毎日・本三昧 オススメ小説エトセトラ


毎日・本三昧

幸福な生活   .

幸福な生活

著 百田尚樹

祥伝社
2011/6/10


サスペンス、ファンタジー、ホラー……、様々な18話の物語、そのすべての最後の1行が衝撃的な台詞になっているという凝った構成。
星新一、阿刀田高、筒井康隆という名手顔負けの掌編小説集を世に送り出した!

感想:
ラスト一行に全てが集約される、単純明快なショートショート。
明暗のはっきりしているこの手の小説はすっきりと読みきれるのが最大の魅力です。

作品ひとつひとつは大変短いです。15分もあれば一編読めちゃう。
ばちっとオチがついているので引きずる心配がありません。サクサク読めてなかなか楽しい。

だけど、質という点では難アリでした。
まず、短編を書くには文章力が最低レベルでかなりつたないです。まぁこの点は百田さんにいってもしょうがないですが。
あとはストーリーですね。オチが弱すぎたり、かなり序盤で想像がついたり、そもそもありがちだったり、新鮮味がなかったり。
本気で感心できたのは2編くらいでしょうか。

とはいえ、普段本を読まない人に読み聞かせてみたら、すごく面白がってくれました。
軽い読み物としては優秀なのだと思います。
★★★


  Booksメインへ  TOPへ

国道沿いのファミレス   .

国道沿いのファミレス

著 畑野智美

集英社
2011/2/28  発行


第23回小説すばる新人賞受賞作
仕事上のトラブルで左遷され、6年半ぶりに帰郷した善幸。一見静かな町では、親友、家族、恋人、そして勤務先のファミレスでも、一筋縄ではいかない人間関係が・・・。現代をリアルにすくう青春小説。

感想:
ファミレスを舞台にしたヒューマン小説。
女にだらしのない主人公が、仕事に恋に奔走します。

新人賞受賞作なだけあり、全体的に荒削りな印象です。
テンポは悪くなく、さらりと読めるのはいいですが、いかんせん軽く、全てが表面的でした。展開も安っぽい。

ただ読みやすくはあるので、これから磨けばいい作家さんになれるかな?とも思います。
頑張って。
★★★



  Booksメインへ  TOPへ

木暮荘物語   .

木暮荘物語

著 三浦しをん

祥伝社
2010/11/10 発行


空き室あります!
駅から徒歩5分、築ウン十年。安普請ですが、人肌のぬくもりと、心地よいつながりがあるアパートです。一見平穏な木暮荘の日常を描く、心温まる物語。

感想:
木暮荘というアパートを舞台にした連作短編です。
肝はセックス。登場人物らが軽快に、神妙に性を紐解いていきます。

面白いです。
話題はいつも”性”なんだけど、いやらしくもエロティックにも感じなくて、滑稽だったり切実だったり切なかったり温かかったり。笑ったと思ったら泣きそうになって、ほっこりしたと思ったらハラハラする…。
読ませます。うまいです。さすがです。

アパートが舞台とは言え、そこに住んでいる人ばかりが主人公ってわけでもないし、一本調子ではなく毎回雰囲気が変わるし、登場人物らが魅力的だし、さらには臭みが全然ないし、完全好み。ドストライクでした。

特に「穴」と「ピース」が好きです。「瞳が滴り落ちる」という表現にどきりとしました。
★★★★★



  Booksメインへ  TOPへ

 
   
 
  .

  Booksメインへ  TOPへ




Copyrightc2006毎日・本三昧Allrightsreserved