装飾された言葉


少女漫画的規制なのか、ふしぎ遊戯内では、性的な描写は多いものの、
直接的な性表現用語はあまり使われていません。

巫女が処女でなくてはいけない。
この設定でさえ、
処女とは言わず、「おとめ」と言い換えています。
…正直、処女を指していると気付くのに時間かかりました(笑)

あと、性交渉についても、
敵や悪人に襲われるピンチは、良くあります。
巫女が処女でなくては、ということが表に出てからは特に。
襲われそうなピンチをヒーローが助けるのは、典型ながら美味しいシーンなので、
きっと手堅く読者を引き付けられるんだろうなー、とも思います。
私的にも嫌いなシュチュじゃないので(笑)
なので、やたら襲われシーンが多用されてるのも、ふしぎ遊戯の特徴的な部分なのですが、

その際、それを「汚される」と表現します。
未遂になると、「汚されてなかった」と喜んだり。

で、
好きな相手(つまり鬼宿ですね)だと「結ばれる」と表現します。
「私達、やっと結ばれるんだね!」とか。
なんか、歪曲していて、とても気持ちの悪い表現だったことを覚えています。

特に「汚される」と言い換えることは、本当に気持ちが悪いです。
巫女の神聖な意味を表すなら「穢される」だと思いますし。
まだストレートに「犯される」方がしっくりきます。

しかも、一方でそれだけ気持ちの悪い表現をしながら、
とても耳障りの良い「結ばれる」という表現を、同じ行為に向けて発しているから、
尚更違和感が強まりまして。
つまり美朱は、鬼宿に「汚されたい」の? と何度も思った記憶があります。
歪曲した表現の多用は、とにかく気持ち悪くて印象に残っています。


少女対象では、こういった歪曲した表現で、性を扱うことがこれ以降本当に増えました。
「結ばれる」「愛し合う」などは、すべて性交渉を意味する言葉になっています。

少女売春を援助交際と呼んだりする風潮とどこか似ている気がしますね。
変に耳障りを良くしようとして、かえって言い知れぬ気味悪さを感じさせる。
そういった「言葉」も、ふしぎ遊戯の気持ち悪さの一環です。




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