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慰問・犒軍・軍事援護 1932(昭和7)年


掲載史料



   満州事変を契機とする戦争の中で反戦・厭戦を出させないために軍事救護法の範囲を広げている

   傷痍軍人の再雇傭に関する照会

   兵事課の文書。満州事変、上海事変直後の京都での軍事救護状況

   満州・上海事変での軍人・軍属の遺家族、邦人避難者に対する乗車運賃割引についての通牒

   明治からの軍人遺族、傷痍軍人を調査するようにの通牒

   兵事課の文書。満州事変、上海事変の犒軍状況について

   兵事課の文書。満州事変、上海事変の慰問金、恤兵金状況について

   満州事変、上海事変を受けての献金、犒軍状況

   満州事変を契機とする国民精神動員運動の報告提出を求めている

   満州事変勃発以降陸軍へ寄贈された金品の収支


〈満州事変を契機とする戦争の中で反戦・厭戦を出させないために軍事救護法の範囲を広げている〉 

          七社会第三号 
              昭和七年一月一日 
                          京都府学務部長 
              区長村長殿 
                  改正軍事教護法施行ニ関スル件 
   改正軍事救護法ハ愈々昭和七年一月一日ヨリ実施セラルルコトト相成。之ニ伴フ同法施行令ハ、既ニ公布セラレ、今般本府同法施行細則亦改正公布セラレ候処、法令改正ノ要点ハ、被救護者ノ範囲ヲ拡張シ、救護ノ種類ヲ増加スルト共ニ、出願ナキ場合ト雖モ救護ヲ行フコトヲ得ルノ途ヲ拓キ、以テ救護ノ徹底ヲ図ラントスルノ趣旨ニ有之。固ヨリ之ガ運用ノ適否ハ皇軍ノ士気ニ影響スル所尠カラザルハ勿論、府民ノ生活及思想上ニモ至大ノ関係ヲ有スルヲ以テ、之ガ取扱ニ当リテハ、今後一層周密ナル注意ヲ払ヒ、苟モ漏救濫救ノ弊ニ陥ルガ如キコトナカラシムルト共ニ、本法所期ノ目的達
成ニ対シ万遺憾ナキヲ期セラレ度。 
   右依命通牒候也。(「京都府公報 号外」昭和七年一月一日 1932年1月1日)


〈傷痍軍人の再雇傭に関する照会〉

                    傷痍軍人等ノ再雇傭ニ関スル件 
                         丙第八〇三号 
                              昭和七年五月三十一日 
                                   内務大臣秘書官 
                              京都府知事殿 
   傷痍軍人等ノ再雇傭ニ関スル件別紙写ノ通陸軍次官ヨリ照会有之候ニ付可然御配意相煩度此段申進候也。 

                               (別紙写) 
                         陸満普第一二七九号 
                    傷痍軍人等再雇傭ニ関スル件照会 
                              昭和七年五月二十一日 陸軍次官 小磯国昭 印 
                                   内務次官 河原田稼吉殿 
   貴管下ニ奉職中徴集又ハ召集セラレ今次事変ニ従軍シタル者ノ身分取扱ニ付テハ、入営者職業保障法及曩ニ次官会議ニ於ケル申合セノ次第モ有之候処、右従軍者中ニハ傷痍ヲ受ケ又ハ疾病ニ罹リタル者モ有之ヘシト被存候。而シテ傷病者モ逐次□復帰ニ相向ヒ近々除隊致ス様ニ相成ヘシト被存候処、該傷病者中ニハ再就職ノ能否ニ付不安ヲ抱ク者モ尠カラス候ニ付テハ、此ノ際之等傷痍軍人ノ復職又ハ再雇傭ニ付特ニ御配慮ニ預リ度。若シ症状等ニ因リ已ムヲ得サレハ前職以外ノ適職ニ再採用方特ニ御高配相煩度依命及照会候□。(1932年5月31日 京都府 「昭和七年 府規、賞罰、位勲、善行、雑事録 」 秘書課 京都府立総合資料館所蔵 京都府庁文書 昭7−2)


〈兵事課の文書。満州事変、上海事変直後の京都での軍事救護状況〉

     一,軍事救護ニ依ル救護状況 
   軍事救護法ニ依ル救護状況ハ、逐次移動アリテ恒ニ一定セザルモ本年六月三十日現在調ニ依レバ、一般被救護者戸数三一五戸、人員一〇三一名、救護費月額三.八二四円、支那事変ニ因ル被救護者戸数一三戸、人員四五名、救護費月額一九六円、合計戸数三二八戸、人員一.〇七六名、救護費月額四.〇二〇円ナリ。一般被救護者ニシテ目下出願中ノモノ五戸ナルガ、支那事変ニ依ル被救護者ハ一.二ヶ月ヲ出デズシテ全部召集解除トナリ、被救護者モ漸次減少スル見込ナリ。 軍事救護法ニ依ラザル一般救護ハ、常ニ軍人後援会京都支会、赤十字社京都支部、愛国婦人会京都支部等ト連絡協調ヲ遂ケケ遺漏ナキヲ期シツツアルガ、去ル五月二十三日ヨリ一週間、傷痍軍人及軍人遺家族ニ対スル奉仕週間ヲ設定シ、各市町村各団体ヲ督励シ、慰問救護セシメ其ノ成績大イニ見ルベキモノアリ。(1932年7月 京都府 「昭和七年七月横山前知事、斎藤知事事務引継演説書」京都府立総合資料館所蔵 京都府庁文書昭7-12) 343頁


〈満州・上海事変での軍人・軍属の遺家族、邦人避難者に対する乗車運賃割引についての通牒〉

     七兵第六六号 
          昭和七年三月十一日 
                          京都府学務部長 
          区長村長殿 
                    乗車運賃割引ニ関スル件 
   支那事変戦没陸海軍人軍属ノ遺族竝ニ邦人避難者ニ対スル社船乗船運賃割引取扱ノ件ニ関シ、今般近海郵船株式会社(東京市麹町区丸ノ内一丁目二十一番地一)ヨリ左ノ通申越有之候趣其ノ筋ヨリ通知有之候條御了知ノ上関係ノ向ニ示達相成度 
   右移牒候也 
               支那事変戦没陸海軍人軍属ノ遺族ニ対スル社船乗船割引取扱ノ件 
          一   割引区間   当社航路全般 
          二   割引期間   当分ノ間 
          三   割引率    各等五割引 
          四   割引ノ範囲 
               イ 遺骨出迎又ハ受領ノ為ノ旅行ノトキ 
               ロ 遺骨ヲ護送シテ帰郷スルトキ 
               ハ 陸海軍又ハ市町村ニ於テ主催ノ遺霊祭参列ノ為ノ旅行ノトキ 
          五   割引方法   軍司令部、師団司令部、連隊区司令部運輸部(出張所ヲ含ム)死没者所属部隊発行証明書引換ニ依ル 以上 
               支那事変邦人避難者ニ対スル社船乗船運賃割引取扱ノ件 
          一   割引期間   当社航路全般 
          二   割引期間   当分ノ間 
          三   割引率    三等二割引 
          四   割引方法   原則トシテ引揚地駐在領事館発行ノ避難行先地記入証明書提示ニ依ルモ右証明書下付ヲ受ケ得ザル事情アルモノハ其ノ他ノ官憲発行ノ証明書提示ニ依ル(「京都府公報 通牒及照会」 第五百三十号 1932年3月11日)


〈明治からの軍人遺族、傷痍軍人を調査するようにの通牒〉

          七兵第一八五号 
               昭和七年七月二十二日 
                         京都府学務部長 
               区長村長殿 
                    軍人遺族竝ニ傷痍軍人調査方ノ件 
   本年十一月、陸軍特別大演習施行ニ付、必要アル趣ニテ貴部内現佳者ニシテ左記ニ該当スルモノノ調査方其ノ筋ヨリ照会有之候條、別記様式ニ依リ来ル八月三十一日迄ニ取調回報相成度 
   右照会候也 
     一 戦死シ、戦闘ニ因ル負傷ノ為死没シ、公務ノ為傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ死没シ、又ハ戦地ニ於テ若ハ公務執行中流行病ニ罹リ死没シタル軍人ノ遺族 
     二 戦闘及戦時平時ニ拘ハラス公務ノ為傷痍ヲ受ケ若ハ疾病ニ罹リ不具廃疾トナリタル軍人 

          調査ニ関スル参考事項 
   第一ニ関スルモノ 
     一 戦死、戦傷等総テ佐賀役以降ノ分ヲ調査スルコト 
     二 軍属軍隊付傭人、看護婦、通訳、巡査等ニシテ靖国神社ニ合祀セラレタル者ノ遺族ハ、戦死病没軍人遺族人同様ニ之ヲ調査スルコト 
     三 遺族ノ範囲及順位ハ左ノ通トス 寡婦、孤児、父母、祖父母、孫、兄弟姉妹 
     四 遺族ハ同一戸籍内ニ在ル者ニ限リ且ツ其ノ先順位者ノミヲ調査スルコト 
     五 一家二人以上ノ戦死者アルトキハ各別ノ遺族アル場合ニ限リ別戸トシテ取扱フコト 
   第二ニ関スルモノ 
     不具廃疾軍人ハ、増加恩給ヲ受ケタル者及傷病賜金又ハ賑恤金ヲ受ケタル者ニ就テ調査スルコト(「京都府公報 通牒及照会」 第五百六十八号 1932年7月22日)


〈兵事課の文書。満州事変、上海事変の犒軍状況について〉

   昨秋来ノ満州竝上海事変ノ為出動或ハ凱旋ノ各軍隊竝名誉ノ戦死者ノ遺骨、京都駅通過ニ際シテハ知事、学務部長、兵事課長、兵事課員等京都駅ニ出張、犒軍ヲナスト共ニ関係諸団体ニ犒軍又ハ送迎方通知シ之レカ行ヲ旺ニナラシメタリ。
   因ニ京都駅通過回数二百五十四回ニ上レリ。(1932年7月 「昭和七年七月横山前知事、斎藤知事事務引継演説書」京都府立総合資料館所蔵 京都府行政文書昭7-12) 337頁


〈兵事課の文書。満州事変、上海事変の慰問金、恤兵金状況について〉

   知事、京都市長、京都商工会議所会頭連名ヲ以テ客年十二月十日ヨリ同二十五日締切ニ依リ慰問金募集シ之レカ応募金額弐万四千参百四十二円八拾五銭ニ達シ、本年一月十二日付ヲ以テ陸軍大臣宛送金セリ。
   右ノ外出動軍人慰恤ノ為、各方面ノ篤志者ヨリ自発的ニ寄贈金送付方本府兵事課ニ申出タル者客年十一月十四日ヨリ本年六月二十一日迄ニ其ノ数参百九拾九件、之レカ金額壱万四千四百弐拾弐円八銭ニ達シ、該金ハ其ノ都度陸軍省ヘ転送シ、現在ニ於テハ全部ノ送金ヲ了シタリ。(1932年7月 「昭和七年七月横山前知事、斎藤知事事務引継演説書」京都府立総合資料館所蔵 京都府庁文書昭7-12) 338−339頁


〈満州事変、上海事変を受けての献金、犒軍状況〉

       昭和七年中ニ於ケル事務報告 
   一,庶務 
     3、満州・上海事変ノ実状ニ鑑ミ慰問金並ニ国防献金募集計画ヲ樹テ町内一般ヘ之ガ募集ニ努メタリシガ、応募総額六百六十四円五十銭ニシテ内五百十三円ヲ以テ鉄兜三十八個ヲ第十六師団司令部ヲ経テ又残金百五十一円五十銭ヲ福知山連隊区司令部ヲ経テ陸軍学芸技術奨励資金ニ献納申出デタル所、三月五日孰レモ陸軍大臣ヨリ受納承認ノ旨通知アリタリ。 

   一,兵事 
     2、満州・上海事変ノ為出征凱旋将士向日町駅通過ノ都度、各種団体及町内一般ヘ通達シテ之ガ歓送迎ヲナシ、犒軍ニ勤メタリシガ其回数百数回ニ及ベリ。(1933年 向日町事務報告(抄) 「昭和八年 会議一件」   向日町市史編さん委員会『向日町市史 史料編』1988年3月1日) 783〜784頁


〈満州事変を契機とする国民精神動員運動の報告提出を求めている〉

          七学第二八号 
             昭和七年一月十九日 
                           京都府学務部長 
             市町村長殿 
                  時局関係国民精神動員実況調査ノ件 
   満州事変ニ関連シ、国民精神動員ノ見地ニ於テ、貴管内ニ於テ実施セラレタル事項(国民精神作興、出動軍隊ノ慰問、在動乱地同胞ノ慰問救恤、出動部隊所属軍人ノ家族慰問等)ノ概況左記項目ニ付、来ル一月二十五日迄ニ御報告相成度。 
   一 期日 
   二 事項ノ種類名称 
   三 主催者 
   四 目的及概要等 
   本件ニ関スル参考事項又ハ御意見等有之候ハバ、併セテ御通知相成度候。尚将来実施セラレ又ハ取投ハルル事項有之候ハバ、毎月末現在ノ概況御通知相煩度候(「京都府公報 第五百十五号」 1932年1月9日)


〈満州事変勃発以降陸軍へ寄贈された金品の収支〉

   全国一斉に国民の愛国熱の結晶である献金品の収支表を左の如く発表したが、慰問袋と身命を守護する御守りが断然トツプを切り、陣中将士の不自由を思ふて越中褌の粋な寄贈が之又多く、更に国防兵器の献納は従来にない大多数で   
     愛国号の五十機を筆頭に高射砲二五,軽機関銃百二〇,高射機関銃二六等が 
その主なるもので、弾丸除けの鉄帽は実に二七.三九一個に達し、極寒中の戦闘だけに防寒帽五二五,防寒襟八八,防寒靴二三等に国民の温かい真心を籠めてゐる。又将士を自由に戦線に馳駆さすため隠れた功績を挙げた軍馬、軍用犬、伝書鳩等の送り物も相当多く   
     軍馬十一,軍用犬十九,伝書鳩百五十の寄付を始め、匪賊の神出鬼没に悩む将士に拳銃の実包五千発を寄贈する等   
皆国民至情の現れで、流石の陸軍省でも之等の涙ぐましい迄の献金品に感謝してゐる。因みに我京都市民の愛国的結晶である京都市民号高射砲等の防空兵器は、全国各都市の献納と比較して断然優勝を示し、数や金額においても他に一頭地を抜いてゐ。   
     ▲恤兵寄贈品   
      一,陸軍恤兵部扱ひの分(昭和七年九月十日調)   
          恤兵金品受領並支出総高受領総高八一九.八八八円四二(愛国財団に引当の分を含まず)   
     ▲恤兵寄贈品受領概数   
          慰問袋一.四八〇.五七五個、酒類六四八石八八升、書籍及雑誌二八一.九六八部、葉書類三.三七一.八五〇枚、煙草三四〇.七八一個、菓子其他食糧品五〇一.六六三点、衣類四二.五〇三点、手拭其の他日用品六四六.七六五点、越中褌三六三.〇四九筋、御守一.六〇三.三〇二体、娯楽具三.七三一点、慰問文九八一.七四六点其の他六六七.三〇〇点   
      二,各部隊直接受領の分(昭和七年七月末日調概算)   
           恤兵寄贈金受領総高八九八.七九〇円一八、恤兵寄贈品受領総高、慰問袋四〇四.五〇三個(各種献納兵器金額合計五.八七七.八〇七円五〇)   
     ▲学芸技術奨励寄付金品(昭和七年九月十日調)   寄附金総収入高三七六.三五一円〇三,支払高一二三.九五一円九一(飛行機愛国第一,第二号購入費)(「京都日出新聞」 1932年9月18日)