9月18日(火曜日)
帰路は3パターン
列車を乗り継ぐ気になれず・・・
3つのルート
とうとう最後の朝となってしまいました。今日はトリノからマルペンサ空港まで移動して、14:50発のアリタリア、成田行きに乗らなければなりません。
移動ルートは3つ考えてありました。というのも、マルペンサ空港はミラノの北西、手前のノヴァーラからは北東にあって、どちらから行くか悩むところなのです。列車時刻は事前にイタリア鉄道のサイトでチェック。
第1案 トリノ >列車> ミラノ中央駅 >プルマン> マルペンサ空港
トリノ8:50発に乗ればミラノ着は10:40、次の9:07発では10:45着。この2本ならプルマンの乗り継ぎに手間取っても12時ごろには空港に到着できるはず。
バスで空港まで行けるのは安くて便利だが、地図を見ると移動距離がムダに思えてしまう。第2案 トリノ >列車> ノヴァーラ→ノヴァーラ北駅
>列車> カスターノ・プリモ >タクシー> マルペンサ空港
第1案と同じ列車、トリノ8:50発はノヴァーラ着が9:59。9:07発で10:09着。そこから200mほど北にあるNovara Nord(北駅)まで歩き、11:00ごろ発のレッジョナーレ(ローカル列車)でCastano Primoには11:23着。それでもまだ10km以上手前なので、ここからはタクシーに乗ることになる。
ちなみに、ノヴァーラから北上する路線のOleggioも空港までの距離に大差はないが、待ち合わせが悪く午後まで列車がなかった。第3案 トリノ >列車> ノヴァーラ(2時間ほど観光) >タクシー> マルペンサ空港
時間も距離も、最もムダのないルート。次の列車11:10発でも12:09ノヴァーラ着なので、すぐにタクシーに乗れば飛行機の出発2時間前には空港に到着するだろう。
ただし、タクシー代はミラノ←→マルペンサ間と同じくらいを覚悟しなければならない。
最終決断を下したのは、昨日アヴィリアーナから戻ったとき。やはりどう考えても40分も長く列車に乗ってわざわざミラノへ出るのはバカらしい気がします。では第2案はというと、アヴィリアーナのドタバタから想像するに、小さな町には客待ちのタクシーが居ないかもしれません。えーい、ノヴァーラからタクシーに乗っちゃえ!
そうして、ノヴァーラまでの切符(IC、16,400Lit)を購入し、ホテルに戻ったのでした。
いざ空港へ
余裕を持って8時にホテルをチェックアウト。
ノヴァーラ駅
予定通り、10時にはノヴァーラ駅のホームに降り立っていました。
さて、では荷物の一時預かりを探そう。
でもちょっと待って。荷物を預けて私はいったい何を見に行くんだろう?
ここはピエモンテ州の県都のひとつ。ピエモンテの中でも歴史ある街だとか。もちろん大聖堂もあれば博物館などもあります。ただ、これといって見たいものがあるわけではなかったせいか、なんだか急に町歩きの気力が失せてしまったのでした。後になってみれば勿体ないことをしたと思いますが、このときは昨日のようなヘマを恐れていました。早め早めの行動がなによりだわっ!
結局、駅舎の写真を撮るだけにしてタクシー乗り場に直行しました。
タクシーの運転手は行き先を聞いてゴキゲンです。私のほうはというとメーターがあるので安心です。
30分近く走ってそろそろ到着というころ、しばらく無言だった運転手から
「マルペンサのターミナルは1?2?」 との問い。
「知らない。でもアリタリアよ」
「じゃあ2だな。チャーター便なら1だが」
「チャーターじゃない」
「そっか、なら2だ」
つつがなく空港に到着してやや拍子抜け(?)。時計を見ると、なんと離陸の4時間も前、10:40でした・・・。
ヒマつぶし、パート1
チェックインの受付は12:30からとのこと。つまり、それまではスーツケースが預けられないということです。そこでインフォメーションまで行って、荷物一時預かりの場所を聞きました。
「地上階の一番端まで行かないとないですよ。往復するだけでも時間がかかるから、預けないほうがいいんじゃないですか?」
「でも私の乗る便の出発時刻は14:50なの」
「ああ、それじゃあねぇ」 えらく納得されてしまった・・・。
荷物を預けるには、なぜかX線の検査台を通しパスポートを見せなければなりません。爆発物を警戒しているのでしょうか。なにはともあれやっと身軽になれてホッとします。出国手続き前は、ただ座っているか飲食店を利用するしかないのですが、やはりトイレに行ったり一服するため屋外に出るときまで、一々荷物を引きずらなくていいのは有り難い。もちろん一人じゃなければ、荷物を見ていてもらえば済むことなんですけどね。
ヒマつぶし、パート2
12時すぎ、荷物を受け出しに行きます。係員のひとりが奥でスーツケースを探している間、もうひとりが話しかけてきました。
「イタリア語、わかる?」
「ちょっと」
すると彼は傍らにあった物を取り上げます。「これ、何だか知ってる?」
ミニチュアの刀でした。よく見ると "交通安全" "護身刀" と書いてあります。御守りね。でもそれをイタリア語で説明しろって? そりゃムリっすよぉ〜。というわけで、逆質問。
「英語、わかる?」
そして英語で説明することになったわけですが、それさえ私には難しいことです。ついには、「・・・うーん、ロザリオに似たものよ」 とむちゃくちゃなことを言い出す始末(笑)。
相手は判然としない様子ながら 「わかった」 と解放してくれました。
ちょうど荷物が出てきて聞きそびれてしまいましたが、アレは預けられた荷物だったのかな? それとも押収品? こちらもイマイチすっきりしないまま、お代(4,200Lit)を払ってチェックイン・カウンターへと向かったのでした。
ヒマつぶし、パート3
搭乗券をもらって出国手続きを済ませます。
思い起こせば最後にマルペンサ空港を利用したのは1996年。あれから5年の歳月が流れていました。その間にこの空港はこぢんまりした地方空港ふうの佇まいからすっかり一変、立派な空港に生まれ変わっていたのです。そしてなんと時流に乗って全館禁煙に! さきほどまでは屋外に出れば良かったけど、もう外には出られないのです! そうとは知らず、売店で喫煙できる所はないかと尋ねると、
「ノ。ミ・ディスピアーチェ(残念ながら)」 と満面、悲しい表情になって答える店員さん。
こちらも負けないくらい思いっきりの驚きを表して 「ここはイタ〜リアよ!」 と言ったら笑われちゃった(^^ゞ。
気を取り直して、あとは出発までお買い物でもして過ごしましょ♪
でももうワインはアグリツリズモで3本買ってしまったし・・・。
うろうろしていて、もうひとつ前回までとの相違点を発見しました。免税店の店員相手にイタリア語をしゃべってる日本人がなんと多いことか! 以前は多くの日本人は英語だったのに・・・とちょっとびっくり。
そうこうしているうちに、大好きな高級食品店・ペックのコーナーを発見しました。そうそう、前回は出発前にわざわざ市内の店に行って、機内でつまみにするための前菜を買ったっけ。
きゃっ♪今はここで食べられるんだ♪
迷うことなくカウンターに着席(笑)。可愛いメンチカツ風のお総菜をショーケースから選んで注文します。グラスワインは今回の旅で素通りしてしまったバルバレスコを選んでみました♪ ちなみにそのあとバローロも1杯。。。どちらもペックのセレクションです。
かくして、その幸せ〜な気分に浸ったまま、機上の人となったのでありました。
− 完 −
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