種D徒然語り

…DESTINY考察、検証(?)コーナー。
ただの愚痴とも言います。

主なお題は、
作品として主人公のあり方、とかそのへんの苦情です。

毒や愚痴や、今の種Dへの不満を見たくない方はご注意下さい。






考察1

〜主人公とは〜



ガンダムSEEED−DESTINYを見ていて、最も「おかしい」と感じる部分はこれです。
…ちなみに私はシン・アスカの大ファンと言うわけではありません。 好きなキャラではありますが。
最たる気に入りはレイだし、前作からのファンなので、好きキャラの順位から言えば、むしろアスランやカガリの方が上です。

キャラの擁護ではなく、物語の描き方として、基本的な部分が崩壊していることについて、
一作品ファンとして憤りを感じ、少し文章にまとめてみたく思いました。


主人公とは、読んで字の如く、その物語において、主として描かれる人物です。
基本的にどのような媒体作品に関わらず、物語は主人公の視点で描かれ、
大抵の場合は見る側の感情移入の対象ともなります。
文章作品なら最もその心情が追われ、映像作品ならば、最もカメラが追う存在です。

ですが、種Dで例を挙げると、
1話OP前にシンが家族を失う様子を描いた後、
本編では突然2年後になってます
妹の形見の携帯を所持している事以外は、
2年間彼が何をしていたのか、サッパリ分かりません
そして、ヒロインとの出会いの数分のシーン以外は、
カメラはほぼアスランとカガリに固定

これでは、見ている側はむしろ、アスランとカガリの方が感情移入し易いです。

とはいえこれは、あくまで序盤のこと。
前作ファンに分かり易いキャラにまず焦点を当て、引き付け、
徐々に視点を新主人公に移していくものと理解していました。



ですが、いくら回を重ねても、一向に視点が主人公に移行しないどころか、
段々と出番が減って行く有り様。
代わりに、前作で主役級キャラだった者をひたすら描き、
その間、主人公が何をしているのかさえ、良く分からない

たまに登場しても、何してたかも良く分からないキャラに感情移入し易いはずもない

これは、常識的に見て、明かに主人公として異様な状態です。


そして、全50話予定の物語の丁度半分、25話までたどり付いても、
一向に改善の気配が無いどころか、益々丁寧に描かれる、前作主人公達を見て、

もしかして制作側には端から、新主人公を描く気が無いのでは
と言う思いが強くなりました。

現在30話を数え、多少シンの登場時間は増えたものの、
それまでに、何を思い、
どんな理由でどう行動するキャラなのか、ほぼ描かれていなかった状態なので、
彼が何をしても、感情移入することは難しい状態です。

最早、単純に登場時間の問題ではなく、
主人公として決定的な部分を欠いている現状は、
既に取り返しがつかないものと思われます。


これは明かな制作側のミスでは、と今では思っています。
アスランやキラを主に描きたいのならば、最初から彼等を主人公とすれば良かったと思います。
むしろ、アスランが主役の続編と銘打って、シンと言うキャラクターを出した、と言う事ならば、
なんら違和感はないです。 と言うかまんま今がそんな感じ。



余談

〜事の発端〜



種Dも始まった当初はそれなりに展開も面白く、
視点が移行しないことが不思議ながらも、そこまでの違和感はありませんでした。

では、どこから道が反れてしまったのか、少し考えてみると、


おそらく、
カガリの結婚未遂あたりからでは、と思いました。

アスランがミーアと出会ったり、ラクスが暗殺されかかったり、
そして極め付けが、キラによるカガリの結婚式場からの連れ去り。

このあたりから、
主人公が現在どこで何をしているのかサッパリ分からない状態が加速しました。


そもそも、シン・アスカが主人公の物語であったはずの種Dで、

主人公にとって、怨んでいる対象の祖国の元首の迷走や、
突如現れた噂の伝説のエースが今何をしているか、
ひいては、面識もない、元主人公が何をしているかなどは、

必要あったのでしょうか?

(というかむしろこのあたりを改めて考えると、そもそも作る側が、
 シンの視点で物事を見られていない事を察することが出来ます)

普通にシンにスポットを当てて、ルナとか他の友人から、
アスハ代表が政略結婚しそうらしい、とか。
アスランはプラントへ行ったそうだ、とか、
謎のモビルスーツが、アスハ代表を攫ったらしい、とか。

その程度の情報さえあれば、特に支障はないと思えるのです。

後々シンが事の詳細を知る機会があれば、
視聴者は主人公と同時にそれを知ると言うのは、ごく普通の形ですし、
前作を見ていた者にとっては、
えー? カガリが結婚?とか、 それってもしかしてキラなんじゃ? とか、
見ている者には分かり、物語上の人物は知らないとい状況は、
典型的ながら、かなりお楽しみ要素にもなったはずです。


つまり、舞台がオーブになった時に、視点がシンに移行出来ないどころか、
益々前主人公達にスポットを当ててしまったことあたりが、
決定的な迷走の始まりだと思います。