まえふり
どうして Malta?
「今年はどこに行くの?」「マルタ島よ〜♪」
ほとんどの人が???って顔。東南アジアかポリネシア、ミクロネシアの島だと思って「泳ぎに行くの?」と聞く人もいました。「マルタ騎士団」の名や小説「マルタの鷹」が思い浮かんだとしてもシチリアの南にある独立国だと知る人は少ないようです。小学生の甥が「マルタ会談(米ソ冷戦終結宣言)」のマルタ?と聞き返してきたけど、もちろん場所までは知りませんでした。
なーんてひやあせ偉そうに言ってる私も数年前にTVの海外取材番組を見るまでは歴史の知識も何もなかったんですけどね、実は。

guidebookそれでも1990年のトルコ旅行以来ちょっと本などかじったりして、オスマン・トルコや十字軍には興味がありました。だからトルコ軍を破ったマルタの騎士団のことを取材したそのTV番組は印象深く残っています。そして1997年、書店でマルタのガイドブックを見つけ、大好きな海も遺跡もあると分かって "来年の夏休みはここ !" と心に決めたのです。ガイドブックと時を同じくして出版された本『マルタ島に魅せられて』も読みました(本の詳細はDataのページに掲載)。インターネットでホテルを探し、予約も入れ、飛行機も押さえてもらって、準備は着々と進んでいたのですが‥‥。

そんな1998年6月、ここ十年近くずーっと旅行仲間で今回も一緒に行く予定だった友人から「休みがとれそうにない」という連絡。"さあどうしよう! 1人でも行くか私もやめるか" 一緒に行ってくれる人を捜す気はほとんど起きませんでした。旅行の回を重ねるごとにコダワリもワガママも強くなっている私。同じ経験をしてきた友人ならともかく、他の人だと疲れちゃいそうな気がして。でも一人旅となると‥‥

(1) いままで一人で旅行したことがないから家族が心配する(これは年齢とは無関係なのです)。

(2) プールや海でのんびりすることも計画に入れていたけど、一人プールに浮かんでいる図は想像できない。かといって夏の地中海リゾートを目前に観光だけに終始するのも悔しいしなぁー。

(3) 美味しいレストランで食事をしたくても一人じゃ入りづらいのでは?

(4) 自分がそこにいる証拠写真が一番のお土産だと思っているので、下手な風景写真ばかりになってしまうのもイヤだ。
(5) 荷物を見ていてもらえないのは動きづらい。 あれこれ悩むうちにキャンセルの期限くしゃ顔。結局、やっぱり今年は見送ろう、という悲しい決断をするに至りました。夏休みに海外に行けないなんてえぇぇー! 周囲は「それだけ行ってりゃ十分だろー」って言うけど、まだまだ行きたいところは山ほどあるんですよぉ〜!

そして1999年。ネットで知り合ったお友達がシチリアへ一人旅。しかもパソコン持って。"うん!これだ !!" 向こうから メールを出せば(1)家族の心配はクリアーできるじゃないですか! 他の方から(3)レストランは堂々と入ってしまえばいいのだ、とのアドバイスもいただきました。じゃあ(2)のプールも堂々と過ごしちゃいましょう。(4)の自分の写真はレンズが回転するデジカメを見つけました。(5)の荷物は空港だけだから大した問題でもないでしょう。加えてマルタに旅行した方から治安や電話の状況もお聞きして、やっと一人で行く覚悟が固まりました。

去年行けなかったせいもあってマルタ以外の場所は考えられなくなっていました。4月には『地球の歩き方・南イタリアとマルタ』も出版されてしまい "行くなら今 !" という気持ちもありました。公用語が英語というのも心強い(まるでペラペラみたいに聞こえるでしょうが、旅行で必要なことがかろうじて言えるのは英語ぐらいだ、ということ。オバサン化現象も手伝って度胸だけは培われてきているけどね‥‥)。治安も悪くなさそうだし、まだ日本人だからといって狙われることもないはず。 初めての一人旅にうってつけの場所じゃあないですか?!



出発までは大忙し!

【スケジュール】
一人旅の決意が固まったのが5月。
まずは、いつもお世話になっている旅行会社に飛行機の手配をお願いしました。同日中にマルタ入りできる、英国航空+マルタ航空(ロンドン乗継)と、JAL+マルタ航空(往路=アムステルダム、復路=ロンドン乗継)。この2つのルートをとりあえずリクエストしておいてもらいました。英国航空のほうは未確定だったので、割高なJALは押さえ。

それからスケジュールを検討。1年前の計画で行きたい場所はほぼ決まっていましたが、曜日のズレがあるし4日も多く休暇を確保したので、アバウトながら日程も作り直しです。ホテルも再度インターネットで探してみました。結局、去年予約した2件のホテル(首都のヴァレッタにあるホテル、リゾート・エリアのサン・ジュリアンにあるホテル)に加え、中間のスリーマにあるホテルを選びました。どれもさほど離れていないけど気分を変えてみたかったのです。

6月中旬、ホテルの予約を開始。
ヴァレッタが見晴らせる、初日はのんびりしたい、でもバスや船で中心部にもすぐ行ける‥‥という理由から、最初の宿泊先はヴァレッタの対岸にあるスリーマのホテルにしました。E-Mailで希望日と料金の問い合わせを送るとすぐ返事がもらえました。が、そのとき遅ればせながら "全食つきだから到着が夜中になる初日はもったいない" と気づいたのです。それで日付を変えて欲しいということとクレジット・カードのナンバーを記入したFAXを送ると、その日付けでは予約を受けられないという回答が‥‥。しかたなく最初の予定で予約を入れ直し、OKのメールを受け取ったのが7月初旬でした。
真ん中はヴァレッタのホテルです。9月8日は祭日『勝利の日』。首都ヴァレッタでイベントがあるらしいから、この街に滞在していたかったんです。ここはHPもE-MailもないのでFAXで予約し、翌日には予約確認のFAXが届きました。
問題は最後の宿泊先、サン・ジュリアンのホテル。FAXで予約を入れたあと、スリーマのホテルと入れ替えたいという連絡もしたのになかなか返事が来ない。日程も元に戻さなければならなくなったし電話してみることにしました。すると「返事は送りました」と言うじゃないですか。「でも受け取ってないんです」「どちらにしても予約は受けられませんので‥‥」「最初の日程だったらどうですか?」「それならお受けできます」" ホッ‥‥" 「ではそれでお願いします。念のため、もう一度FAXを送りますから確認書を返送していただけますか?」「ええ、いいですよ」"ふーっ" 英語で電話は疲れますー。ところが1週間してもまたFAXが来ないのです。ふと電話に履歴が残ることを思い出してチェックすると、案の定、何度も着信していました。「おたくのFAXとうちの留守電が合わなかったようです。留守録テープを解除しておきますので、お手数ですがもう一度送信してみて下さい」と書き足したFAXを再送、その夜はFAXのそばから離れないようにしていました。真夜中に最初のベル。何も手を出さずにいたら受信に失敗。2回目はベルが鳴ると同時にスタートボタンを押して‥‥やっと確認書を手に入れましたぁ〜!!
これでエアーとホテルはOK!笑い顔

【モバイル】
私が加入していたプロバイダはマルタにアクセス・ポイントがないGRICという海外ローミングを採用していたので、マルタにAPのあるI-Passを採用しているプロバイダに加入することから始めなければなりませんでした。
それから雑誌の海外モバイル特集を読んで何が必要かを研究しました。大きなA4ノート・パソコンだけでさえ持って行くのはちょっと辛いなーと思っていたら、万一に備えて起動ディスクも必要らしい。電源アダプターなども買い足さなければなりません。だったら最初から240V対応の小さなWindows CE機を買ったほうがいいのかも知れないと思うようになってしまいました。軽いし起動は早いし値段もA5ノートを買うことを思えば半額以下です。とりあえずインターネットとメールができれば良いんだし‥‥。そうして7月にモバイル・ギアを手に入れたのです。モバイル・ギアを選んだ理由は使っている人の報告が一番豊富だったから。
8月初旬には国際ローミングの申込みをしました。そして接続テスト。Windows CE機は国際ローミングの接続用ソフトが入らないので、回線がつながった後にいろいろ手入力しないとなりません。その要領が最初はなかなかつかめませんでした。悪戦苦闘の末、やっと東京のAPへの接続に成功しました。そして、いよいよマルタのAPです。同じ方法で試みてみましたが上手くいきません。
ログインができてもいないのに国際電話料金ばかりかかってしまって泣き顔泣きたい気分でした。でもそれまでの投資を考えると、もう意地以外の何物でもない。ここで泣いてなんかいられないわっ!
3晩費やして、ようやくどうすればいいのかが判ったのでした。にこにこ顔ちゃんちゃん♪



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