借地権付建物のマーケットの現状と課題
(1)借地権付建物には公正な市場(マーケット)がない? 定期借地権付マンションなどを除き、借地権付建物にはオープンなマーケットがないに等しいといえます。 (2)なぜ、金融機関はローンに応じないのか 借地権付建物で、気に入った物件があった場合、銀行等にローンの申込をします。ごく一握りの金融機関を除いて、まず断られます。 例外的に自己使用(自宅)として借地権付建物を購入する場合に限り、融資する銀行もありますが、融資の姿勢は極めて消極的で、他の物件も併せて担保提供を求めるケースがほとんどです。 (3)権利関係・法律関係が複雑で分りにくい物件が多い 借地関係を規定する法律は「借地借家法」ですが、1992年に大きく改訂され、定期借地制度も設けられました。 旧法借地権か新法借地権か、さらに借地契約の内容(残存期間・更新料・地代・等々)により権利としての強弱や価値・価格が大きく変わります。 地域に密着した、経験・ノウハウ・実績のある不動産鑑定事務所でなければ、価格査定や売買の仲介が難しいことも、マーケットが育たない理由の一つです。 (4)なぜ、適正な価格の判断・査定が難しいのか 借地権付建物価格=現在建物価格+土地価格×借地権割合 上記が原則的・基本的な計算式ですが、地代・更新料・残存期間等により大きく変わります。 当事務所で扱った物件は、借地権付建物を第三者に賃貸する収益物件として価格査定を行ない、仲介を行なうケースが大部分です。 年間家賃純収入−年間地代−建物の固定資産税=年間純収益を算出し、この年間純収益が元本(借地権付建物価格)に対して10%〜15%になる物件ばかりです。 年間の利回りが10%程度になることが、借地権付建物の適正な価格(収益価格)であり、この価格であれば、「個人年金」としても購入者が現れることも、経験上分っています。 不動産鑑定事務所の不動産事業部として、借地権付建物や底地の査定・仲介・買取りも積極的に取りくんでいます。 当面は、福島県内に限定した取り扱いですが、将来的には、東北各県や関東圏の物件も取りくむ体制作りも予定しております。 |
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