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●是正勧告の事例
労働者名簿を作っていない。
●是正勧告・事例の詳細
製造業を営むD社には従業員が35名いる。これまで法違反で指導されたことのない優良な会社だったが、労働者名簿を作成することが法律の義務であったことを知らなかったため作成していなかった。しかし労働基準監督署の調査でこのことが発覚し、是正するよう勧告が出された。
●是正勧告書の内容
法条項等 |
違反事項 |
是正期日 |
労働基準法
第107条 |
労働者名簿が調製されていないこと。
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○・6・11 |
●なぜ是正勧告を受けたのか?
D社は、労働基準法107条違反として是正勧告を受けました。労働基準法107条には、「使用者は各事業場ごとに労働者名簿を、各労働者について調製しなければならない」と書かれおり、また「記入すべき事項に変更があった場合においては、遅滞なく訂正しなければならない」と書かれています。
労働者名簿とは、つまり社員の履歴書のことです。会社は社員を採用するときに履歴書を提出させますが、その履歴書の内容をもとに労働者名簿を作成し、その後変更などがあったときは訂正しなければなりません。労働者名簿に書く内容は厚生労働省令に定められているので紹介します。
1.労働者の指名
2.生年月日
3.履歴
4.性別
5.住所
6.従事する業務の種類(30人未満の会社は記入せずともよい)
7.雇入の年月日
8.退職の年月日およびその事由
9.死亡の年月日およびその原因 |
労働者名簿は社員が退職した日から「3年間の保存」が義務づけられています。ただし日雇い労働者については労働者名簿を作成しなくてもよいとされているので、覚えておくといいでしょう。
労働者名簿を作成(調製)することは法律上の必要事項ですから、是正勧告書の示す期日までに作成し、労働者ごとに写しを添えて労働基準監督署に報告してください。
●是正報告書の書き方
是正勧告の指摘箇所
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是正報告書の記載例 |
〔労働者名簿を作っていない〕
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