9/6 Thu. ドゥルミトルへの道 [2]
4:41 ドゥルミトル国立公園まで8kmの案内板
ワイルドな道しるべから数分、修道院からは2時間以上、もう4:40近くなったころだ。
あたりの景色が一変した。それまで視界を遮っていた山の斜面や木々が姿を消し、なだらかな高原地帯に出たのだ。分厚い雲におおわれた空さえも、広々と感じられる。

なんだか意外。
どんな風景を想像していたのかと問われると、これといったイメージは浮かんでこないんだけどね~。
前ページと同じマップ。上部のうっすらグリーンに
↓  なったエリアがドゥルミトル国立公園
いよいよ公園付近だろうと思われるところで、行き先表示のないY字路にぶちあたった。さてどっち。

車を停め、助手席に広げっぱなしにしている地図を手に取ったが・・・
  うーん、いったいここはどこらへん?
     いいや、一か八かだ。
なんとなく、ただなんとなく、右を選ぶ。
右折直後、右手に大きな池が現れた。
これって地図にあったあの池かしら。
 ※マップ上ではマーク左にある小さな楕円
4:48 Vražje湖。小雨がぱらつく。
だとしたら考えていたより手前にいるもよう。分岐は左に行くべきだったんだ! 方向転換できそうなスペースがあるところまで進み、車の向きを変える。
分岐に戻ったところで、ほとんど停止寸前までスピードを落とした。標識を見落としていないかなぁ・・・と、周辺を見回してみる。
そこへ、前方からやってきたのは一台の軽トラックだった。おじちゃんとおばちゃんが乗っている。いかにも農家の人といった風体、どう見てもジモティーだ。
「ジャブリャク?」 すれ違うところで、おじちゃんが車を停めて声を掛けてくる。
「ダーダー (Yes, Yes)」 と私。
「ジャブリャク、ジャブリャク」
彼は町の名を繰り返しながら、自分たちの前途 ---つまり私が間違ったと思う方向--- を指さし、頷いている。

え~、そうなのぉ~?
半信半疑ながら再度Uターンして、すでに視界から消えていた軽トラックのあとを追った。

しかしどんどん道は悪くなる一方。ついにはアスファルトからダートに変わってしまう。けっこう雨が降ったのか、水たまりやぬかるみも多い。あたりは野原が続くばかりで、人っ子一人いなかった。
それでもしばらく悪路に耐えて走っていると、はるか彼方に家並みが見えてきた。
   ・・・あっ、あれはもう一方の道が通じていると思われる方角じゃないの!

やはりあの池は、地図にあったVražje湖のようだ。となると、三角形の左下から頂点へ行くべきところ、底辺を右に向かっていることになる。だから遠回りとはいえ、このままでもジャブリャクに行けないわけじゃなさそうだ。
ただ時間も気がかりだし、そろそろガソリンのことも気にしていなきゃ。なによりこのまま悪路が続くんだったら、まだ引き返すほうがマシだろう。
悩んだ末、またまた向きを変えた。


分岐を左に行けば残すところ9km。ほとんど一本道だ。だんだん家並みが近づいてくる。そうそう、こうでなくちゃね。
5:04 正しい道に出た
5:08 民家がちらほら
5:11 ホテルのビルボード
5:18 徐々に町らしくなってきた
目指すホテルのビルボードも立っている。
これで確実だ♪

ホッとしたせいか、ふと疑問がわいてきた。
"あのおじちゃんは、いったい何だったんだ?"
・・・ま、まさか、私が道を訊かれたの !?!?!?

思い返せば 「ジャブリャック」 の語尾が最後まで微妙に疑問形ふうだった気もする。

・・・そうか、やはり私は質問 "された" んだな。
旅先で道を聞かれることは少なくない。でもそれはみな、相手も観光客。まさかモンテネグロでモンテネグロ人に道を尋ねられるなんて思いもよらないから、てっきりキョロキョロしている私に気付いて教えてくれたんだとばかり思い込んでしまった。それに今回のように、訊かれたことさえ解らなかったのも初めてだわ (汗)。おじちゃんには悪いことしたよねぇ~。

そんなことをつらつら考えていたら、ホテルの看板が目に入った。そこを左折し、大通りと平行に走る道に入ると、ホテル"JAVOR" はすぐに見つかる。
5:19 あと少しで到着
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国立公園内最大の町、ジャブリャク


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