最西端+寄り道<1>
朝食を終え、昨日と同じルートでラト駅からカイス・ド・ソドレ駅へ向かう。今日は土曜日、地下鉄は空いていた。
しかし最初の乗り換え、ポンバル広場駅でホームからエレベータに乗ろうとしたときのこと。私は駅の職員に呼び止められてしまったのだ。正確には私と、少し後から来た学生風の女の子のふたりだけが。
どうやら抜き打ちチェックらしい。切符は?と言われ、ポケットから取り出し示すとすぐ解放された。だからどうってことのない話なんだが、他にも乗客がいたのに何故あの子と私なの? たしかに観光地へ行くときはお金がなさそうなナリをしようと心がけてはいる。でもちょっと見くびられたような、複雑な心境・・・(^^ゞ。
カイス・ド・ソドレ駅からは列車だ。
切符の自販機が地下鉄連絡口にあった。行き先、「カスカイス」のボタンを押し、表示された金額を投入すればOK。
10:10発。
車窓からは発見のモニュメントやベレンの塔も見える。
その後も大半は海沿いの道に平行して走るのだが・・・、
むむっ、だんだん靄ってきちゃったぞ。
30分強で終点、カスカイスに到着する。
静かな郊外の駅、そこはかとなくリゾートの香りがして田舎臭くないのは、メンテが行き届いているからだろう。
この町にはオシャレなブティックも多い。特に何が見たいというわけでもなかったから、ついつい駅前のファッション・ビルから見学してしまった(笑)。
こちらはメイン・ストリートの
フレデリコ・アロウカ通り→
海岸にも出てみたが、霧ですぐそこに浮かぶ小舟さえ良く見えない。
本来ならこの季節に居ないはずのない日光浴を楽しむ人たちの姿も全くない。
そのためか、さらに買い物モードに拍車が掛かり、有名ブランド店やポルトガルのデザイナーズ・ブランドなど見て回る。悩んだあげく、何も買わなかったが・・・。
うろついている途中で見つけた
←素敵なB&B、Pergola House(左の建物)。
結局、ガイドブックに載っているような名所はほとんど無視。
ビーチと漁港が同居するというバイーア湾上の広場も、どんよりして見晴らしが悪い。
貝細工の屋台が出ていたが、今日はイマイチ浮いた存在になっている。
駅に戻って、バス乗り場のインフォメーションへ。ロカ岬への乗車券は車内で買うのだと教えられ、バスに乗った。
12:05発。約30分で岬に到着。
まずは次に向かうシントラ行きの時刻表を確認してからインフォメーションへ。忘れないうちに、最西端到達の証明書を手に入れなくちゃ!
ウワサに聞いていたが証明書は2種類。ちなみにこの時点では900$(エスクード)と600$だった。見本を見比べ、やはりゴージャスなほうを選んでしまう。
申込用紙に氏名や国籍を記入してカウンターに提出すると、その場で美しい書体の名前を書き入れてくれる。
そして次にしたのは、土産物屋の奥にあったRoca Barで昼食をとること。
なかなか先端に行かないところが良いのだ(笑)。ゆっくり風景を味わうためにも、フィッシュ・バーガーでお腹を落ち着かせておく。
さて、ではそろそろ岬に行ってみよう。
そうそう、言い忘れたが、カスカイスを発ったあたりからすっかり天気が良くなっていた。
カモンイスの詩、
「ここに地果て、海始まる」
が書かれた石碑。
申し訳程度の石垣があるが、簡単に外へ出ることができる。
石垣に腰掛けデッサンをする人、崖っぷちにたたずみ遙か彼方を見つめる人、みんな思い思いに、ゆったりとした時を過ごしている。
たまたまだろうが、この時、日本人はほとんど男性一人旅だった。沢木耕太郎氏の影響かな?
たしかに
ヨーロッパの果てに立ったと思うと、しみじみ。いよいよ旅も終わりだし・・・。
次のシントラ行き
バスは14:06発。
そのため1時間近く、
心ゆくまで
風景を堪能できた。
ではそろそろシントラへ向かうとしよう。