぇ…ははは(壊)』


ロベリア:「そんな…お義母様…この子は、私と葵さんの子供です!男だろうと女だろうと関係ありません!」


『うん、その前に、女の私と女のアナタの間に、子供が出来るかどうかを考えましょ?ね?

 それから、いい加減キャラを元に戻して!ね?ロベリアさん!』



グラン・マ:「まあ!?この嫁は!葵と出来ちゃった結婚して財産盗った挙句、あたしに逆らうというのかい!?」


『そ、そんな設定だったんだ…この夢…』


グリシーヌ:「父上!母上がいじめられています!」

『うん、そうだね…あり得ないよね。』


コクリコ:「お父さん!助けてあげてよ!!」

『…お母さんの方が強いんだけどなぁ…』


エリカ:「パパ!ママを守ってあげて!」

『アナタは、身内じゃないでしょ。』


花火:「お父様!見損ないましたわ!」

『いいからアナタは、地元帰って酒屋継ぎなさいよ。』



グラン・マ:「ホラ、ハッキリ離婚届をつきつけてやりな!葵!」


『え゛…?』


ロベリア:「アナタ…」

グリシーヌ:「父上…」

コクリコ:「…おとーさん…」

エリカ:「パパ…」

花火:「お父様…」




・・・・みんな・・・・・。


『…グラン・マ…たとえ夢でも…私は、隊長として、この人達を護ると決めました。 だから、アナタのその命令には従えません。』


グラン・マ「お、お前まで…嫁の味方になるの!?私を…捨てるのかい!?親不孝者!!」


『いや、グラン・マから生まれた覚えありませんし。』


ロベリア:「ああ…アナタ…!!」

グリシーヌ:「父上!!」

コクリコ:「おとーさん!!」


『うん…帰ろうか、我が家に。』


エリカ:「パパ!」

花火:「お父様!」


『…ドサクサに紛れて、二人とも、私の娘にならないでください。 設定、違うでしょ。』


ロベリア:「ああ、愛してるわ、あなた…」

『はいはい…私もよっと…』


エリカ:「ヒューヒュー!熱いねー!ホラ、キッス!キッス!」

『お願いですから、アオリ文句で、はやし立てないでください。』


花火:「アツアツですよー」

『だから、貴女はとっとと、酒屋を継いで…。』


グリシーヌ:「父上…私、必ずや父上のようになります!!」

コクリコ:「ボクも!!」


『…ま、まあ頑張って下さーい…』







・・・・・・あー・・・疲れた・・・・。













「葵さーん?随分ぐっすりですね〜」

「先程から、うなされていたが、大丈夫なのか?」

「なんか、笑ってますね…ホッとしたように…」

「…さっきはね、しきりにボク達の名前呼んでたんだよ?」

「ああ?どんな夢見てんだよ…コイツ…」




『うう…ロベリアさん…裸エプロンにチェーンは…その声はやめて…』


「…な、なんだって?アタシが裸エプロン!?」


『グリシーヌさん…私を父上と呼ばないで…』


「な、何故私が、葵を父上と…!?」


『花火さん…黙って実家の酒屋継いで…』


「私の実家が…酒屋?」


『コクリコ…ウサ耳つけて遊ばないの…』


「ボクに…ウサ耳…?」


『エリカさん…』


「あ、あたしは何ですか!?葵さん!」


『・・・病院に帰れ・・・。』





「「「「「・・・・・。」」」」」




―この後、月代 葵は、叩き起こされ、2時間以上、夢の説明をさせられた―





END

あとがき

2009.11.27修正。

THE・夢オチ!夢なんだからなんでも出来る!諦めなければ出来る!出来る!!