続・秘密の薬
…許されないことは分かっている。
だが、この想いを消す術は分からない。
今この瞬間にも、顔を思い浮かべただけで胸が張り裂けそうになる。
叶うはずも無い想い。
だって知っているのだから。
彼女の想いが今、誰に向いているのかさえ。
俺は知っているのだから…。
とんとん。
昼下がりの研究員の前でディアーナはおもむろに扉に手をかけた。
「ちょっと失礼しますわ」
「ひ、姫? まったく、またお忍びですか…」
にこにことしながら入ってくるディアーナに、キールはうんざりした口調で答えた。
「もぅ、キールったら。 …おあいにく、今日はお忍びじゃありませんのよ、ちゃーんとしたお使いですわ! ほら、門の外に護衛もいますでしょ」
胸を張って言うディアーナの後ろの方では、確かに護衛の馬車が控えていた。
「ほぉ、これはめずらしい…、どういった風の吹き回しで…」
「…ちょっといろいろありまして、少々外出を控えていますの」
ディアーナはそう言いながら、すこし俯き頬を染める。
キールはいぶかしげにそんなディアーナを見つめた。
「あら、そう言えばメイはいませんのね」
ディアーナはキョロキョロとあたりを見回しながら言った。
「あいつは今ちょっと使いを頼んでいまして、…それで、姫のほうのお使いとは?」
奥の方からメイが尋ねると、ディアーナは再び思いきり胸を張る。
「それがですわね、この書類をお兄様が…ケホッ…ケホッ」
「姫! …まったくそんなにいきむから…」
突然むせこみだすディアーナに、キールは心配げに近づいた。
「ケホッ…、す、すみません…なにか飲みもの…ケホッ…」
言いながら、ディアーナは無造作に手近にある瓶に手をかけた。
「あ!? そ、それは…!」
なにやら血相を変えているキールをよそに、ディアーナはすぐさま勢い良く瓶に溜められた液体を口に含み、飲み干すと同時にため息をついた。
「……ふぅ。 あ〜ビックリしましたわ」
「…姫! ちょっとこちらへ!」
「え!? ちょ、ちょっとキール!?」
息を整え人心地をつき呟くディアーナを、キールは有無を言わさず研究院の奥へとひっぱっていった。
驚きながら、連れて行かれるディアーナの体からは、かすかに靄のようなものがかかりはじめていた。
「…ちょっとキール、一体何なんですの!?」
「……やっぱりな、…姫、少しお静かに願います」
研究院の中にあるキールの部屋に連れて来られたディアーナは、訳が分からずキールに詰め寄っていた。
キールはそんなディアーナを見ながら、深刻そうにため息をついている。
そしてふいに、無言で手近にあった鏡を、ディアーナの前に差し出した。
ディアーナは一瞬驚き、目をぱちくりさせながら思わず鏡を覗きこむと、そこには見なれぬ、黒髪で切れ長の瞳の女性が写っていた。
「ですから、ご説明したとおり、殿下の前例から考えると、遅くとも今夜半あたりまでには、元に戻ると…」
数十分後、キールは思いっきりバツが悪そうに、ディアーナに向かって説明を繰り返していた。
「…つまり、この前のお兄様の失踪事件の時、実はお兄様は魔法薬の作用で変身していて、その作用を実験台としてキールは、こーんな薬品を作りだしていたと…、しかも一人内密に…」
「………」
ジト目で呟くディアーナに、キールは言葉を失っていた。
そんなキールを横目にしながら、ディアーナはひとつため息をついた。
…キールには知る由も無いのだが、少し前に起こったセイリオス失踪事件の時、ディアーナは変身したセイリオスを目の当たりにしていたし、その後一連の事情も聞いているので、実のところそんなには動揺してはいなかった。 だが、どうにも自分の体が自分の物で無いような感じで落ちつかない。
「それで、夜まではどうするんですの? 表には護衛の者も待っていますのよ」
「…そうですね、とりあえず、護衛には俺がうまくごまかしておきます。 ここで少しお待ち下さい」
ため息混じりに言うディアーナに、キールもまたため息をつきながら外へ行った。
…本当に大丈夫なのかしら?
ディアーナは少し心配げにそんなキールの背中を見つめた。
なにしろ彼は、この前セイリオスのアリバイには失敗しているのである。
ディアーナはまたひとつため息をもらした。
「…護衛はなんとかごまかして帰らせました、…それで、姫、悪いですが…その、服を着替えていただけませんか?」
「は?」
部屋に戻ってくるなりのキールの言葉に、ディアーナはすっとんきょうな声を出した。
「…ですから、いつまでも研究院に居るわけにはいかないので…、その服では目立ちすぎますので…」
言いながら、キールは小ぶりの魔道着を一着差し出した。
「そっか…、研究院にいて万が一他の魔法の影響をうけてはまずいんでしたわね…」
呟きながら服を受け取ると、早々にキールは部屋から追い出された。
「……でも、こんな格好で一体どこへ行けばいいんですの?」
ディアーナは着替えながら、キールに向かい扉ごしに話し掛けてきた。
「別にどこへでも…時間さえつぶせれば構いません」
「………」
キールの言葉を扉ごしに聞きながら、ディアーナは少し楽しくなってきていた。
絶対に別人としか見えないこの風貌に、服装、おまけに夜まで行動はいっさい自由。
願ってもない完璧なお忍びのチャンスである。
何とはなしにウキウキとしながら、ディアーナは素早く着替えを済ませた。
「…じゃ、これからどうします?」
「………」
研究院から程近い通りで、ディアーナとキールは並んで佇んでいた。
もっとも、黒髪を無造作にポニーテールに束ね、魔道着に身を包んだディアーナはどこからどうみても彼女とは判断できない。
「…あの、キール…。 なんでわたくしと一緒にいますの?」
冷や汗一筋たらしつつ、ジト目で問うディアーナに、キールをため息一つつき答えた。
「…いくらなんでも、姫を野放しにしておけるわけ無いでしょう、…ただでさえ、そんな出で立ちになって、いつもにまして羽目を外しかねませんので」
「……う…」
図星を付かれ、ディアーナは言葉を失った。
「…じゃあ、人目につかない所として…図書館でも行きますか?」
「い? それは…」
キールの提案に、ディアーナは思わず思いきりイヤな顔をする。
そんなディアーナに、キールはやれやれとした顔をして、ため息をもらした。
「では、姫はどちらへ行かれたいと?」
尋ねるキールに、ディアーナは目をぱちくりさせた。
「…う、う〜ん…」
唸りながら考え込むディアーナに、キールはやれやれとそした顔をして覗きこむ。
「行きたい場所がないのなら、黙ってしたがっていただきますが」
「あ、まってくださいな、…わかりましたわ、じゃあとりあえずどこかお店にでも入りましょう!」
再び図書館へ向け歩き出そうとするキールに、ディアーナは慌てて取り入って、大通りへと足を運んだ。
「あそこですわ」
「……結構にぎやかなところですね」
大通りの一角で、キールは落ちつき無く辺りを見まわしつつ言った。
「…人が多いとまずいんですの?」
キョトンと尋ねるディアーナをよそに、キールは人ごみの1点を見つめ顔色を変えた。
「…げ、マズイ。 姫、場所を変えましょう」
「え!?」
そそくさとディアーナの手を取りその場から離れようとするキールに、ディアーナはいぶかしげにあたりを見まわした。
「あ、メイですわ」
「……う…」
ディアーナの呟きに、キールは思わずうめきをもらした。
「……キール!」
そんなキールを、ディアーナはにらみつけながら言う。
キールはため息を漏らしつつ、ディアーナに向き直った。
「……あの薬のことは、あいつにも秘密にしてあったもので…、その、バレたら非常にまずいと…」
俯きながら呟くように言うキールに、ディアーナはジト目でため息をついた。
「…まったく、仕方ありませんわ。 …ではメイには合わないように気をつけましょう」
「あれ、キール! 何やってんの?」
間髪居れず飛びこんできた声に、二人は思わず硬直した。
「あれ? この子だれ? …魔道着着てるってことは、新しい研究員?」
「あ、ああ…」
「よ、よろしく…」
陽気に話しかけてくるメイに、キールとディアーナは動揺を抑えつつ言った。
「ふーん、じゃあたしの後輩ってことか〜、…あ、あたしはメイ。 …ねぇ、あんた名前は?」
「へ?」
上機嫌にメイが尋ねると、ディアーナは思わず声を上ずらせた。
「え、え〜と、ディ……ディア……」
口ごもるディアーナを、キールは内心冷や汗もので見守っていた。
「…ディディア?」
「そ、そうですわ! ディディア! ディディアですわ」
ぽつりと言ったメイの言葉に、ディアーナはすがるようにまくしたてた。
そんななりゆきに、キールは思わず胸をなでおろした。
すると唐突に、メイは二人をちらりと見つめた。
「あれ?」
「な、なんだよ…」
キールはいぶかしげに、そんなメイの視線をたどると…。
「あ…」
さきほど、ディアーナをひっぱて行こうとした時、腕を掴んだまま…つまり、二人ははたからみると腕を組んでいるようにしか見えない。
キールはあわててディアーナから離れると、メイから顔をそらした。
「……はは〜ん。 …どうりでよそよそしいと思ったら…。 いや〜キールにもようやく春がきたやね〜」
ニヤニヤと冷やかしだすメイに、キールは何も言えなくなっていた。
「ちょ、ちょっとメイ、なにを…」
「何もいいなさんなって。 んじゃあたし行くね、お・じゃ・ま・さ・ま♪」
慌てて何やら反論しようとするディアーナをよそに、メイはにやけながらその場を離れていった。
メイの背中を見つめながら、キールは力無く肩を落とした。
「…きっと、今日中にも街中に噂が広がりますわね。」
呆然とディアーナは呟いた。
…その横顔を見ながら、キールは何故か胸の高鳴りを憶えた。
「…ふぅ、もうすぐ日が落ちますわね…」
街の一角を歩きつつディアーナは空を見上げながら呟いた。
その少し後ろには、ひたすら息を切らしつつなんとか付いて来るキールの姿があった。
「…もぉ、だらしないですわね〜」
「…姫がタフすぎるんです! ……まったく、あれから一体どれだけ街をうろついたと思ってるんです」
「あら、あんなの、いつものお忍びコースですわよ」
しれっと言うディアーナに、キールは頭を抱えた。
「……ところで姫、体はなんともありませんか?」
「え?」
キョトンとするディアーナに、キールはため息をつき、
「ですから、…殿下はこのくらいの時間で元に戻ったんですが…」
力無く問うキールに、ディアーナは思い出したように手を打つ。
「あぁ、そうでしたわね。 …別にこれと言って変化はないですわ」
「…そのようですね。 …やはり、煙と液体では作用の仕方が違うのか…」
俯きながら、キールはブツブツと考え込みだした。
そんなキールを、ディアーナは何となく覗きこむ。
「…姫、少し失礼します、……ξёдйλζΩΨ…」
「え…?」
キールがないやら意味不明の呪文を唱えると、ディアーナの体は鈍く発光し始めた。
しばらくするとその光がおさまり、キールは大きく息を吐いた。
「…やはり、…殿下の時とは、少し違う…」
呟きながら、キールはまた考え込みだした。
「違う…って、どういうことですの?」
ディアーナが思わず尋ねると、キールは深刻そうに息を漏らした。
「…つまり、殿下の時は煙の状態で体内の吸収され、作用をきたした。 …だが、姫はそれを液体で飲み干した、その差からか、姫の姿は殿下の時よりも妙に安定しすぎている…」
「つまり、どういうことなんですの?」
不安そうに問い掛けるディアーナから、思わず目をそらすキール。
「…つまり、…薬が良く効いている…、いや、効きすぎている…ということです」
「じゃあ、わたくしはいつ元に戻れますの!?」
「…今の段階ではなんとも…」
俯いたまま、キールは答えた。
「……そんな…、いくらなんでも、何日も帰らないことなんて、できませんわ!」
「わかっています、ですが、可能性として…」
ともすれば泣き出しそうなディアーナに、キールは俯いたまま、歯ぎしみをすることしかできなかった。
「あれ? キールじゃねぇか、なにやってんだ?」
ふいに、うしろからなにやら軽い口調で話し掛けてくる人影に気がつき、二人は同時に振り向いた。
「シオン様?」
キールは思わずその名を呟いていた。
「お、その子がディディアちゃんか、へぇ…。 …ん?」
シオンは目が追うさまに、燐に立つディアーナをまじまじと見つめた。
どうやらすでに、メイが振りまいた噂は、シオンの耳にまで入っていたらしい。
ひとしきりディアーナを眺めると、シオンはふと深刻な顔をした。
「…おい、キール。 この子もしや…、姫さん…?」
「……さすがですね、シオン様…」
口をパクパクなせながら、呟くシオンに、キールはため息をひとつついた。
「え? …な、なんで分かりますの!?」
「ちょっと魔力のコーテングがかかっちゃいるが、この感じはどう見て姫さんだぜ。 一体どういうことだ?」
いぶかしげに問うシオンに、キールは静かに事の成り行きを話した。
「ま、とりあえずゆっくりしてくれや、1日中歩きどうしだったんだろ」
広い室内にシオンの声が響き渡った。
あのあと、二人は城にあるシオンの私室へ通され、シオンはしばしなにやら難しい魔道書と向き合っていた。
「…それでシオン様、なにか分かりましたか?」
「う〜ん、やっぱり薬の性質上、即効薬というのは作れないな…、効き目が切れるのを待つしか無いか…」
シオンの言葉に、キールは思わず肩を落とした。
「ねぇ、折角王宮に入れたんだし、お兄様に相談してはいけませんの? …キールのアリバイ工作も、いつまでもつか分かりませんわ、前に同じ目に合われたんですもの、お兄様なら分かって下さいますわ」
おずおずと言うディアーナを、シオンは静かに見据えた。
「…姫さん、悪いがそれは勘弁してくれ。 もしも事が公になれば、キールはまず破門だ。 なにせ王家の人間を二人もこんな目の合わせているんだからな。 …それは避けたい」
「うぅ…」
シオンにそう言われると、ディアーナは低いうめきをもらし、黙り込んだ。
「とりあえず、俺もうまい事言ってごまかしておくから、姫さんはもう休んでな。」
言いながら、シオンはディアーナをベットへ促した。
そんななりゆきを、キールは俯きながら見守っていた。
しばらくすると、ディアーナは静かな寝息を立て始めた。
「…魔法ってヤツは、思ってるよりずっと体力を食うからな…、ずっと作用し続けていたならなおさらだ」
シオンはふと呟く。
キールはディアーナの寝顔を見ながら、ひどく胸が痛むのを感じていた。
「…さてと、んじゃ、俺はソファーで寝るかね、あ、お前は床ね」
言いながら、シオンは毛布を一枚キールに向かってほおった。
受け取った毛布に体をくるみ、しゃがんだまま壁に寄りかかり、キールはディアーナの方を見つめつづけていた。
いつもより、すこし大人びた顔に変貌しているものの、その無邪気そうな顔つきはいつものディアーナだ。
…そう、いつも見つめつづけていた、その顔。
寝顔を見つめながら、キールの鼓動は心なしか高鳴った。
いつからだったろうか。
ディアーナのことが、心から離れなくなっているのに気がついたのは。
いつも気がつけばその姿を声を、思い浮かべていた。
でも、会えば口から出るの正反対の言葉ばかり。
分かっていた。
決して叶わぬ想いだと。
自分とは、あまりにかけ離れすぎているのだ、住む世界も、環境も。
…それに、なにより。
彼女の心は、自分には向いていない。
気がついたのは少し前のこと。
用事があり、王宮へ来た時だった。
広間で語り合う二人。
その二人の間に流れていた空気は、決して兄妹としてだけのものではなかった。
「……お兄様……」
何度目かの寝言が耳につく。
閉じたその瞳の向こうで、一体なにを夢見ているのだろうか。
ディアーナの寝顔を見つめながら、キールは思っていた。
…もしもこのまま、ディアーナが元に戻らなければ…。
なんともバカバカしい思いではあるが、そんなことを思わずにはいられなかった。
このまま、ディアーナがこの姿でいれば、ずっとそばにいられるのではないか…。
もしも、このまま…。
「…ん……」
思考を進めようとした所で、またディアーナの寝言が響いた。
……まったく、俺もヤキがまわったな…。
キールは内心はにかんでいた。
なにをバカな事を考えているのだろう。
そんな事になったら、そのうち事は明るみにでて、自分は破門されるだけだ。
それになによりも。
ディアーナが悲しむ。
ため息をつき、キールは瞳を閉じた。
夜の闇はいたずらに人を感傷に浸らせる。
…もう、あきらめたはずの想いだ。
なにを今さら…。
ふっと笑みをもらしながら、キールはディアーナの寝息を背に、深い眠りに落ちて行った。
「おい、キール。 こら起きろって!」
「ん……」
うっすらと目を開けると、まぶしい日差しが目に飛び込んできた。
「…シオン、様…?」
呟きながらキールは目をこすった。
何となく辺りを見まわすと、すぐとなりには空のベットがあった。
「あ…! …シオン様、姫は?」
「…目が覚めたら戻ってたらしくてな、さっさと部屋へ戻ったぜ」
呆然と問い掛けるキールに、シオンはにっこりと答えた。
ため息を漏らすキールを、シオンはいたずらっぽく小突いた。
「いてっ、…な、なんですか?」
思わずくいいるキールに、シオンはふいに真剣な顔をした。
「…お前、気付いてたんだろ」
「え…?」
「あの薬さ。 …あれは半分はお前の魔力でできたもんだ」
「………」
「…つまり、効き目の半分ははお前の気持ち次第ってことだ」
そこまで言うと、シオンはふっと微笑む。
「…気付いてたんですか…シオン様…、その俺の…」
「あったりまえだろ、俺様に分からん事は無い!」
「………」
そこまで言い、シオンはウインク1つして
「……な〜んてな。 …ほとんどはメイに聞いたんだ、お前が姫さんに惚れちゃあいないかって、な。 …あぁ、もっとも、今回の件はメイは気付いちゃいなかったがな」
ケラケラと言うシオンに、キールは思わず俯いて黙り込んだ。
「そんなに落ちこむなって、…なんなら俺がイイ女紹介してやろうか?」
「……結構です! …まったく人をなんだと思ってるんだ…、それにシオン様、メイとはやけに親しそうですが?」
尚もいたずらっぽくからかうシオンに、キールは口調を荒げてつっこむ。
「…ふっ…、ま、人には言いずらい関係でね…。 って、お前には関係ないだろーが」
意味ありげににやけるシオンに、キールはやれやれと肩を落とした。
「…まったく、関係大ありですよ、俺はなんの因果かあいつの保護者をやらされてるんだ。 少しは控えていただきたい」
尚もブツブツというキールに、シオンはケラケラと笑って見せる。
そんな言い合いがなんだかおかしくなって、キールの口元からは自然に笑みがこぼれていた。
…その数ヶ月後。
ある知らせがキールの元に届く。
皇太子殿下と、その妹の第二王女が突然失踪した、と。
その知らせの文を受け取った時、キールはあまりショックではなかった。
― なぜなら。
その時、彼の肩には別の手が触れていたのだから。
肩に乗せられた手を優しく取り、彼女の金色の髪を見つめながら、キールは一心にその知らせを読んだ。
そしてしばし、はるかな想いへと彼は胸をはせていた。
………あああ、なんだか暴走しまくりです〜スミマセン!(><;
この前の話の続きで、今度はディアーナに変身させたい〜と、張りきったのは勝手なんですが…(滝汗)
…いきなり暴走してキルディアにしたのが間違いの始まりでした〜(汗)
しかし、前回で、もうセイルディアは出来あがっているんで、どうあがいてもキールは失恋確定だったワケで…。
う〜ん、でも片想いのキールはさりげにツボです(爆)
…ちなみにこの話のラストは、密かに「シオン首相の御公務日記」に続いていたりします。(実はただの思いつき(笑))
あぁ、ホントにしょーもなさ炸裂ですが、呼んで下さった心の広い方、ありがとうございます!
ちなみに、次のファンタは、またシリーズものをかましてみたいな〜なんて考えてます(^^;
またしょーもないモンでしょうが、付き合ってやってくださると嬉です〜。
では、また…。