森林療法カウンセラーの想い
森林療法カウンセリングのセッションをさせて頂くに当たっては、私自身のある旅の体験が、意識の根底にあります。それは、大学を卒業し、就職した会社を1年で辞めて「これから、どうしよう」といったときに、ぶらりと出かけた八重山諸島の旅です。八重山諸島には、日本最南端の波照間島や最西端の与那国島をはじめ、西表島や竹富島など大小いくつもの島々があります。そこへ旅程もまったく決めず、その日泊まる宿も、その日の午後に決めるような行き当たりばったりの旅でした。旅の中で日課にしていたのが、浜での日光浴と、夕日を眺めること、後は旅先で知り合った人たちと、西表のマングローブの林をカヌーでさかのぼって、滝浴びをしたり、滝の上で手長エビを取ったり、黒島では宿のオーナーと同宿の人たちと夜のヤシガニ取り、波照間では夜中に満天の星空を道に寝転んで眺めたりしていました。豊かな自然の中で、ゆったりとすごし、遊んでいただけなのですが、心身ともに癒され、旅を終えた後は気力が充実し、次に向かうステップとなりました。
転地効果、南国のパワーに満ちた太陽からエネルギーを得たこと、海や川、滝での天然の還元イオン浴、波打ち際での1/fゆらぎの効果、亜熱帯の森から発せられるフィトンチッド効果、宿の人や他の旅人とのふれあい、それと、気ままな一人旅であったことでの自由と自己選択が、心身に相乗的に働いたのだと思います。この旅の経験が源となり、現在の自然療法カウンセリングに繋がっています。旅の後、私は信越高原に移住し、健康茶製造会社の研究室で新商品開発の傍ら、薬草やホリスティックな健康法について学びました。10年前に独立し、物書きと自然案内を生業としましたが、ネイチャーガイドの部分では、自身の経験を基に当初から自然療法的なプログラムを目指していたのですが、当時は、森林療法や森林セラピーという言葉もなく、療法的な部分での需要はほとんどありませんでした。
時を経て、国が森林療法のエビデンス(医学的根拠)に取り組むような環境となり、わたし自身もカウンセラーとなって、それまでの自然案内の経験も融合し、自然療法の分野に取り組むこととなりました。プログラム中に実施したりお伝えする技法はすべて自ら試したものばかりで、副作用的な側面が考えにくいものだけを用いています。私自身もメンタル面で苦労したことがあるので、クライアントの皆様の気持ちはよく理解できますし、保養に来られた短期間の間でも最大限の効果を得ていただければという想いで携わらせて頂いております。今までご参加いただいた多くの方より、お喜びのメールや手紙を頂戴するたびに、カウンセラーとして無上の喜びを感じております。この夏、あるご家族が、自著の巻末の簡易な地図を頼りに、我が家までご挨拶に来られました。1年前にご参加頂いた不登校でお悩みの学生さんのご家族で、セッションの後、学校に通うようになり、今年はこれまで皆勤ですと、ご本人共々とても喜んでおられました。ご家族からは、あふれるような幸せが感じられ、こちらも涙が出そうなほどの幸福感に包まれました。今後も、お一人でも多くの方が、豊かな自然の恩恵の中で、疲れた心身を癒され、前向きに、健康になっていただけるお手伝いさせていただき、微力ながら社会に貢献できればと考えております。
最後まで、お読み頂き、誠にありがとうございます。
秋山 恵生