毎日・本三昧 オススメ小説エトセトラ


毎日・本三昧

 

ZOKUDAM
ZOKUDAM

著 森博嗣


もしかして、これに乗って、あの、その、なにかと戦うのですか?いえ、違いますよねえ、いくらなんでも無理ですよね

Zシリーズ、まさかの続編、驚きの新展開。

感想:
テーマは巨大ロボットでの戦闘の滑稽さってところでしょうか。
「ZOKU」の続編っぽいですが、趣旨は大きく変わったようで。少人数で演る劇のような、動きの少ないお話でした。

中身がなくてねー。このだらだら感は森さんだからギリ許せるけど、それにしたってもうちょっとあれこれ展開して欲しい。これじゃあまりに寂しいです。物足りない。1700円はとりすぎでしょう。

とにかくストーリー性に乏しい一冊でした。それでも読ませちゃう森さんのセンスはすごいと思いましたが。
★★★



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象の棲む街
象の棲む街

著 渡辺球


東京で最大規模の極東アメリカは明治神宮の跡地から自転車で丸半日行ったところ、ほぼ首都の西の果てにあった。
―すべてを失った日本。唯一の希望は一頭の“象”だった。圧倒的な創造性で、並行世界を綴った幻想絵巻。第15回日本ファンタジーノベル大賞優秀賞受賞作。

感想:
スラム化した近未来の東京が舞台です。一章ずつ主人公が変わります。
主な主人公は英治とハル。二人はある事件で出会い、二人で放浪することに。

読み進めるうちに東京の悲惨さがひしひしと感じられ、悲しい気持ちになりました。広大な土地を持たず、天然資源に頼り切りの日本は、本作のような末路をたどるのでは?と空恐ろしくもなります。
生きていくため、自分の目的のために、非情に事をすすめるハルは、私には怖い存在に思えます。

それにしても象に対して今までなんの感情も抱いていませんでしたが、改めて説明されると、なるほど不思議な姿ですね。
★★★



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そこへ行くな   .

そこへ行くな

著 井上荒野

集英社
2011/6/30 発行


誰かのささやかな行為に突然、日常を切り裂かれる人々の物語。
行くつもりはなかった。行きたくもなかった「場所」へ―全七編収録。

感想:
「そこへ行くな」とつい念じてしまうような連作短編集。
面白い括りだなと思いながら読みました。

井上さんらしい、丹念なのにさっぱりとした文章が魅力です。短編だけれどきちんとカラーがあって、「結」があって、読みきれるのがすがすがしい……
……といいたいけれど、今回のは少し期待はずれでした。

文章のピントが合っていなかったり、的外れだったり。ぼやぼやとすっきりせぬまま終わりを迎えてしまったり。とても残念なことだけどうっすらと「やっつけ感」が香っていました。

評価できるのは「ガラスの学校」だけですかね。これもぐだぐだしてて、的外れに話を伸ばしているだけのように感じましたが、最後まで読むと印象はがらりと変わります。

他の話はどれもいまいち。
★★★



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その人、独身?
その人、独身?

著 酒井順子


「負け犬の遠吠え」の著者、最新エッセイ集

男性の話題になると「その人、独身?」と聞かずにはいられない。
3DK(30代・未婚・恋人ナシ)の“真性負け犬”の胸の内をつづる爆笑エッセイ。

感想:
名前は知っていたのですが、この方の本を読むのは初めてです。
タイトルがまず目に留まりました。このフレーズ、私もよく思ったり言ったりします。ほとんど無意識に確認しちゃうんですよねぇ。

で、中身。
フツーのエッセイだなぁというのが私の感想です。面白い説を展開されてたりもしますが、理屈っぽいっつーか、読んでてまだるっこしくなってきてしまう。
発想は面白いんですけどねぇ。

だた、ひとつ驚いたのが、不倫の多さ。そんなに不倫って横行してるものなんでしょうか。勉強になった…
★★★



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その日のまえに
その日のまえに
  <文庫>
著 重松清


僕たちは「その日」に向かって生きてきた

昨日までの暮らしが、明日からも続くはずだった。それを不意に断ち切る、愛するひとの死―。生と死と、幸せの意味を見つめる連作短編集。

感想:
ベタベタな展開の、お涙短編小説でした。いやぁ、こんなに安直な内容だったとは。おどろいた。

一編を除き、すべて「濃厚な死」が絡んでいます。とてもわかりやすい。こんな状況じゃ、泣かないほうがおかしいってくらい、素直に悲しいストーリーばかりです。
でも、どこか薄っぺらで、説得力に欠け、登場人物らに深みが感じられないんですよね。表面的で、うそ臭い。ガンガンと、こっちに訴えかけてくるものがないのです。
だから、どう考えても悲しい状況なのに、全然泣けませんでした。

面白くないとはいわないけど、面白いとも思いませんでした。
★★★



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ゾラ・一撃・さようなら
ゾラ・一撃・さようなら

著 森博嗣


孤独で気儘な探偵・頸城悦夫のもとに元都知事の大物タレントの館にある「芸術品」を取り戻して欲しいという依頼が舞い込む。
若く美しい依頼人。冴え渡るはずの勘が、瞬く間に鈍っていく…。

感想:
全体的にぼんやりとした印象の一冊でした。抽象的で、悪い意味じゃないのだけど、内容が薄い。何気なく読んでいたら、3時間くらいで読み終えてしまいました。あっけない。

森さんらしい文章なんだけど、それですべてをうやむやにされた感じです。ストーリーもありきたりで、しかもさらりと流されてしまいます。

うーん。最近、ちょっと手を抜きすぎかなぁ森さん。そろそろガツンと一発決めてくれないと、彼の新作を手に取る気力が萎えてしまいそう。
がんばれ。というかがんばってくれ。
★★★



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空飛ぶタイヤ
空飛ぶタイヤ
  <文庫>
著 池井戸潤


トレーラーの走行中に外れたタイヤは凶器と化し、通りがかりの母子を襲った。タイヤが飛んだ原因は「整備不良」なのか、それとも…。

事故に関わった人それぞれの思惑と苦悩。そして「容疑者」と目された運送会社の社長が、家族・仲間とともにたったひとつの事故の真相に迫る、果てなき試練と格闘の数か月。

感想:
真っ向勝負!な企業小説であります。
ページ数、重量感ともにヘビー。登場人物も沢山出てくるので、間をあけて読むと、忘れちゃうかも!?
久々にがっつり読書したぜ、という充実感を得れる内容量です。

読めば読むほど、ある企業を思い浮かべずにはいられない…。とてもリアリティー溢れたストーリーです。
しかも徹底した勧善懲悪な作りなので刺激的でもあります。悪者立場の企業側の悪っぷりが、また見事なんですよ。中盤はとってもやきもきさせられるけど、ラストはスッキリー!!
ラストのあたり、ちょっとくさかったけど、すべてを許せちゃう。

たまには企業小説もいいもんだ。
★★★★



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空に唄う
空に唄う

著 白岩玄


私って、死んじゃったんですか?

新米の坊さん・海生の目の前に突然現れた、死んだはずの女子大生。誰にも見えない彼女と海生は同居することになるが!?

感想:
どこに面白さを感じていいのかまったくわからなかったです。

文章は情緒に欠け、ぶつりぶつりと硬質。小学生の作文のよう。
登場人物はうすっぺたくて、魅力を感じられません。

ストーリーを練った跡も見出せず、なにがいいたいのか、そしてどこがこの小説の売りなのか、最後までわかりませんでした。

野ブタ〜」のときのような、はっちゃけた勢いみたいのもなくなってて、落ち着いた作風にするには文章力もセンスも足りないし、方向性間違ってるのでは?と思わずにいられません。
編集さん、なんとかしてあげてください〜
★★



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空は、今日も、青いか?
空は、今日も、青いか?

著 石田衣良


階層社会、少子化、テロ、転職時代の風がどんなに冷たくても、ぼくらは一度きりの「今」を生きるんだ。

道に迷ったあなたに贈る、やさしく、力強いメッセージ。
石田衣良、待望の初エッセイ

感想:
私はあまりテレビを見ないのですが、石田氏を最近報道番組でお見かけしました。
事件や事故のニュースにコメントをしてらっしゃったのですが…ダメだ、私、この人ダメだー。
台本を読むかのように淡々と、正論を口当たりよく流れるように喋る様は、腹話術の人形を彷彿とさせて、「なにその喋り方!」とめっちゃ違和感を覚えたのです。

そんな印象を持ってしまったからでしょう。このエッセイもどことなく不自然さを感じてしまいました。
一遍ずつに、なにやら教訓めいた教えを説かれており、軽く啓発セミナーの冊子っぽくなっているわりに、妙にフレンドリーで読者に擦り寄ってくる姿勢がうかがい知れます。
なんか背中がこそばゆい〜と思いながら読んでました。

石田氏の第一印象を引きずってしまい、素直な気持ちで読めなかったです。
この方の小説は大好きなんだけどなぁ…
★★



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空へ向かう花
空へ向かう花

著 小路幸也


ハルとカホは違う小学校に通う、六年生。接点などなかったふたりが、運命のいたずらによって引き寄せられる。
心に傷を負った少年、少女、そして彼らを見守る大人たち。
それぞれが懸命に、前を向いて歩いていく。

感想:
表紙が素敵です。そして、冒頭でぐっと引き寄せられました。センスいい。

透明感あふれる若々しい文章で、読みやすいです。
ストーリーはシビアなんだけど、力強く綺麗な印象。なんというか、お手軽な感じがして、若い子にも薦めやすい内容でした。リアルな現実社会の話なのに、どこかファンタジーしてるんです。悲しいんだけど、とことんやさしい。

なにかに躓いたとき、こういう本が力をわけてくれるのかな、なんて思いました。
再生物語っていいですね。
にしても表紙、素敵だわー。
★★★



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そろそろくる
そろそろくる

著 中島たい子


PMSと向き合うイラストレーターの恋。
三十歳を過ぎたイラストレーターの私。仕事もちょっとうまくいかないが、癇癪、イライラ、過食、この状態って最悪。原因は……。

PMSと折りあっていこうとする女性の恋をユーモラスに描く。

感想:
漢方小説」がとてもよかったので、こちらもすぐに読んでみました。うん、結構期待して。

30歳独身女性が、仕事や恋にちょこっとつまずき、PMSとの付き合い方を模索するお話。PMSとは、生理前に起こるホルモンバランスの変化によって、身体的精神的に落ち込む事。

全体的に淡々、鬱々としていて、特にユーモラスに描かれてるとは思えなかったです。「漢方小説」のような癒し効果があるでもなく、なんか物足りない。
なにかっていうと「PMSだ」という主人公の発想も、あまり共感できなかったです。

女性のための小説。PMSに心当たりのある女性が読むと、共感できるのかも。
タイトルは言い得て妙だと思いました。
★★★



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