1  エクストリーム・カービングとは

 言葉の意味は、
・エクストリーム(Extreme)=究極の
・カービング (Carving)=彫る
という意味です。カービングは曲がるという意味の(Curve)ではありません。
彫ると言うのは滑った跡がまるで彫刻刀で削ったように雪面にくっきりと2本の跡がつくからです。で、どうするのかというと言葉で定義するよりこの写真のとおりです。

 雪面に手が着くくらい体を大きく倒します。こうするとエッジが90度近くまで立つことになるのでスキーのずれがなくなり、遠心力が体にはっきりと感じられます。
いわゆる「Gがかかる」という状態で、この快感がたまりません。見ている人にはとてもアグレッシブに映ると思います。
スキーの滑走面がはっきりと見えるこのシーン、何処かで見たと思いませんか。そうです、ワールドカップのあのシーンです。エクストリーム・カービングのテクニックとはまさに、ワールドカップそのものなのです。
今までは限られた一部の人だけしか出来なかったこのテクニックが、用具の進歩によって誰でも安全に出来るようになったのです。
しかも理論はとてもシンプル。スキーを習った事のある人は覚えていると思いますが、外○傾だの、荷○だのおまじないのような呪文とはサヨウナラ!カッコワルイ「ハの字」とは1日でオサラバです。(少し調子良すぎるかな!)

2  スキーはRで選ぶ!

 おすすめはR=10メートルのアトミック・ベータフリーゾーン9.10

コントロール性に優れ、初心者にも扱いやすくいろいろなテクニックを覚えるのに最高!(でももう売り切れて残っていないとか)プレートは板についているので不要。
長さは160or150センチ、身長より短いのにしよう。

<Rってなあに?>
サイドカーブ エクストリーム・カービングは誰でも出来る技術ですが、そうなったのには用具(板)の進歩が大きく影響しています。
スキーの形状はセンター部が狭く、トップとテール部が広くなっていて、大きな円弧(円の一部)を描いています。これをサイドカーブと言って、この円弧を描く半径(R)の大きさ(メートル)で表しています。このサイドカーブがカービングターンの秘密です。

現在一般に売られているスキーのうちモーグル用の板を除けば、殆ど全てがカービングスキーと言って良いでしょう。10メートル以下から20メートル以上まで様々なものが売られていますが、おおよそ一般用・レーシング用は14〜20メートル。エクストリーム・カービング用はさらにサイドカーブのきつい(半径の小さい)形状のものが多く,Rは9〜15メートル位となっています。

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3  レッスン

 lesson理論はとてもシンプル
(1)行きたい方を向く
(2)左右に身体を傾ける
これだけ!

 ある日のいたるさんの団体レッスン。
全員(8名)いたるさんのレッスンやエクストリーム・カービングは初めて。
7年ぶりとか年1回とかの人も多く、技術レベルもプルーク状態から上級までさまざま。
で、この2つの要素を様々なバリエーションでやっていきました。

 最初は行きたい方向に体を向ける練習
大事なのは脚部だけでターンしたり、上体だけを先行させたりしないこと。
右手と右足、左手と左足を一つにして同時に向けていくこと。
ここで面白い発見!
うまい人は脚部だけでターン出来るので上体が下肢より遅れてしまう傾向が見られた。・・・いわゆる外向(この言葉を知らない人は全く覚える必要はありません、気にしないで下さい)。

 次は左右に体を傾ける練習
傾く 両スキーに均等に乗り、少しずつ身体を倒していく。倒しすぎると転んでしまうので、ターン外側になるスキーが雪面から浮かないように注意する。倒し始めると直ぐにターンし始めるのでそれに遅れないように、常に進行方向に身体全体を向けること。
ここでまた発見!
やはり上手な人は外側のスキーに乗ろうとするのでなかなか倒れない。しかしスキーボード(ファンスキー)からの転向組みはあっという間にカービング。
どうしてもうまく行かない人が2名いたけど、やはりそれが原因かな? でも、自転車をイメージするバリエーションをしていたら、最後の30分であっというまにパラレルになり、カービングの感覚をつかみ、全員大満足!

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4  バリエーション<しりもち編>

 かばの基本は転べること・・・しりもちをつけるかな?
<注意>
この練習は膝を深く曲げることになるので、ゆるい斜面で、低速で行うこと。
PT 1
(1)手のひらを雪面に向けて、さあ、構えていざ出発!
(2)斜滑降で出て山側へお尻をさげて−しりもちをつく
(3)同時に雪面に手をつけて
(4)雪面(山側)に座り止るまで待つ。
谷側の手は後ろに引けないよう身体の前におき、視界に入れておこう
4PT1

PT 2
お尻をつく前にやめる。(腿が水平ぐらいまで)

PT 3
PT2より腰は高めにして、山側に倒れる。切れ上がって止まるまで待つ。
・・・スキーがカービングして切れ上がるのがわかるかな!
4PT3

PT 4
切れ上がって止まる前に谷側へ倒れてターンを連続させる。

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5  バリエーション<バンザイ編>

PT 1  まずは、山回りの練習
両手を肩の上に置いて、ひざを曲げた低めの姿勢を確認。これで出発OK。
直滑降で出て
右(左)に傾きながら
両手、両足を伸ばして・・・ねっ、思いがけず傾いている自分を発見!
そうそう、普段の思い切り動けない悩みも解決するよ!
切れ上がって止まるまで待つ。

PT 2  次は谷回り
斜滑降で出て谷側に傾きながら、両手、両足を伸ばしていく。
ここで感じがつかめたら

PT 3
止まる前に、伸ばした両手両足を再び曲げ、今と反対側に傾きながら両手、
両足を伸ばしていき左右のターンを連続させる。
5PT3

これで、バンザイ踊りの完成だ!

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