2008年度 小杉放菴研究舎の主な活動

放菴忌

共催事業
2008年4月16日(水)

2008年の放菴忌

2008年の放菴忌

 小杉放菴の命日にあたる4月16日、お墓に参り、小杉放菴記念日光美術館において開催されている〈清水比庵――『大日光』の表紙原画を中心に〉展を鑑賞しました。

 また、その途中、萩垣面に立ち寄り、明治期の日光を代表する洋画家で、小杉放菴の師匠である五百城文哉の旧宅のロックガーデン(高山植物の庭園)を見学しました。

五百城文哉の旧宅にて

五百城文哉の旧宅にて

 五百城文哉については、小杉放菴記念日光美術館で5月24日(土)より、その植物画の画集をテーマとした展覧会〈百花譜の世界――高山に咲く花々 五百城文哉の『高山植物写生図』 〉が開催されます。

「八尾四季」作詞80周年記念 特別公演

共催事業
2008年4月19日(土)

 今年は小杉放菴が、「越中おわら“風の盆”」で必ず唄われる代表的な歌詞「八尾四季(女子四季)」を詠んでから80年目にあたります。〈富山県民謡おわら保存会〉と〈小杉放菴研究舎〉では、これを記念し、富山市八尾町に「八尾四季」の歌碑の建立するべく、その費用に充てるための特別公演を、小杉放菴に所縁のある3つの地域で開催することになりました。

「八尾四季」作詞80周年記念 特別公演

「八尾四季」作詞80周年記念 特別公演

 そして、第1回目の公演が、4月19日に、宇都宮市の栃木県総合文化センターのメインホールにおいて開催されました。当日は、約1600名の来場者を記録し、大盛況のうちに、無事、終演しました。その他の会場につきましては計画が確定次第、順次、お知らせして参ります。

「八尾四季」作詞80周年記念 特別公演

「八尾四季」作詞80周年記念 特別公演

「八尾四季」歌碑竣功除幕式

共催事業
2008年8月10日(日)

 小杉放菴が「八尾四季」を詠んでから、今年で80周年を迎えることを記念して〈富山県民謡おわら保存会〉と〈小杉放菴研究舎〉が建立の計画を進めていた歌碑が竣功し、除幕式が執り行なわれました。

「八尾四季」の歌碑

「八尾四季」の歌碑

 場所は、小杉放菴が滞在して「八尾四季」を詠んだ旧・杉下楼(現・富山市八尾コミュニティセンター分館「杉風荘」)の前庭です。

歌碑を囲んで記念撮影

歌碑を囲んで記念撮影

第12回研修会(旅行)「風の盆」

主催事業
2008年9月3日(水)〜4日(木)

 例年と同様に9月3日と4日の両日、小杉放菴と縁の深い「越中おわら“風の盆”」の視察のために富山市の八尾を訪ねて、〈富山県民謡おわら保存会〉の方々との交流を深めました。今年は、小杉放菴が「八尾四季」を詠んで80年目となる記念すべき年であることから、新たな会員が19名も加入して、総勢35名での研修旅行となりました。会員35名が、揃いのTシャツ姿で八尾の町を見学して歩いている光景は壮観でした。

「八尾四季」の歌碑が設置された旧・杉下楼で鏡町の花付けを鑑賞

「八尾四季」の歌碑が設置された旧・杉下楼で鏡町の花付けを鑑賞

 “風の盆”の最終日である9月3日は、あいにくの雨模様で「町流し」は中止になりましたが、我が〈小杉放菴研究舎〉は恒例により、前庭に「八尾四季」の歌碑が設置されたばかりの杉風荘(旧・杉下楼)で開かれた〈富山県民謡おわら保存会鏡町支部〉との交流会で究極の“おわら踊”を鑑賞することができました。一同、大感激で、御捻りを包んだ会員も出ました。新会員として、はるばる札幌から、音楽家であるドイツ人の母娘が参加されていましたが、チェリストということで、とくに弦楽器の胡弓に興味を示して、聴き入ってました。

旧・杉下楼(現・杉風荘)にて記念撮影

旧・杉下楼(現・杉風荘)にて記念撮影

 帰路は、新潟県妙高市にある小杉放菴の終焉の地「安明荘」跡に立ち寄ったあと、長野市の善光寺にも参拝しました。

善光寺参り

善光寺参り

山神社の例祭・鎮座五年祭

主催事業
2008年10月8日(水)

 「山神社」は、小杉放菴の終焉の地である新潟県妙高高原町(現在の妙高市)新赤倉の安明荘に、邸内社として祀られていた石の祠です。放菴の没後、しばらくして、安明荘は小杉家の手を離れましたが、放菴が自ら山の神の姿を刻んだ石祠は、主亡き後もそのまま残され、庭の片隅にひっそりと佇んでいるという状況にありました。そこで、〈小杉放菴研究舎〉の柳原一興主宰が、当時の所有者であったの太平洋セメント株式会社に、「小杉放菴に所縁のものなので、日光へ寄贈いただけないか」とお願いしたところ、快く承諾を賜わったことから、小杉放菴記念日光美術館の庭園内に設置されることになったのです。
 2003(平成15)年10月7日、現地において移設のための祭儀を行ない、翌8日に、小杉放菴記念日光美術館の庭園へ運び込まれて、鎮座しました。

「山神社」の前で鎮座五年の式年大祭を斎行

「山神社」の前で鎮座五年の式年大祭を斎行

 そして、今年はちょうど、「山神社」が日光に鎮座してから5年目にあたるため、鎮座五年の式年大祭を〈小杉放菴研究舎〉が主催して、2008(平成20)年10月8日の午前11時より、〈小杉放菴研究舎〉の会員や小杉放菴紀念日光美術館の関係者などの列席の元、斎行されました。

「山神社」の前で記念撮影

「山神社」の前で記念撮影

第13回研修会(旅行)「放菴の足跡を訪ねて――美濃」

主催事業
2008年11月29日(土)〜11月30日(日)

 今年度の2回目となる第13回研修会(旅行)は、小杉放菴が序文と口絵を担当した紀行本『美濃と飛騨の旅』の跡を辿り、美濃(岐阜県南部)を廻りました。

虎渓山永保寺

虎渓山永保寺

 虎渓山永保寺は、1313(正和2)年に夢窓礎石が開山した臨済宗南禅寺派の禅寺です。『美濃と飛騨の旅』の途中に、この寺を自由に拝観しようとしていた小杉放菴たちは、老大師に待ち受けられていて水月堂と開山堂を案内されました。現在、国指定の名勝庭園の「無際橋」は、ちょうど解体修理中で、拝見することはできませんでした。

虎渓山永保寺で記念撮影

虎渓山永保寺で記念撮影

 小杉放菴たちが、暇つぶしに飛び込んだという土岐川の辺も散策しました。

土岐川の辺を散策

土岐川の辺を散策

 養老の滝の近くに宿泊し、翌日には、関ヶ原から横蔵寺、華厳寺などを巡って、帰路につきました。

関ヶ原の徳川家康最後陣跡・床几場にて

関ヶ原の徳川家康最後陣跡・床几場にて