番外編

「恵比寿3丁目 栗日記」 2000年の夏

その栗の木は、坂の途中の古いアパートの階段の横に茂ってた。
アパートは少しくずれかかっていて、1階におばあさんが1人住んでいる。

大家さんはもう亡くなってしまったとか。(隣の家のおばさんより)
で、その隣の家の人は、栗の木があまり好きではない……と、感じた。

8/27 → 9/9

だんだん、大きくなってくる。

 ←これは、てっぺんの栗。


9/9

自然観察に燃える秋。
実は松茸ごはんより、栗ごはんの方が好きだったりする。
 
 ←この栗の実の右上がかすかに茶色。わかるかな?

生まれてこの方、浅利堀り・筍堀り・大根堀り・イモ堀り・銀杏ひろい等……、
様々な生産活動を経験してきた私。何故か栗ひろいだけはしたことがない!
さて、栗はいつ落ちるのか? 何色になったら? わからない。
でも着実に大きくなる。毎日通る道にあるので、観察せずにいられない。

だんだん枝がしなってきた。そして、かすかに、茶色みを帯びてきた。

 こんなに大きくなりました。


10/20

  

「おおお、いよいよだ!がんばれ!栗くん達!」


10/25
大きくて立派な栗でした。

 こんなのが4つ位拾えたので、栗ごはんを作りました。


11/12

栗の実がすっかり落ちたころ、自転車で横を通りかかったら、
たくさんの植木職人さんがやってきて、
栗の木はあっという間に半分になってしまった。ええっ!!

いや!これはかなりショックな出来事。心がちくちくする。
こっそり、根本に肥料でも蒔いてこようか。

この街にあと何年住むのだろうか。きっとこの栗の木のことは忘れない。
(来年も、再来年も、また見にくるからね。)
と、そっとつぶやいてみる。

  →  

おわり



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