次、接着剤、いくよー

 瞬間接着剤は天下のアロンアルファを筆頭に数多くの商品が巷を乱舞しとります。
 これに関して言うことは、その他の物全てにも共通する3大御注意。

      其の壱『安すぎるのは駄目な奴、普通がイチバン』、
              其の弐『使いどころにあうものを』、
                      其の参『新鮮なのは良いことだ』の3点、

 で、とりあえず瞬間接着剤と言うのは一体どういうものかというとですな、一般に瞬間接着剤(以下、瞬着)と呼ばれている【シアノアクリレート系接着剤】というシロモノ、接着方法を大まかに2つに分けて、《融着型》と《固定型》とすると、《固定型》にあたる物になります。
 つまり、2つの対象物をなんらかの方法で組織融合させるのではなく『接着剤』という手段で機械的に固定する方法を指すわけです。
 プラモの世界でおなじみの【流し込み系接着剤】は、溶剤(主にアセトン)でプラスチックを溶かして対象物を融合させたのち、溶剤が蒸発してプラスチックが元通りになる、と言うことで融着型、材質的には接着箇所に介在するものは、まあ、無いわけです。

 次に、【ボンド】・【セメダイン】と呼ばれているもの、これは、双方の接着方法を併用したものになります。
 接着剤の中に、「つなぎ」として溶剤で溶かされたゴムまたはプラスチックが含まれており、溶剤で土台を軟化・融合させ、溶剤が蒸発すると溶けていた「つなぎ」がかたまって接着対象物を補強・固定する、という方法になります。

 では、瞬着はどのようにして接着しているのか、というと…
 ここで接着力になっている力は2つ、共に物理的な力です。
 1つ目は密着による大気圧(プラモ狂四朗はちとオーバーですが)、2つ目は接着剤自体が固まることで発生するアンダーカット部のくわえ込みの力です。
 が、実際のところ、接着剤自体の強度がたいしたことないので、ほとんど1つ目の密着固定が主と考えていただいてかまいません。
 この方式の得意な物は『双方同強度の物・広面積・染み込まない物・振動や衝撃を受けないところ・曲げ、ねじりの力のかからないところ』と、なります。
 苦手なものは、アンテナやマント・羽根等の棒物・薄物や、関節などの可動部(てこの支点に当たる部分)、ラジコン等の動力物、布や木材、石膏などの多孔質材のたぐいが使用に難儀する代表的なものです。
 これらの場合、金属線を通して曲がらないようにしたり、別の種類の接着剤(エポキシ系・ゴム系等)や方法(溶接・鑞付・ネジ止め)に切り換えます。

 ちなみに瞬着で白く曇るのは硬化時に発生するガスが原因、防ぐ方法として、風を当てながら固める、硬化促進剤で一気に固める、という方法がありますが、曇るときは曇っちゃいます、まる




エポキシ系接着剤


 GKを作る場合は前述の瞬着とコレの2種類があれば、実際のところほとんど不自由しません。
 簡単に説明すると、用途は瞬着とほぼ同じ、硬化時間は2分弱から数十分、曲げ・衝撃に強く、点・線接触でも強剛固定、粘度が高く、多孔質材にも使用可能、と、瞬着の欠点のほとんどをカバーするものになります。
 しかし、ここまそ良い物がどうして主流になっていないのか、と、いうワケがやはりありまして……、『接着剤自体が強固過ぎて、カッターやヤスリでの後加工を受け付けない』、『2液混合時の条件(温度・量・割合)がきびしく、硬化不良を起こしやすい』、『2分じゃまだ遅い』、『高価』などなど、
 実際に不具合に遭った場合、フォローが大変な状況になっている場合が多いのが致命的な感じがします。
 正常な状態で接着できた場合、強度の不安をしなくてすむのでイイ接着剤っちゃーイイヤツなんスがねー。
 あ、接着方式は瞬間接着剤と同じ固定型です。

また、双方とも接着の際には塗膜を削り、下地を露出させるよーに。

セメダインとボンドはパス。ほとんど使わんし。