2つのフランス
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この年はなんだか良くわからないが、とにかくフランスに縁があったのである。何故ならフランスで行われる国際学会に参加することになってしまったからだ。別に自分自身、志願してのことではなく教授が「行ってみたらどうかなぁ(→行ってくれまたまえ)」と言う訳で行くことになってしまった。 国際学会に参加する。これがどういうことを意味するのか、、、それは「英語で発表」して「英語の論文を書く」という事に他ならない。先ほども述べたが自分は一般的な慶応大学生である。英語などこんこんちきのすっとこどっこいだ。「まずい、、、どうすれば、、、」。 苦悩にふける石川崇22歳の春であった。 そこで登場するのが「ジローさん」である。英語もペラペラだし当然英語で論文も書いている。僕としては藁にすがる思いであった。 やっとこさっとこ必死の形相で仕上げた論文第一稿。ジローさん見るなり苦汁の表情を浮かべるのである。「あちゃー、どうしてこんな英語(英語?!)になっちゃうのぉ?!」とでも思ったのかもしれない。それから数日間、僕の書いた「日本語的英語」を「フランス的(一応英国式)英語」に改善の作業を加えなんとか学会の準備は整ったのである。
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