ひととき
女王陛下主催にて、守護聖・教官・協力者、そして女王陛下・補佐官、女王候補生というメンバーでパーティーが開かれた。
商人チャーリー以外全員、女王命令の強制参加というものであった。
数名乗り気ではない者もいたが、パーティー自体は何の問題もなく開かれた。
食事らしい食事も終え、それぞれが会話を楽しんでいる。
ジュリアスやオスカー、ヴィストール、エンストはグラス片手に、何やら難しい表情で話をしている。
クラヴィスはリュミエールと共に窓際で静かに外を眺め、少し酔いが回っているように見えるオリヴィエはセイランを楽しそうに構っていた。
その中で、監視付きにもかかわらずアルコールに手を伸ばす年少組に対し、多少気付かない振りをしながらも、しっかりとマークを忘れないルヴァは、一角の華やかな空間を時折盗み見していた。
それは、女王陛下・補佐官・女王候補生の、女性のみで談笑している空間。
何やら楽しそうに話している4人を気にし、盗み見しているのは実はルヴァだけではなく、出席者のほとんどが何となく入れない雰囲気に圧されて、半ば仕方なくそれぞれで飲んでいるのであった。
「いいなあ〜、すごく楽しそう」
残念そうに言うのは、緑の守護聖マルセルである。
マルセルは少女のような可愛らしい外見で、例え今その輪の中に入ったところでわかりはしないだろう。
そう本人に言ってしまうと、怒るに決まっているのであえて口には出さない。
「そうですね。皆さん、とても楽しそうですね」
にっこりと嬉しそうに言うのは、品性の教官ティムカである。
身についている礼儀正しさと品位に満ちた物腰は、最年少であることをいつも感じさせないどころか、疑いたくなるものだ。
「んな、微笑ましく言えっか?アレ」
横目で見て、うんざりといった感じで吐き捨てているのは、鋼の守護聖ゼフェルである。
彼は先程から、教育係になってしまっているルヴァの監視を、いかにすり抜けて心置きなくアルコールを手にできるかと、思案中である。
「いいじゃないか、女の子って感じでさ」
何の意義もないという顔で言うのは、風の守護聖ランディである。
年少組のお兄さん的役割の位置に、自ら喜んでいう彼はとても面倒見が良い。
「花が咲いたって、感じだよね」
ジュースを両手で持ち、本人も充分花を咲かせているのは、占い師で協力者のメルである。
彼こそ、外見では性別の見分ッが出来ないであろう。
少女たちは、そんな彼らの視線をも、気にせずに会話を弾ませている。
そこは可愛らしい花が咲き誇っているかのように、華やかである。
「本当に・・・女王陛下も、楽しそうですねぇ」
のんびりとした独特の口調で、地の守護聖ルヴァは言う。
宇宙を治めるべく、下界はもとより聖地に至っても人前には出ることはほとんどない、女王陛下という立場。
前回の女王候補生としてこの聖地を訪れ、試験により見事女王の座を受け継いだ、現女王アンジェリーク・リモージュ。
その彼女とて、元は普通の女子学生だったのだ。
こうしていると、女王陛下なんて見えないんですけどね・・・
が、それは女王陛下だけではなく、補佐官であるロザリア、女王候補であるアンジェリーク・コレットとレイチェルとて、今は同じである。
「ま、普段男ばっかん中にいるんだから、たまにはいーんじゃなあーい?」
「おやオリヴィエ、彼は?」
独り言のつもりで言っていた言葉を返され、振り向くと煌びやかな夢の守護聖オリヴィエが現れた。
彼とは、先程までオリヴィエが凝りもせず相手をしていた、感性の教官セイランの事である。
「ふられちゃったー☆」
「おや、そうなんですか?」
言葉とは裏腹に、楽しそうに笑っている様子につられて笑みがこぼれる。
ふと気がつき見渡すと、いつの間にか数名姿を消していた。
「でもあのコ達、結構飲んでるんじゃなあーい?」
「え?」
「ま、可愛いから許しちゃうけど!ふふっ」
そう言っているオリヴィエも、かなり飲んでいるように見えるのだが。
オリヴィエのその読みは確かに大正解で、男性陣に隔離された状態の4人は、心置きなく飲んでいた。
そして、かなり酔っていたのだった。
それはアルコールに不慣れな女王候補生アンジェリークを筆頭に・・・。
「随分と盛り上がっていらっしゃいますね?」
女の園に一番手に踏み込んだのは、炎の守護聖オスカーだった。
上司である光の守護聖ジュリアスなどの会話で阻まれていたがようやく、といったところである。
女王アンジェリークの元へと向かい、アイスブルーの瞳を細めて微笑む。
「ええ、とっても楽しいわ!」
オスカーの言葉に瞳を煌めかせ、少女の笑顔で返答する。そして
「ね?」
と言って、2人の女王候補生に同意を求める。
「はーい!!」
レイチェルと、女王候補生であり女王と同じ名を持つアンジェリークは、声を揃えて元気良く返事をする。
「本当に2人とも、仲がよろしいんですこと」
ころころと笑い、微笑ましそうにロザリアが言う。
酔っているな・・・・
上機嫌な少女らに、苦笑しながら確信する。
オスカーが密かに警報を感じていると、終始笑顔な女王候補生らが胸を張って言う。
「すーっごく、私たち仲良しなんですよ!ねっ、アンジェ」
「うん!!」
大きく頷き、張り切って見せつける。
それに応戦すべくロザリアの腕を掴み、負けじと見せつける女王。
「私たちも、とおーっても!仲がいいのよ?」
「へっ・・・陛下??」
「ねっ!」
突然の行動に困惑するロザリアを笑顔で押し通す。
「ええ・・・そうですね」
ビックリしたものの、この笑顔には敵わないとばかりに笑顔で返す。
「こんなにいい男がここに居るのに?つれないですねえ」
わざと大袈裟に悲しげな表情をしてみせる。
そんなオスカーの様子に笑いが起こり、楽しそうな少女たちを微笑ましく見る。
「だめですよー、オスカー様。私たちラブラブなんですから、邪魔しないで下さいー」
「そうでぇーす!」
完全に酔っている2人は、可愛らしくからみだす。
「ラブラブ?」
「はあーい、そうですよお〜?」
ふふふ、と笑って腕を組んでそのラブラブ度をアピールする。
「うふふふ・・・そうね、ラブラブだったわね」
そう呟いて、女王もしっかりと親友と腕を組む。
「まいったなー」
そう言うオスカーに勝ち誇ったように、面々は楽しそうだった。
そして、アンジェリークとレイチェルはおもむろに顔を見合わせ、満足そうに笑いあった。
「・・・何やってるの?あのコたち」
オリヴィエの呟きにふとルヴァが振り返り、視線の先を追う。
そして、一目散にダッシュをかけた。
「あ・・・ら・・・・」
「まあ・・・・・・・」
「・・・・・・・・・・」
さすがのオスカーも、絶句し思わず持っていたグラスを落としそうになる。
「うふふふー」
2人はそんな周りの様子を、気にすることなく満足そうに笑い合っている。
「ちゅうしちゃったねー」
「しちゃったねー」
そう、どちらからともなく見つめ合ったかと思ったら、キスをしたのだった。
まるで映画のワンシーンのように・・・・・
「あ・・・アンジェリーク・・・」
「あ、ルヴァ様っ!」
目撃し焦ってかけつけたルヴァに、満面の笑みで見上げるアンジェリーク。
「あ〜〜〜・・・かなり酔っていますねぇ!」
「ふえ?酔ってる??」
酔っていることもわかっていないのか、きょとんとして聞き返す。
が、何せ酔っ払いなのであるからして。
「そんなことありませーん!」
「やだあ、ルヴァ様ったら心配性―。きゃはははー」
何がそんなにウケるのか、2人ともルヴァの言葉を笑い飛ばしている。
いや、充分に酔っている!!
そう、会場内にいる誰もが心の中で叫ばずにはいられなかった。
「とっ・・・とにかく!立てますかあ?酔いを醒まして来ましょう。さあ〜行きますよおー?」
「ふえ〜?どこ行くんですかあ〜?」
脱力して仕方ない身体を、懸命に動かして、強引にアンジェリークを外へと連れ出す。
固まったままの他の者達は、そのままふたりを見送っていた。
心臓が・・・止まるかと思った・・・・
たとえ相手がレイチェルだとしても、かなり心臓に悪い事、この上ない。
「ルヴァ様あー?」
訳もわからず、半ば引きずるように連れてこられたアンジェリークは、自分の手を取って進むルヴァを何度も呼ぶ。
立ち上がってから気付いたが、足元もおぼつかなくふらふらとする。
まるで雲の上にいるような不安定さと、心地好さである。
「ルヴァ様ってばあー、聞いてますうー?」
「はいはい、聞いてますよー」
ようやく外へと出たところで、掴んでいた手を離し振り返り、アンジェリークの様子を見る。
とろんとした表情が何とも可愛らしいと思うものの・・・・・
「大丈夫ですかあ?」
「ぜえんっぜん、大丈夫でえーすぅ!!」
両手を上げ、満面の笑みで答えるアンジェリークに、はああーと、ため息が大きく出てしまう。
全然大丈夫、ではない。
「座りましょうか。危ないですから・・・」
危ういアンジェリークの様子に、芝生の方へと移動する。
が、アンジェリークは笑っているだけで、座ろうとはしない。
「座りませんか?アンジェリーク・・・」
「・・・ううーん」
首をかしげ、きょとんとした眼つきでルヴァを見つめる。
わかっているのかいないのか、ペースが掴めずに戸惑う。
すると、ふと天を見上げるアンジェリーク。
どうしたのかと、ルヴァも同じく天を見た。
「ルヴァ様あ〜。風が気持ちいいー・・・」
その声に視線を下ろすと、全身で風を感じているようにして両手を広げている。
満天の星空の光の下、照らし出された少女が天使に見えて、ドキリとする。
「まるで、天使ですね・・・あなたは・・・」
思わず、小さく呟く。
酔ってしまっている少女の耳には、届いていないから。
届かないとわかっているからこそ、口にするのだと思いつつも、口にしている自分も酔っているのだろうとぼんやりと考える。
「うにゃあ〜〜〜」
「アンジェリーク!?」
その声に現実に引き戻され、見るとアンジェリークはいきなりぺたんと、その場に座り込んだ。
いきなり崩れ、どうしたかとびっくりして駆け寄る。
「大丈夫ですか!?具合でも・・・」
「ううーん。ふにゃあってなったのー」
「・・・・・え?」
それでも楽しそうな笑顔に、真意が掴めずに困った。
「ふわふわしてて、とおーっても気持ちいーですよおー?」
「気持ちいいんですか?気持ち悪いとかは、ないですか?」
「はあ−い、ルヴァ様。うふふ、身体ぽっぽしてますぅー」
「そうですかー・・・」
びっくりした分だけ、ほっとした後の脱力感も激しく、足の力が抜けた感じがした。
慣れない女の子相手で、普段からどう接していいものか戸惑いの連続なのに、今アンジェリークは酔っていて予測不可能な行動に、どうしたらいいものなのか更に頭の中は混乱中だ。
いつも以上に振り回されている自分に苦笑しつつも、目の前の少女を愛しく感じている。
もう少しこのままで ―――――
せめて少女の酔いが覚めるまでと自分に言い訳をしながら、隣に座り込む。
「歩けなくなるくらい飲んでいたんですかー?」
「お酒なんて、飲んでませんよお?ジュースです、ジュースー!」
「きっと・・・それは、カクテルでしょうね・・・」
「?・・・飲んだことない、綺麗なのでしたよ?」
呟いたルヴァを覗き込むように見つめる。
ふたつの翡翠の宝石が、大きく目の前で瞬く。
「おいしくってー、いっぱぁい!いただいちゃいましたあ〜」
ルヴァの戸惑いをよそに、幸せそうに笑う。
「いっぱぁい・・・ですかー。帰るところまで考えて飲まないと・・・困りますよー?」
酔っているこの少女に言っても無駄なのはわかっているが、口に出してしまう。
あまりにも、無防備すぎて・・・
「困る?」
「はい、そうですよ?」
こんなに可愛らしく無防備でいたら、と考えただけで醜い独占欲が湧き出る。
ルヴァの言葉に、首をかしげて少し考えていたアンジェリークが、笑顔で答える。
「ルヴァ様ぁ?」
「はい?何ですか?」
「抱っこしてくださあ―い」
「はっ!?はいいい〜〜〜〜〜〜っっ!!??」
両手を広げて、おねだりをするポーズで、ルヴァへと向いている。
突然であまりのことに、後ずさりをして真っ赤になる。
「抱っこして下されば、大丈夫ですよー?ね?」
無邪気な笑顔で、そう言ってのける。
「・・・えっ?・・・あのっ」
「―――――ルヴァ様?」
「・・・はっ、はいっ!?」
自分の側から離れあたふたとしているルヴァを見る表情が、段々と曇り始める。
広げていた両手を下ろして、拗ねるような瞳で見つめる。
が、そんなアンジェリークを宥める余裕など、ルヴァにはない。
「ルヴァ様、嫌なんですね〜っ!」
「い・・・嫌?ちっ・・・違いますよー!!」
怒るアンジェリークに、慌ててロ定する。
疑いの眼差しで見つめてくる瞳が近づいてきて、離れていた距離を縮める。
「本当ぉーにぃ――?」
「はいっっ!!」
思わず力いっぱい答えてしまい、はたと我に返って赤面する。
しかし返答に満足したらしいアンジェリークは、機嫌を直し笑顔が戻っていた。
「うふふふ・・・なら、いーですぅー」
「はあ・・・」
普段から元気がよく、くるくると表情を変えるアンジェリークはとても愛らしいのだが、アルコールの力で増幅され、ルヴァの心臓はやられっぱなしである。
本当に・・・心臓に悪いとは、こういうことなんでしょうねぇ・・・・・
「ルヴァ様、ルヴァ様ぁ」
「はい?」
「ルヴァ様がぼや〜んって、なってますよぉ?あれ〜?」
アンジェリークはそう言って、身体を横に傾ける。
「え?ああ〜回っちゃってるんですねぇ」
ろれつが更に回らなくなってきていて、いよいよこれはさますどころではなくなってきている。
本当に「抱っこ」していかなければ、いけなくなってしまいそうだ。
「ううーん?」
傾いた少女の身体が芝生の上に届きそうになり、とっさにルヴァは腕を出し支えた。
「アンジェリーク?大丈夫ですか?」
そう言うと同時に、少女の身体はルヴァの腕の中にと、入ってきた。
肩を支えるだけ、と思っていたルヴァは頭が真っ白になり固まる。
自らルヴァの腕の中へ転がり込んできた少女は、にこにこと笑っていた。
「ア・・・アンジェリーク!?」
「えへへー」
満足そうに収まって無邪気に笑っている。
どうしていいかわからなくしているルヴァの手は、宙に浮いたままでいて、身体は凍ったように固まってしまっている。
「かお、あったかあーい・・・」
両手で頬を覆いうっとりとしている少女に、激しく鳴る自分の心臓の音が聞えてしまわないかと焦る。
すっぽりと収まっている少女の身体は見た目以上に華奢で、驚くほど軽い。
なのに触れている身体から、ぬくもりが伝わってとても温かい。
さらりと、微かになびく髪が香りを運ぶ。
「だ・・・大丈夫ですかー?」
あまりの近さに、めまいがしそうである。
淡い花の香りが、ふわりと甘い。
「うふふー。ルヴァ様ぁ・・・わたし・・・ここが好きなんですよぉ?」
「ここ・・・ですか?・・・そうですかぁ」
動く様子のない少女の言葉に、なんとか答える。
「はいー、だあーいすき。聖地に来て・・・良かったですぅ」
「そうですか?良かったですねえ・・・私もそう思いますよ・・・」
安心しきった表情で腕の中にいる少女。
良かったと思っていたのは、自分だ。
愛しい少女に出会えて、本当に良かった。
何度も何度も、心から感謝した。
居るというなら神に、あるというなら運命に――――――――
「ずぅ ――― っと・・・いたいなぁ・・・こうやって」
「・・・・・・・」
うっとりと言った言葉に、胸が軋んだ。
女王試験は、嫌でも終幕を迎える。
例えアンジェリークが女王に選ばれたとしても、否の場合でも。
ずっとは、いられない――――――
あなたなら・・・とても良い女王になるでしょうね・・・・・
それは一守護聖としての、評価。
明るく純粋で、慈愛に満ちた少女は、今数多くの惑星を生み、包んでいる。
天使の背中には、女王陛下としての未来の羽が大きく見える。
それでも、私は ―――――――
「アンジェリーク・・・・・」
すっかり大人しくなって、身を預けている少女の名を、愛しさを込めて口にする。
いつからか、願っていた。
自分の側にいて欲しい、隣で笑っていて欲しい。
ずっと・・・・・・・
ふわりと風が吹いた。
なびいた髪に、そっと触れた。
目を閉じている天使は、動かずにいる。
このまま、時が止まってくれたら・・・・・・・
そうですね・・・ずっと、このままでいたいですね・・・・・
「アンジェリーク・・・」
「・・・・・はい」
何度でも愛しい名を、口にしたい。
そう思って言うと、寝てしまったと思っていたアンジェリークが返事をし、ゆっくりとルヴァから身体を離して、向かい合うように座る。
真っ直ぐに向けられた瞳。
月の光と星の輝きで照らし出された、とてもきれいな天使がそこにいた。
眩しさと愛しさに、目が細まる。
吸い込まれるような感覚に陥りながら、目の前の天使の頬にそっと触れる。
「つめたい・・・」
アルコールの効果によっていつになく温かく、そして柔らかい。
アンジェリークは触れたルヴァの手に、自分の手を重ね、ルヴァの手の冷たさを確かめるように目をつぶる。
その仕草が、無邪気で可愛らしくて、とても愛しくて。
「・・・アンジェリーク」
「はい・・・」
アンジェリークの声は、優しいトーンでとても耳に心地好かった。
優しく幸せそうな表情の天使は、あまりにも儚い感じがした。
時が止まる―――――――
そのまま顔を引き寄せ、触れるくらいの口づけをする。
ふわりと優しい風が、通り過ぎた。
温かく、切ない余韻を残して、ゆっくりと離れた。
「・・・・・・・」
「・・・・・・・」
両肩を支えた手を、離そうとしてふと気付く。
「・・・・・アンジェリーク?」
「・・・・・・・」
目を閉じたままで、動かない。
「・・・寝て、るんですか?」
覗き込んで小さな声で尋ねると、アンジェリークは小さな小さな寝息で返答した。
あどけない寝顔。
「おやすみなさい、アンジェリーク・・・」
再び腕の中に引き寄せ、ささやく。
深呼吸をして、ふと恥ずかしさと罪悪感から慌てて周りを見渡した。
静寂の中、ルヴァは天を仰ぎ、今更ながら自分の行いに赤面する。
「はあああ〜〜〜・・・・・・・・・・・・」
ため息をつき視線を落とすと、完全に眠りについている少女の顔が、目の前にある。
眉間にしわがよる。
「はああ・・・飲みすぎには注意、ですねぇー・・・私も・・・」
果たしてアルコールのせいだけかどうかは謎なのだが。
うーん、と唸りながら、自分の行動に驚きと焦りが沸きあがる。
「参りましたねぇ〜」どうか、平和に眠りについている少女の記憶にはありませんようにと、天に祈らずにはいられないルヴァだった。
みい様から頂いた、ルヴァ様×元気ちゃんのお話です♪
へべれけな元気ちゃんと、天然なオオカミしてるルヴァ様が、
とっても可愛いです〜。
実は、無自覚に迫る元気ちゃんって、結構なツボだったりします(笑)
みい様、ありがとうございました♪♪