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イオニアの風
著 光原百合
中央公論新社
2009/8/25発行 |
オリュンポスの神々が課した3つの試練。
人間の未来を拓くため、最大の難関に挑むテレマコスとナウシカアの運命は?
ギリシアの神話世界を舞台に描く、壮大な愛と冒険の物語。

感想:
どんなに話がながくとも、登場人物が多くとも、そしてカタカナ名がややこしくとも、おもしろいものはおもしろい。
ストーリーがおもしろいのは半ば当然。ギリシャ神話をもとにしてるわけですから。
本作の魅力はなんといっても、その「表現力」!
登場人物一人として、つまらないのがいないのです。どれもこれも魅力と役割があり、生き生きとしてます。まるで目の前に彼らがいるかのよう。神々のまぶしい光が、人間の泥臭い匂いが、こちらまで届くようでした。丁寧に描かれた人物描写に著者の本気がうかがえます。
文章もそう。隅々まで磨きこまれています。読みやすく、わかりやすく、どの場面も端正に描かれ、要所要所は印象的。色つきの本を読んでるみたいです。
とにかくすごい。注ぎ込まれた情熱と根気に、頭が下がる思いです。
読み終わったとき、長い長いロールプレイングゲームを終えたような、少しの疲労と、寂しさと、強い充実感を覚えました。
あぁ、おもしろかった。すばらしい読書タイムでした。
★★★★★