|
|
|
|
|
|
|
|
|
|
. |
サヴァイヴ
著 近藤史恵
新潮社
2011/6/30 発行 |
他人の勝利のために犠牲になる喜びも、常に追われる勝者の絶望も、きっと誰にも理解できない。ペダルをまわし続ける、俺たち以外には―。
日本・フランス・ポルトガルを走り抜け、瞬間の駆け引きが交錯する。ゴールの先に、スピードの果てに、彼らは何を失い何を得るのか。

感想:
サクリファイスの続編の続編。
やはり出ましたね。
近藤さんの描く自転車競技は、悔しいけれど、天下一品です。
今度のは連作短編。
サクリファイス・ エデンの過去と未来を描いています。
どちらも読んでいなくても楽しめますよ。私もほとんど忘れていますし。
どうしてこんなに面白いんだろうと考えてみると、そこにリアリティーがあるからなんだと思います。まるで選手が書いているかのよう。読んでいるとペダルの重さや雨の冷たさが伝わってきます
近藤さん、それほど文章力はないのにね。不思議。
たまにムラがあって、他のテーマの小説ではぼんやりした印象の近藤さんですが、このシリーズはいつも面白いです。彼女にとってもは『金』のテーマかも。うってつけのテーマを見つけた作家さんは強いですよね。
続編もきっとでるんだろうなぁ。
待ってます
★★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
 |
. |
THE QUIZ (ザ・クイズ)
著 椙本孝思 |
優勝者には賞金1億円
華々しく広告された視聴者参加型の新クイズ番組。
しかし、そこで待っていたのは、死と隣り合わせの残酷ゲームだった。
 感想:
こーゆー生き残りゲーム、好きなんです。ぞくぞくするようなうたい文句に誘われて、手にとってみました。
ストーリーは単純明快。クイズに間違うと、あの世行き。極限の緊張状態の中で繰り広げられるショーは、どんどん盛り上がり……。
うーん。
集められているのは頭脳明晰な若者たちだということもあり、レベルの高い頭脳バトルが繰り広げられるのかと思いきや。どうも凡庸です。
天才女流棋士やら、数学オリンピック金メダリストがいるのに、全然生かせてません。フツーの若者がフツーにクイズ受けてるような印象です。というかやりとりはどちらかというと幼稚。
というわけで、私は少々不満です。
オチも、ちょっと……。非道。
★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
|
|
|
ただ、あの人を勝たせるために走る。それが、僕のすべてだ。
エースとアシストが、冷酷に分担された世界、自転車ロードレース。
初めて抜擢された海外遠征で、僕は思いも寄らない悲劇に遭遇する。それは、単なる事故のはずだった――。
 感想:
評判いいのは知ってたんだけど、この表紙。苦手意識が先に立って、ずっと読むのを敬遠していました。でも、あの賞にもこの賞にも名前が挙がるものだから、ついに手にとって読んでみると……。これだから読書はやめられない。面白いんだもん。
ロードレースのことなんて全く知らない私ですが、難なく読み進められます。興味をそそられる上手な解説と展開で、気づくとどっぷりロードレースの世界にのめりこんでいました。
ロードレースの仕組みや、レースでの駆け引きなど、見ごたえたっぷりで、それだけでも十分楽しめます。
そしてあのラスト。半分、青春スポーツ小説だと信じ始めた頃だったので、なおのこと衝撃は大きかったです。
評判に違わぬ面白さ。これだから読書はやめられない。
★★★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
|
. |
叫びと祈り
著 梓崎優
東京創元社
2010/2/25 発行 |
砂漠を行くキャラバンを襲った連続殺人、スペインの風車の丘で繰り広げられる推理合戦、ロシアの修道院で勃発した列聖を巡る悲劇……ひとりの青年が世界各国で遭遇する、数々の異様な謎。
大型新人の鮮烈なデビュー作!

感想:
外国を舞台にした、ミステリー連作短編。
主人公はあちこち飛び回る取材記者です。行く先々でなにかに巻き込まれ…。
異国情緒と浪漫が溢れています。
ミステリーズ!新人大賞をとった「砂漠を走る船の道」はさすがの一言。砂漠の情景はエキゾチックで、ストーリーの展開にはひたすらドキドキ。
熱く、せつなく、果てしない。良い雰囲気の短編でした。
五編で成っているのですが、全てのお話に共通することは、途中までとても退屈だということです。
描写がくどく、前に進まず、先も見えず……。
いい加減読むのがいやになってきたころ、ぐぐぐっと方向転換し、テンポアップします。ミステリー部突入。
このミステリー部分はなかなか面白いなと思いました。
動機が、斬新です。まさに、日本人にはない感覚。
前半のグダグダ感があるからこそ、急展開がいきるんだと思います。
ただ、毎回同じようなパターンだと、飽きます。
これからどんな作家さんになっていかれるのでしょうか。期待期待。
★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
 |
. |
殺気!
著 雫井脩介
徳間書店
2009/9/30 発行 |
10年前、少女に何が起こったのか。
連れ去り事件の謎が解けるとき、また新たな悲劇が訪れる。感動の青春サスペンス!
 感想:
タイトルからシリアス系かなと思ったのですが、そういうわけじゃないんですね。立ち位置としては半端。大学生が活躍する青春ものwith殺気、という感じです。油断してるとぐりっとくるかも。
相変わらず伏線はでかくて、真ん中くらいまで読んだらほとんど筋は予測できます。
でもなんだか憎めなくて、ぐんぐん読んじゃう。なんというか…無邪気なんですよね。でかい伏線とか、ストーリーの内容とか、臆面もなくやってのける感じに邪気がなくて、笑って許せちゃう。
雫井さんの魅力ってここらへんなのかもしれない。
文章も読みやすいしね。
ただ、ラストのラストでおもっきりやる気なくしちゃってるのはいただけません。書き下ろしでも最後まで気を抜かないでもらいたい。ちゃんとオチはついてるわけだし。
にしてもこのストーリーなら半分にまとめられたような…
★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
|
. |
砂漠の悪魔
著:近藤史恵
講談社
2010/9/29 発行 |
俺が不幸になれば、夏樹の魂は救われるだろうか
「信じていた人に裏切られた」という遺書を残して、親友が自殺した。
逃亡を続けるなか、広太が見た真実とは!?

感想:
冒頭はとても面白かったです。
目障りな親友を自殺に追いやった主人公が、中国を放浪するお話。
親友云々のくだりはストーリーのわりに展開がスムーズで無理がなく、面白く読めました。
が、中盤からがらりと作中の雰囲気が変わります。ロードムービーのよう。延々と移動し、景色が変わり、風土も変わる。気づいたら民族問題に直面し…。
いつの間にやら論点がぼんやりしだして、混乱してる間にラストを迎えました。
結局は中国の民族問題が主だったのでしょうかね。それにしては無理やりすぎな気も。序盤と終盤の落差がすごいです。なんだかどっちも中途半端な感じがして、もったいないですね。どちらもいい素材なのに。
サクリファイス的びっくりをねらったのでしょうか…??
ふむ。
とにもかくにも中国はでっかいです。
★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
 |
. |
サムシングブルー
著 飛鳥井千砂
集英社
2009/6/26 発行 |
ありえない。
恋人と別れた次の日に、昔の恋人と昔の親友の結婚式の招待状が届くなんて-
 感想:
帯の文句は面白そうだったのだけど。
同じ年代の女性が主人公だったので、共感できるとおもったんだけど。
うーん。
正直、つまらなかった。
とにかく文章がつまらない。きちんとしてるし、まとまってはいるけど、全然光ってない。凡庸。なにげない景色が、どーでもいい景色になっちゃってる。だからすごく長く感じます、一場面が。
そして、展開が臭くてベタ。
主人公の心理にもあまり共感できず。いい子ちゃんすぎるのかなー。つまんないことでウジウジ。感性についていけない。
こういうのを読むと、いかにあの人やあの人がすごいのかわかりますね。中身ゼロでも素敵な物語にできちゃうんですもの。
★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
|
|
世のため、人のため、そして家族のため、働き者の悲哀を描く、著者独壇場の傑作集
時代に翻弄される人たちの可愛しさ、哀しさを描く。ユーモアあふれる軽妙洒脱な文章で綴る
 感想:
荻原さんはほんとオールマイティーな作家さんですね。シリアスなものからコメディーまで、なんなくこなしてしまいます。
本作は面白短編集です。ユニークで可笑しいんだけど、切実で。嫌味がなくてあったかい。他人を揶揄して笑いをとるタイプじゃないのも、好感度大です。
それぞれに味があって、いちいち楽しませてくれました。
特に「美獣戦隊ナイトレンジャー」のしめかたは秀逸。「寿し辰のいちばん長い日」や「長福寺のメリークリスマス」もキャラとのギャップが見事ですね。面白かった~。
大変オススメ。
★★★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
 |
. |
さよならの扉
著 平安寿子
中央公論新社
2009/3 発行 |
彼は逝ってしまったけれどわたしとあなたは、ここにいる。
社会経験まるでなしの本妻と、デキる独身OLの愛人が、夫の死をきっかけに対面し…
 感想:
男の癌、そして本妻と愛人の対面。
展開だけみると昔の昼ドラのようですが、中身は案外あっさりしております。
”無邪気で楽観的な本妻”と”神経質で冷静な愛人”。二人のコントラストが一番の見所でしょうか。
特に、本妻。
愛人のほうが考え込みすぎてしまうタイプなので、本妻のあっけらかんと幼稚な様がなんだか好ましくて、読んでて明るい気持ちになれました。
ちょっと飛んでてよいキャラです。身近にいたらうっとうしいでしょうが。
まったく違う二人が、作品のバランスを保ってます。
難しいテーマもはらんでますが、気楽にさらりと読める、のほほんとした一冊でした。
★★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
新たな門出を祝う34歳の離婚式。
何を終わらせ、何を変えるのか?。
男女5人の友情と恋愛を描いた長編小説。
 感想:
角田氏らしい一冊でした。その一言に尽きます。
登場人物らの心理描写がきめ細やかで丁寧です。濃いストーリー性はないけど、小さな感情の起伏が見もので、ついついページを繰る手が止まりません。
いつもと同じ、角田クオリティーですね。
登場人物らと同年代だったら、共感もひとしおかな?
フィクションの世界なのに、まるでそうだと感じさせない。ささやかだけど鮮やかな人生がそこにあります。
★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
 |
. |
散歩する侵略者
著 前川知大 |
静かに、町は変容していく。“侵略者”が、散歩しているから。
真治と鳴海の夫婦は、ちいさな港町に住んでいる。
真治が3日間の行方不明ののち、まったく別の人格になって帰ってきた……
 感想:
なんなのなんなのこれ、ていうか誰、前川知大て。
ものすごい面白いんですけど。
まず、文章のセンスがいい。なんでもないんだけど、とぼけた節があって、ちょいちょいツボります。的確なセンスだなぁと思いました。
だから、こんなちゃんとしたストーリーがあることに途中からびっくり。なーんにも起こんなくても、この人の文章力ならそれなりに面白く出来上がると思うから。
しかも、SFだなんて。
ストーリーの予想がまったくたたず、ただただ無我夢中で読みすすめました。すべてが初体験!?妙にドキドキワクワクしちゃって。
不思議な読後感で、いまだにふわふわしてます。
著者のほかの作品も読みたい。是非書いて欲しいです。
★★★★★
|
|
|
Booksメインへ TOPへ
|
|
|
|
|
| Copyrightc2006毎日・本三昧Allrightsreserved |
|