9/3 Mon. まだまだプロローグ

隣の部屋のカップルもテラスに出てきた。
「朝食はどうすればいいのかしら」 「頼めば用意してくれると思いますよ」

そうは言ったものの、私も頼んでいないや。もう9時近い。
家族の居住スペース入口にかかっているカーテンに向かって声を掛けると、寝起き間もないといった様子のイゴールが出てきた。

「OK、20分待って。オムレツも食べる?」
「うん、おねがい♪」
えっ、まさか‥‥イゴールがつくったオムレツ? それはちょっとどうかと思うぞ。そういえばパパ、ゾラン、イゴールには昨夜会ったけど、ママはどうしたんだろ。

呼ばれてテラスのテーブルで食事をはじめる。トマトを丸々一個平らげたところに、
「KEIKOぉ〜♪」 と
オムレツの皿を手にしたママがやってきた。
さっそく抱擁のご挨拶。
よかった〜、ママも元気そう。

ボリューム満点、Sobeの朝食(別料金)

朝食を終え、一泊分の宿泊費を払っておく。
「いつ戻るんだっけ。その夜バーベキューをしようと思うけど、KEIKOもどう?」
イゴールとママが誘ってくれた。
期待していなかったといえば嘘になるが、温かく迎えてもらうだけで十分と考えていた。彼らにとってSobeは仕事なんだもの。だから私は満面ゆるゆるの笑顔になっていたに違いない。嬉々として謝辞を述べた。
「魚と肉、どっちがいい?」
「どっちも好きだけど・・・魚がいいな♪」
ママは "やっぱりね" という顔。遠慮せずハッキリ好みを伝えるのが礼儀だろうとは思うのだけど、ちょっと申し訳なかったかな。実は魚のほうが値が張るんだ。後日、スルジ山に行くときのタクシー運転手の弁によれば 「ここの漁師はクレバーで、少しだけ魚を獲って高く売る」 のだそうだ。

「車を借りて、戻ってから荷物を積みますね」
そう言って、スーツケースを部屋に置かせてもらったまま出かける。時刻は9時45分だった。

Sobe外観

←Sobeは日本風に言って4階部分。その上が同じスタンコビッチ家のアパートメント。1階右側は彼らのガレージだが、1階左と、2〜3階はよその家だ。
ただし帰国する日になってゾランがガレージ上の部屋に引っ越したことを知ったのだが。

Sobeから階段を下る

そうそう、変わってないわ〜。
ふたたびこの地を踏むことができるなんて。神様や家族、自分を取り巻く環境のすべてに "ありがとう!" だ。新たな土地では他のことでいっぱいいっぱいだから、浮かんだとしてもすぐ消えてしまう感謝の気持ち。それをじっくり噛みしめながら階段を下る。やがて旧市街のプロチェ門が見えてきた。

このビーチは帰路で行く予定

突き当たりを旧市街とは反対の左に折れ、ビーチを眺めながらエクセルシオール・ホテルへ向かう。4年前、このホテルへの道を尋ねられたっけ。入ったこともないのに、これまた妙に感慨深い。今回利用するレンタカー会社はこのホテル内にある。予約していた10時を少々まわったころ、地下の一角にオフィスを構えるAvisに着いた。

しかし今回、出発前から危惧していたのは行きの乗り継ぎばかりではなかった。不安事項・第2弾。そう、それはレンタカーだ。
理由は、相性が悪いと思いこんでいるAvisを借りるからという験担ぎめいたものだけではく、洋書ガイドブックに彼の地の道路事情が長々と記述されていたからなのだわ。こんなに悪条件が列挙されているのは初めてだったので、かなりビビっている。元気で帰ってきたんだから無事クリアできたと推察できるだろうけど、実際、本の通りだったと声を大にして言いたい。
ま、それについては後にもっとくどくど話すことになるだろうw

デスクで一通りの手続きが終わるころ、軽い気持ちで口にした。
「モンテネグロに行くんですが」
何か情報があるかと思ってのことだった。
すると係員はモンテネグロに入るなら追加チャージが必要だと言う。一日か複数日か、料金も二段階設定だそうな。

    リスクがあるということか !?!?

 エクセルシオール
 ホテル地階
ホテル玄関前

ホテルの玄関前で待つように指示され、引き渡された車はプジョーだった。

    運転したことがない車、問題が起きなければいいけど・・・

10時半、いよいよ不安事項・パート2の始まりと自分に言い聞かせ、ギアをローに入れた。これから先、一週間後に車を返却するまで、いつにも増して油断ならない。
タクシーも含め、車で何度も通った道なのにちょっと間違えた。でも行き着く先が旧市街なのはすぐに分かり、少し引き返したものの10時35分にはSobe前に車をつけることができた。向きを変えてから荷物を積み、一週間後にまたね!と挨拶したのは10時50分ごろだろう。

では、いざモンテネグロへ!   

写真はモンテネグロ方向に少し進んだところ。
ドブロヴニク国際空港から市街に向かう途上で、旧市街とロクルム島が一望できる絶好の展望スポットだ。
広い駐車スペースが用意されていたので一旦停車し、早々と休憩タイムとする。

これから一週間お世話になる 、
プジョー。旧市街をバックに→

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山火事被害報告〜ツァヴタット[1]


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